鮭のちらし寿司
鮭のちらし寿司ですが、前日に残ったイクラを使い尽くしたそうです。
ちなみにイクラとはロシア語で魚卵という意味なので、タラコやトビコもイクラだったりします。
そんな鮭のちらし寿司でしたが、今日は息子20歳の誕生日です。
〜 カッピー家の本棚 2冊目 〜
このコーナーは万人にはあまりオススメ出来ませんが、私の大好きな本を紹介していきます。
最近の本はありません、今では年に1冊くらいしか本を買わないのでせいぜい20年前までです。
本なので小説だけとは限りません、画集や漫画などもあるでしょう。
さて第2回目の本はこちら。
なんかタイトルにデジャブ感があるのは気にしないで下さい。
前回紹介した吉村昭と谷甲州は無駄の無く非常に硬質な文体という共通点がありますが、谷甲州は吉村昭ほど文章に流麗さはなく泥臭い武骨一直線という印象でしょうか。
確かに谷甲州は吉村昭の影響を受けていると思われ、2ちゃんねるSF板でも「進化した科学技術は魔法と区別が付かない」をもじり「進化した谷甲州は吉村昭と区別が付かない」という言葉がありました。
谷甲州の作家デビュー前は青年海外協力隊に所属する土木技術者で、その経歴もあり技術的な描写力には定評があります。
また極寒や真空など極限状態の筆致も素晴らしく、読んでいると真夏であっても手足が凍る感覚に襲われる文体は甲州節とも呼ばれます。
さて、ご紹介した「星の墓標」ですが全4話で構成されるバリバリのハードSF連作中編で加速度や慣性、相対性理論でいう光速度不変の原理などがポンポン出てきて重要なワードになっています。
例えば1万kmの距離からレーザーを発射して目標に命中するのは0.03秒後、命中したかどうか分かるのは更に0.03秒後なんです。
普通に生活している上で光速というのは超速に感じますが、宇宙というスケールでは鈍足なんですね。
ストーリーはというと、これまた鬱まっしぐらになる暗さで、人間やシャチの脳が取り出され実験に使われたり、兵器に生体コンピュータとして搭載される話がメインとなっております。
また谷甲州は記憶や情報というものをテーマとする事が多く、この小説も1話目から記憶の操作や混乱が出てきます。
特に第2話の「ジョーイ・オルカ」だけでも読んでほしい、シャチのジョーイ君が健気で泣けます。