アーケードの音ゲーは何故サービス終了が早いのか?
ここ最近だけでも
「テトテ×コネクト」や「クロノサークル」のサービス終了が発表された。
その中でも「グルーヴコースター」のアーケード版は既に今年ネットワークサービス終了を迎えた。
じゃあ、何故アーケードの音ゲーサービス終了を迎えるスパンが短くなったのか。それは...
強いて言えば最近の音ゲーはオンライン環境が必須なタイトルが主流だから。
①音ゲーの譜面パターンだけ複雑にしようが既に先駆者がいるから
主にサービス終了を迎える音ゲーの大半はメインの譜面パターンが何処か似たり寄ったりというタイトルが多い。
アーケード版でも10年続いた「グルーヴコースター」は譜面のパターンが他の音ゲーと違って立体で一味違う形だからです。(サービス終了前の頃になっていくと画面酔いしにくくはなっているけど何処か似たり寄ったりというのが増えた)
新しい音ゲーが出てくると「この音ゲーはLanotaに似てるなぁ」(クロノサークルです)とか「なんか譜面の形が見覚えのある奴だなぁ」と嘆く人が多いのもうなづけます。
最初は話題性だけで飛びついたプレイヤーも(早い人では半年)1年経てば「もういいや」と思ってプレイをやめるプレイヤーが増えていきます。この事でメーカーはネットワークサービスの料金だけが嵩み、次第に同程度のサービスが提供出来なくなって最後はネットワークサービス終了か完全サービス終了(ビートストリーム)にするしか無くなっていく。
②スマホやコンシューマーの音ゲー市場規模が大きくなって来ているから
「グルーヴコースター」も元はと言えばアーケード版が最初ではありません。最初はiPhoneとかのアプリゲームが広まってアーケード化作品の一つです。
スマホの音ゲー競争が激しくなったのは2010年代前半です。この頃はスマホゲーム戦争時代とも呼ばれる位沢山のゲームタイトルが出回っていました。(なめことかニャンコ戦争とか)そして音ゲータイトルも例外ではありません。
スマホゲーム戦争時代を勝ち抜いた音ゲーのタイトル(CytusとかDEEMO)はコンシューマー機にも移植されています。
そのコンシューマー機とは...。
2017年3月3日に発売されたNintendo Switchというコンシューマーゲーム機である。このコンシューマー機の特徴はパソコンで作られたインディーゲームを移植しやすいのとプレイ状況に合わせて3種類のスタイルに切り替えが出来るのが大きい。言わば、プレイヤーにも開発者にも優しいコンシューマー機である。
③アーケードの音ゲータイトルがコンシューマー機に移植されているから
その一方でアーケードの音ゲータイトルは軒並み減少傾向である。
理由は先程のNintendo Switchと言うプレイスタイルが3種類(TVモードとテーブルモードと携帯モード)と切り替え出来るコンシューマー機の登場によりアーケードの音ゲータイトルの移植が出来るようになった(グルーヴコースターとか太鼓の達人とか)からわざわざゲーセンにまで出向く必要性の低くなって来ているわけです。
かつては3DSのゲームであった「シアトリズムFF」のアーケード版もプレイヤーの減少と前述のSwitch版のリリースによりネットワークのサービス終了とともに実存するアーケード筐体も減って来ているのもうなづけます。
これにより、「グルーヴコースター」もSwitch版がリリースされてから僅か5年以内にアーケード版のネットワークサービス終了になってしまいました。(Switchオンラインの金額も年額が他社よりもそこまで高くない上にオンライン対応版のアップデートリリースにより更に撤去されるゲームセンターが増えた)
④新型コロナウイルス流行による外出自粛
サービス終了が早くなった理由としてはやはり外出自粛ではないでしょうか?
2020年に中国から持ち込まれた新型コロナウイルス感染症によって当初はどこもかしこも「外出自粛」と叫ばれていました。この自粛の波はゲームセンターにも多大な影響を与えて行ったと思います。
2019の後半にリリースされた「WACCA」は丁度稼働してまだ一年すら経っていない期間にコロナウイルス感染症の自粛期間が跨ってしまったのでプレイヤー自体が他年にリリースされたタイトルよりも更に集まり難かったのと言うのも相まって僅か3年でネットワークサービス終了になってしまいました。
外出自粛によりゲームセンターまで出向く事自体が制限されれば、Nitendo Switchの売り上げは反比例して伸びていきます。この事が更にゲームセンターにある音ゲーのサービス終了が前倒しするしか無くなる悪循環が生まれて行き、新規のお客様が定着しない問題へと発展するわけですよ。
⑤ギガクレ化による筐体の撤去
これもアーケードの音ゲータイトルにとっても大きな影響を与えました。
確かにクレーンゲームは音ゲーよりも利益が比較的出やすい。言いたいのはそこではありません。これによりクレーンゲーム機設置のスペースを開けるためだけに撤去された音ゲータイトルすらもありましたし。
「グルーヴコースター」とか「シアトリズムFF AC」などのコンシューマー機に移植しやすいタイトルからギガクレ化のスペース確保のための撤去が主になって来て残っているのがコンシューマー機に移植できないタイトルとラウンドワン独占のタイトルだけの状態になってしまいました。(このギガクレ化で私がSwitch購入したのは言うまでもない。今はティアキン専用機と化しているけどね)
未だにギガクレ化自体私は許してはいませんけどね。(理由が音ゲーのタイトル減って欲しくないから)ただ、利益が比較的出やすいからどこのゲームセンターでもクレーンゲームに特化した所も増えて来ている現実だけを見れば仕方ない側面もあるわけです。
⑥まとめ
ここまでをまとめていきますとやっぱり一番はアーケードの音ゲーの利益はネットワークサービスが主流になって来た現在では利益率がマイナス近くになって来ているというのが大きいのではないでしょうか。
それとコンシューマー機がアーケードの筐体レベルまでスペックが追いついて来ているのでゲームセンターまで出向く事自体しなくてもゲーム機とソフトを購入してしまえばいくらでも遊べてしまうのも大きいと思います。
最近ではオンラインサービス自体もコンシューマーゲーム機のメーカー(Microsoftとソニーと任天堂)が自社のオンラインサービスを有料化してまで更にアーケードと同様レベルのオンラインプレイが可能なタイトルも増えてきました。(グルーヴコースターとかシアトリズムとか)
ここまで来るともう、ゲームセンターの大半が音ゲーではなくクレーンゲームに置き換えるのも時間の問題ではないでしょうか。