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門出

序文

YPもすなるnoteといふものを、PWもしてみむとてするなり。

最近noteを書いている人をよくX(旧:Twitter)で見かけるのに加え、友人から誘われた結果、自分も始めてみようという衝動に任せて書いているものになります。
元ネタと違いちゃんとPWです。(遊戯王もmtgも多少は触っているつもりです。)ですが今回書くのはmtgのnoteです。いずれ遊戯王も書く予定です。モチベーションが続けば。そもそもPWもそれ以外のTCGプレイヤーもnote書いてるが?という指摘はごもっともです。
門出ということで今回は私が今パイオニア、エクスプローラーで使用している《迷路の終わり/Maze's End》デッキ、通称【門コントロール】について書いていこうと思います。


現在の構築

デッキリスト

(なぜかPCから見ると英語になるんですが原因が分かりません)

門デッキの弱点

まず初めにここから話していきたいと思います。
mtgはマナ概念のあるカードゲームであり、それは土地と呼ばれるカードを戦場に出し、それをタップすることでマナを出してカードをプレイします。
これは土地という概念がない他TCGでも似た挙動を取ることから、凡そ直感的であると言えるでしょう。
では門デッキにおける弱点とは何か?

必ずタップ状態で戦場に出ること(以下:タップイン)です。
mtgにおける二色土地はデュアルランドを除き、基本的に何かしらの条件または制約の下でアンタップ状態で場に出すことができます。
このデッキを使用しているパイオニアでは、2点払うことでアンタップイン出来るショックランドや、他に土地が2枚以下であればアンタップイン出来るファストランドなど、各デッキの主要となるカードに合わせたマナ域でプレイできるように土地が採用されています。

多色デッキにおいて、タップインをする可能性のある土地は多くのデッキで入っていることでしょう。しかしそれらのデッキがタップインをしたことによって、そのデッキのしたい動きが出来ないことを意味するわけではありません。
手札に1マナのカードがないならば1ターン目に《繁殖池》を2点払ってアンタップインする必要はありませんし、タップインでターンを終えたとしても何の問題もありません。しかし、このカードは2マナのカードの為に2ターン目はアンタップインで出すことができるのです。カードゲームにおいて基本的に選択肢がある方が強いのは明らかでしょう。

確定タップインであることの弱点はその使用できるマナの伸び方にあります。
土地が詰まらない限り、また特殊なカードを使用しない限りこのゲームは毎ターン1つずつ使用できるマナが増えます。
1ターン目に1マナのカード、2ターン目に2マナのカード、というようにnターン目にnマナのカードを使用することが理想です。(最もこれは手札が尽きず、また必ずアンタップイン出来る土地があり、nマナのカードよりn+1マナのカードの方が強い場合を想定した場合ですが。)
このようなことはあり得ませんよね、だって3マナのカード1枚をプレイするより1マナのカードを3枚使った方が強い場合だってあり得ますし、そもそも先に手札がなくなりますからね。

話を戻します。確定タップインであるということはどういうことか。
毎ターン使えるマナの数が相手より必ず1少ないということです。
これは先手後手、関係なくです。
こちらが先手の場合使えるマナの数は
0→1→2→……
逆に相手が使えるマナの数は
1→2→3→……
どうして先手後手が逆転しているんですか???
後手の場合はより深刻な状況に陥るのは明らかですね。
マナ制のTCGにおいてテンポというものはとても大切です。
もちろん相手が必ず毎ターン行動するわけではないですが、そういったデッキの方が苦手な以上意識する必要があります。
従って門を使う場合、このデメリットに対してどのように付き合っていくかをデッキ構築の段階から考えるべきだと思います。

採用理由

それではそれぞれの採用理由について軽くではありますが触れていこうと思います。

・《樹上の草食獣》

戦場に出たときに手札にある土地・カードをタップ状態で戦場に出すことができます。門は元々タップインであるカードが多く、タップ状態で出すことがデメリットになっていません。基本土地のみなどの何の縛りもなく出すことができるというのが本当に偉いです。
上記のデッキにも無条件でアンタップイン出来る土地は27枚中7枚しか入っておらず、基本的には手札にあるタップインの門ないし《迷路の終わり》を置くことになります。
この手札から土地を置くという行為は、テンポ面において重要な役割を果たします。
0→1→2→……
と進行するところを、
0→1→3→……
または
1→2→3→……(1ターン目に森を引けた場合)
と他のデッキでは当たり前のテンポを同じように享受することが出来るのです。(手札は1枚少ないですが)
1/0/3到達というスペックも悪くなく、飛行戦力にもチャンプブロックにて時間を稼ぐことができます。
門デッキにおいて永久就職といっても過言ではないでしょう。
パワーが1でもあれば本当に言うことなしでした。

