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服は作るよりも...


今や一着の服ですら手作りするよりも購入した方が早いし金額的にも安くなった時代になってしまった。
手芸愛好家からすればあまり良い話ではない。何しろ服を作る手間は嵩もうが手間を惜しまないで作ったものには愛着と言う物がある。それすらも既製品の値段の安さで失われていく訳では無いけれど作る機会は今まで以上に減っていく。

ここ数年で住んでいる所の手芸店は大量閉店と言うほどまでではありませんが、近場のショッピングモール店は二年前に完全閉店し自分の住んでいる所の手芸店は指で数える程に減ってしまった。(隣の市の藤久系の手芸店は今年に入ってから完全閉店してしまいました)
手芸店一つをとってもあっちのお店がレザー用品に特化してたり別の所では縫い物中心で布地や裁縫道具などの品揃え特化だったりするのでリアルの店舗がいらないというわけではありません。(無くなったら実際に布地などを見て触ってなどのフィッティングが出来なくなっちゃう)
リアル店舗の一つが閉店すればその他の手芸店と言うわけにはいかない理由は品揃え自体がお店によって違うからです。(何しろ特化タイプのお店は閉店自体がものすごく痛い)


①ネット通販が主流になってきたから


リアル店舗が減ってきた理由としてはものすごく大きいです。

今は手芸店の商品ひとつとってもネット通販の方が送料が安くなっているのとリアルの店舗には置いていない副資材ですらネットで検索をかければすぐに見つかる事が多いのです。
ネット通販なので気に入ったと思ったら作る資材やツールはすぐに注文して家まで届けてくれるのです。これで言いたいのは商品の検索から購入までスマホ一台で完全に完結してしまうと言う事です。


②テナント店舗の場合は賃貸料が売り上げよりも高額


ショッピングモール店舗の場合は賃貸料がネックになります。

テナントの賃貸料は店舗継続をしていくたびに更新しなければならないので売り上げ額が賃貸料よりも下がれば店舗継続更新が難しくなると言う事になりショッピングモールの開店と同時にあった所で元々20年以上営業を継続していた手芸店であってもやむ追えず閉店という形になっていきます。

そもそも手芸店は在庫が比較的少量なのと多彩な種類の商品を取り置くのでお店側にしてみれば比較的利益が出にくいのです。

③実店舗自体構えなくても購入自体困らないから


先程の「①ネット通販が主流になってきたから」と同じくネット通販購入後の返品率自体が低いからです。


服や靴の場合、実際にフィッティングしないと自分のサイズや着心地などの合う合わないがわからないというのも相まってフィッティングするための実店舗が必要になるわけです。

ですが、手芸用品や画材などはどうでしょうか?実際にネット通販での購入後に購入した商品の返品率はファッション系のアイテム(衣類や靴など)よりも高くはありません。
この事から手芸店などの実店舗自体が無くても資材の購入自体は可能になっていてネット通販で購入を全部完結と言う事でも問題がないわけです。


④ダイソーなどの百均が基本的な手芸用品を揃えているから


一番閉店の影響が大きいのはやはり百均の存在です。一口に百均と言ってもブランドによって置いてある物は多少違います。

ですが、基本的な針と糸とか編み物用品はわざわざ手芸店まで出向かなくても買い揃える事が出来てしまうのです。
それはどう言う事かと言いますと、近くに百均があればわざわざ手芸店を建てなくても主要な手芸用品はすぐに購入出来てしまいます。

手芸店側の視点に立てばあまり良いことではありません。百均に手芸を嗜むお客様が取られてしまえばお店の利益が出にくくなってしまいます。利益が出なければ店舗維持のための家賃や光熱費すら払えない状態になり、結局は閉店せざるを得ないこととなってしまいます。


おまけ 手芸人口は減ったのか?


あくまでも私の推測です。

推測ですが、手芸人口自体はあまり減っている訳ではないです。
何故なら手芸人口自体は百均の普及である程度は維持できているからなのと手芸店のネット通販の利用にスライドしてきてると言うわけです。


⑤基本的なデザインの服だとわざわざ手作りする必要性が薄い


シンプルで作るのが比較的簡単な服は作るよりも購入した方が早いし安いです。

これはGUなどのファストファッションブランドが日本に上陸した辺りから顕著になりました。
大量量産化が可能なシャツやブラウスなどはそこまでデザインとか製作の難易度が高くない上にわざわざ手作りする為の資材購入してまで作ること自体の必要性すらなくなっています。

ただ、大量量産化すら困難なゴスロリ服などは実際に購入すればファストファッションよりも価格が高くつくので手作りで作っていく方が安上がりと言うことになります。
それとコスプレ衣装とかも既製品よりも手作りする方が自分のこだわりが反映されやすいし作品とかによっては作った方が金額的にも安い事もあると言うことになり得ます。(特にコスプレ界隈でも比較的マイナーな作品とかは既製品自体が置いてない事がしょっちゅう)


⑥まとめ


自ら服を作ること自体は無くなったわけではありません。
未だに服を作る人はいますし、特殊なデザインですと既製品自体のお値段が高いと言う話になるのでやむ追えず手作りせざるを得ないということです。
私もコスプレ衣装は作った事がありますし、これからも作る事もあります。(ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダムのコスプレ衣装の既製品はデザインが...なので手作りしたいと思います)

自分で服を作ると言うことはそのこだわりを反映できるだけで無く、その理想的なデザインも表現する事も可能なのです。
ただ、手芸店のリアル店舗が無くなっていくと布地のフィッティングや色合わせが今まで以上に難しい物になっていくのは考え物。

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