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竹輪スパゲティ



竹輪スパゲティですが、海苔を大量に散らしてしまったので絵面が真っ黒けのマックロードでコマ送りも出来る松下電工でした。

味付けも茶色な麺つゆベース、青みのある紫蘇を搭載したのに海苔がカバーして、もう灰色じゃないですか。


やっぱり和風にするとビジュアル面で鮮やかさが足りないですよね。

和風ってあまりに黒と茶色が多すぎてファンシーさに欠けるんです。


だって関東の醤油といえば原液が黒いじゃないですか、暗闇の暗黒世界じゃないですか、関西の人から蕎麦つゆ真っ黒とか言われちゃう訳じゃないですか。

その蕎麦なんて灰色ですよ、火山灰と同じ色ですよ。

しかも乗ってる海苔までマックロードじゃないですか。


どうやってもモノクロームです、総天然色にはなりません、せいぜいセピア色です。

特にメインの具材となっている竹輪なんて正にセピアじゃないですか、一世風靡の哀川翔じゃないですか、ソイヤじゃないですか。

その竹輪って実は物凄く可哀想なんです、不憫なんです、憐れなんです。


竹輪は平安時代の頭くらいから作られ始めるんですが、魚のすり身を棒に巻き付けて焼きますよね。

これ、出来上がりの姿が蒲の穂に似ているんで蒲鉾と言われていたんです、元々は竹輪が蒲鉾だったんです。


その後、板に魚すり身を乗せて蒸す板蒲鉾が登場したので、区別するために竹輪蒲鉾と呼ばれ始めるんです。

更に時代が進むと竹輪蒲鉾から蒲鉾が脱落し、板蒲鉾が蒲鉾と言われるようになったんですよ。


完全に名前の乗っ取りじゃないですか、純然たる呼称の強奪じゃないですか、ネーミングのジャックがコンプリートしてるじゃないですか。

これ、元祖のオンリーワンが蒲鉾界から爪弾きになってしまった構図なんですよ。

それでは竹輪が悲惨だとは思いませんか、憐憫の情も湧き上がりませんか、メンタルもミゼラブルとなりませんか。


私は思いません。


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