・《腹黒茸》

新弾ダスクモーン:戦慄の館より一枚目。
初めて見たときには目を疑いました。かねてより《樹上の草食獣》の二枚目をずっと望んでいましたが、それ以上のものをWotCは出してくれました。
マナこそかかるものの、置物対策と《成長のらせん》を状況によって選ぶことが出来ます。(どうせ門を置くので《成長のらせん》との相違点であるタップインのデメリットはないようなものです。)

そもそもアーティファクト(以下:AF)やエンチャント除去の標準的なマナ総量、《成長のらせん》がそもそも2マナであるのに加えて色マナを指定しないのはとても大きいです。
手札から土地を出せることの有用性は先程述べたばかりですが、同じ動きが(少し多めにマナが掛かるとはいえ)出来るカードがあることに越したことはありません。
最近のカードにありがちな「ソーサリータイミングでのみ起動できる」の一文もなく、ブロックしつつ相手の置物に触れる、ということも可能です。
どうせこのクリーチャーで相打ち取れるようなクリーチャーと戦闘することはほぼありませんし、余程でない限りライフで受けるでしょうから、ブロックするならエスケープし得という話です。
またパイオニアにはAFやエンチャントを使ったデッキが一定数存在し、そのようなデッキは全てと言っていいほど苦手であった門デッキにおいてこのカードは救世主といって差し支えないでしょう。
加えて現状の構築は墓地を少なからず活用します。あまりありませんがメインから墓地対策の置物が飛んでくることに対して対抗出来たり、メインから墓地対策の対策を積んでいることはサイド戦以降において構築を大きく変えることなくデッキを回すことが出来る点も優秀だと感じています。
(理由は後述しますが)パワーよりもタフネスが大きいという点も大きく、あるクリーチャーの誘発の助けになります。
タフネスが2しかない点のみ《踏みつけ》などの軽量火力に焼かれるという弱点こそありますが、100点中100点のカードが150点ではなかった程度の理由にしかなりません。

(小話)

アリーナ限定カード

このカードがアルケミーで出たときは、どうしてこんないいカードをだしてくれないんだ!とずっと思っていました。毎回《樹上の草食獣》を初手に引けるならヴィンテージで《Bazaar of Baghdad》を毎回初手に引けると言っているようなものですから。少しでも安定性を上げたかったんです。
でも《竹林の神》より《腹黒茸》の方が100倍強いです。本当に。
ありがとうWotC。

・《事件現場の分析者/Aftermath Analyst》

出たときに3枚切削する能力を持った《見事な再生/Splendid Reclamation》内蔵クリーチャーです。
《見事な再生》との相違点は
・クリーチャーである
・自分で墓地に土地を落とすことが出来る(不確定)
・インスタントタイミングで起動できる
と複数あります。もちろん見事な再生能力のみを参照するなら本体分も合わせて6マナかかる点はありますが、それを差し置いても上のいずれの利点は強力です。
このデッキにおいて切削するカードはそこまで多くはありません。このカードと後述の《その名を言え/Say Its Name》、墓地に土地を送れるという点では《アゴナスの雄牛/Ox of Agonas》のETB能力で手札から捨てた場合のみです。
それでも見事な再生能力を使えたときの爆発力は凄まじく、また何も落ちなかった場合でも最低限の仕事をすることが出来る点は《見事な再生》自身にはない魅力だと思います。
見事な再生と同様に、全ての土地を戻すことが出来るので破壊されてしまった《迷路の終わり》を戻すことも可能です。
《樹上の草食獣》とは異なり、パワーが1あるのも嬉しいですね。

・《門破りの雄羊/Gatebreaker Ram》

(スタンリーガルを経験した)門に関する能力を持ったカードの中でランキングを作るなら1,2位を争うカードだと思います。
ラヴニカの献身にて登場し、以降の門デッキを支え続けている神です。
門を2つ以上コントロールするだけで警戒・トランプルを持ち、門1つにつき+1/+1修正を受けます。
門2つと森から3ターン目に出しても3/4/4警戒・トランプルとそれなりのスタッツを持ち、それ以降も門が出るたびに大きくなり、種類ではなく枚数を数えるため同じ門であっても問題なく修正を受けられるといういたり尽くせりなカードです。時にはこのカード1枚で相手のライフを20点削ることもできるでしょう。
警戒・トランプルの両方を持っていることがとても偉く、相手のライフを削りながらブロッカーにもなれる、まさに門の為のカードといっても過言ではないでしょう。

