消えない言葉
それは、消したい、言葉。
創作の相方と、当時は信じて疑いもしなかった相手から、突然飛び出した、「もううんざりだ」という言葉。ざっくりと心に突き刺さって、20年。
わたしは創作が出来なくなった。
読書も絵も興味がなくなった。何かを想像することを諦めた。挫折して筆を折ったのは4度5度はあったはずなのに、今回は立ち直れないまま。
相方がどうして当時、そう言ったのか、事情は理解した。頭では。
心に突き刺さったままの言葉は今でも消えなくて、また否定されるのが怖くて、どんどん無口になっていって、そのうち世界から興味を失った。家事をして仕事して眠っていれば日々が過ぎていく。誰とも会話などしない。何も見ない。何も聞かない。必要以上に出かけない。
そうして20年。楽しいとか、気晴らしとか、リラックスとか、何ひとつわからなくなったわたしが、いる。
相方は「昔のわたしに戻って欲しい」らしい。あの時の発言も撤回するそうだ。
「昔のわたし」がわからない。「創造を、想像を、楽しんでいた」わたしはもう、いない。心に刺さったままの相方の言葉が抜けない。取り消せない。
どうしたらいいんだろう。わたしだって、戻れるなら昔に戻りたいよ。
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