水信玄餅外

好きなものを、好きなままでいるために

※Aセクとは余り関係のないお話です。

人によりますが、「好きなことを仕事にしろ」という発言をされるかたが時々いらっしゃいます。わたしは、自分の体験から、反対の意見を持っています。

「趣味は趣味のままにしておくのがいい」

これがわたしなりの結論です。わたしは、こちらにもマガジンでお目汚しな絵を晒していますが、基本的には絵や文章を拙いながらも描くのが好きで、それしか特技(?)が無いのではと思うくらい、偏っています。
そんなわたしですが、十年ほど、文章に関わるお仕事をしてみて、色々と心を削られることがあり、お仕事から訳あって離れた今、「文章を書くこと」に始終仕事意識がつきまとうようになってしまいました。例えば文字数を気にし過ぎて、膨らませたい描写を無意識に削ってしまうとか、メンタル面では何を書いても楽しくないとか、です。趣味は趣味として、仕事とわけておかないと、ストレスの発散手段がなくなってしまうのだと気づきました。

今は仕事を休職して、リハビリ中です。昔書いた作品を打ち直してみたり、書きかけて放置した作品を完結させてみたりして、概ね「なろう」様にまとめています。ワープロ時代の文章をパソコンで打ち直してみて思うのは、昔の自分は文章を楽しんで書いていたなあということです。冗長なところもありますが、とにかく楽しんでいるのがわかるのです。今のわたしの文章は、味気なくて、とてもつまらないです。表現力ががくりと落ちたと思います。仕事で好きなように描写したら、あっという間に文字制限に引っかかってしまいます。だからどんどん表現を削っていってしまったんでしょうね。

今のわたしは、想像力も乏しくなり、新作を考える余裕もなく、心に鬱を抱えて、楽しかったことが全て灰色の無機質なものに見える世界に居ます。読書も、動画視聴も、ゲームの類いも、何も楽しめなくなりました。本が読めないのは辛いです。鬱の症状で、読書障害が出てしまったのです。目が文字を滑ってしまい内容が頭に入らないのです。

あの仕事に就かなければ、こうはならなかったのかも、と思うと、失ったものが大きく感じられます。勿論、文字制限内に文章をまとめる技術や、最後まできちんと書き上げる技術は会得出来ましたが、引き換えに心を病み、体を蝕まれたのは痛いです。(長時間のパソコン作業で腰痛もちになり、ストレス過食で物凄く太りました)

人によっては、「好きなことを仕事にする」ことで、遣り甲斐がアップしたりする場合もあると思います。だから絶対に間違いだとは言いませんが、わたしとしては、「仕事のストレス発散手段として、趣味は別にしておいた方がいい」のでは、と思うのです。

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