・《肥えた緑甲羅/Fecund Greenshell》

《門破りの雄羊》は完璧なカードです、しかしそんな神でさえ飛行クリーチャーには無力であることは認めざるを得ません。
不死鳥がよく飛んできますからね。
それを克服することが出来るのがこの《肥えた緑甲羅》です。
これはパイオニアの《有翼の叡智、ナドゥ/Nadu, Winged Wisdom》です。

え?自分パイオニアにいてもいいんですか?

自身とパワーよりタフネスが高いクリーチャーが戦場に出るたび、デッキの一番上を見て、土地なら場に出せます。
え?ナドゥはアンタップインだって?門はそもそもタップインだから関係ないよね()
一般的な門は《ギルド会談/Guild Summit》をドローソースとしていますが、《ギルド会談》と違い、クリーチャーである点、土地を直接場に出せる点はテンポの面でも優秀です。
このデッキに採用している2マナ以下のクリーチャーは全て《肥えた緑甲羅》の誘発条件を満たします。
2マナ以下のクリーチャーを展開しながら同時に土地、または手札を増やし、それぞれが全て土地に関する能力を持っているためさらに土地を増やすことが出来ます。このデッキはこの動きをどれだけ早く出来るかを目指し、如何に土地を伸ばすことが出来るかだと考えています。
高PTを持った到達持ちは盤面を膠着させるのに十分なスタッツであり、さらに土地を10個以上コントロールしていると自分のクリーチャー全てに修正を与えるので遅れがちなダメージレースに参加することが出来ます。
ナドゥと異なり非伝説なため、重複するのもこのカードの強さといえるでしょう。

・《アゴナスの雄牛/Ox of Agonas》

通称アンリコビーフ

墓地からも使える《宝船の巡航/Treasure Cruise》です。このデッキはマナカーブの頂点を5マナに据えており、土地が5枚並んだ段階で手札が尽きてきます。
そのタイミングで引いても墓地に落ちても使えるカードを探したところこのカードに行きつきました。
墓地に落ちて使えない可能性を了承するのならばドローソースとして優秀な《ギルド会談》でも良いとは思いますが、クリーチャーである点や、繰り返し使える可能性を考えてこのカードを採用しました。
ドローソース枠としては自由枠ですが、墓地を活用する構築であることは考慮した方がいいでしょう。

・《三度呼ばれ、アルタナク/Altanak, the Thrice-Called》

新弾ダスクモーン:戦慄の館より二枚目。
基本的に後述の《その名を言え/Say Its Name》から出しますが、土地が伸びていると素キャストも狙えるカードです。
手札にある時の能力も使い勝手がよく、《事件現場の分析者》などで落ちた土地を置くことが出来ます。
7/9/9というサイズは非常に優秀であり、このクリーチャーを盤面に出していい状況が多く存在します。
・《門破りの雄羊》などにより相手のライフを減らした後の追加アタッカー
・《燃え立つ門》や相手のソーサリー全体除去などによって盤面が空の状態
特にこの2点は多く遭遇します。
ライフを詰める速度がとても速く、《迷路の終わり》と《門破りの雄羊》以外に用意できる門と関係のない勝ち筋となりえるでしょう。

・《その名を言え/Say Its Name》

《事件現場の分析者》と同じくデッキからカードを墓地に落とせるカードです。
切削したカードと手札に戻せるカードは関係なく、効果を使った《腹黒茸》を戻したり、《事件現場の分析者》で落ちた欲しい土地やクリーチャーを拾いにいくことが出来ます。これほど使いやすい効果ですが、これがこのカードのメインではありません。
墓地で自身を含む同名3枚を墓地から追放することで、先ほどの《三度呼ばれ、アルタナク》を墓地・手札・デッキから出すことできます。
マナも使わず、追放領域以外のどこからでも出せるのがmtgというゲームでは珍しく、遊戯王でもやっているのかと思わされます。その上出てくるのが先述のあの大型クリーチャーです。インチキ効果も大概にしろ!
2マナという取り回しの良さも相まって、3枚とも手札に来たとしても3回唱えることも難しくなく、手数を増やすことが出来るのはこれまでの門デッキにはなかった部分だと思います。
このカードの採用枚数は3~4枚でブレることが多いですが、個人的には《三度呼ばれ、アルタナク》を出す確率を上げるためにも4枚でいいと思います。

・《燃え立つ門/Gates Ablaze》

先程「(スタンリーガルを経験した)門に関する能力を持ったカードの中でランキングを作るなら1,2位を争うカードだと思います。」と書いたと思います。
これが1位です。
わずか3マナ・シングルシンボルで全体除去を放つことが出来ます。
《門破りの雄羊》と同様、門の種類ではなく門の数を参照し、その数だけ各クリーチャーにダメージを与えます。
これがアグロからミッドレンジデッキにおいて強く、赤を出せる門2枚+森の状態であれば全体2点火力となりアグロデッキに対するメタとして、4,5ターン目まで引き付けて打つことが出来れば4~6点の全体火力をわずか3マナで打つことが出来ます。相手側のタフネスに依存しますが、基本クリーチャーデッキであれば打って強いタイミングが存在し、初手ないし3ターン目までに最低1枚は引いておきたいカードになります。
また、門の総数というのが《門破りの雄羊》と非常に相性がよく、門の数だけ修正を受けつつも元々2/2のスタッツを持っているため、必ず2点残ることになります。このカードにより《門破りの雄羊》だけにして殴るのが一番簡単な勝ち方になるでしょう。

・《洞窟探検/Spelunking》

パイオニアで使える《精力の護符/Amulet of Vigor》+《探検/Explore》です。どちらもパイオニアでは使えません。
それなのに両方が一枚になってマナ据え置きなカードが使えるんですか!?
1枚引いた後に手札から土地・カードを戦場に出すことが出来ます。
はい、これが重要なことは《樹上の草食獣》の項目で解説しましたね。
これにより洞窟を出したなら4点のライフを得ると書いてありますが、インクの染みです、このデッキの土地タイプは門・森・球層だけです。
そしてこのカードの本分は次です。
「あなたがコントロールしている土地はアンタップ状態で戦場に出る。」
この一文は全てが門に噛み合っています。もうこれのない門は考えられません。これまで散々テンポアドバンテージを取られるから土地を多めに出すようにしよう!と言っていたのに、急に門がデュアルランドになりました。
門がアンタップ状態で戦場に出るのはもちろん、《迷路の終わり》も戦場に出ることになります。

このカードの下の効果で勝つのが目標

ここで少し《迷路の終わり》について話をしておきましょう。
本来《迷路の終わり》は
➀タップインしてターン終了。
➁次のターンに効果を起動。門をデッキから場に出す。(門なので当然タップイン)
③(他にプレイできるカードがなければ)手札に戻った《迷路の終わり》をタップインしてターン終了。
という風に一度動き出すまでにターンを跨ぐ必要がありますし、3マナ払って使えないマナが1枚増えただけです。
しかし、《洞窟探検》があると
➀アンタップ状態の為、そのまま効果を起動。
➁デッキから出る門がアンタップイン。プレイできるカードがあるならさらに行動可能。
と効果起動の為にターンを跨ぐ必要がなく、また起きている土地から《樹上の草食獣》や《腹黒茸》のような軽いカードを唱えることが出来るのです。
《樹上の草食獣》であれば手札に戻っている《迷路の終わり》や他の門を置いて10種類までの必要ターンを短縮することが出来ます。
このカードにより余っているマナで複数行動することが出来るのも、3マナ以上のカードを少なくしている理由の一つとなっています。
まさに門の門使いによる門使いのためのカードであると言えるでしょう!!
(名前は洞窟探検だし、洞窟使いに喧嘩を売っているわけではないです)
複数枚引いたとしても土地を伸ばしたり、《迷路の終わり》を1ターンに複数回使う目的で出すことも多々あります。このカードと土地しか引かなかった、という状況でもない限り基本的に腐らないカードになります。
ただ相手の盤面に触れたりクリーチャーを展開したりするわけではないので、相手が早いデッキやクリーチャーの質が高く対処に急を要するデッキの場合はサイド後は枚数を減らすことが多いです。

・各種ギルド門及び《迷路の終わり》

現在は門が12種18枚、《迷路の終わり》が2枚の構築になっています。
基本的に緑を持つ門が初手に来るようにしています。
このうち《スランの門/Thran Portal》のみアンタップイン出来る可能性のある門です。

英語名にGateはないのに門タイプを持っている意味不明なカード

他の土地が2つ以下(これを含めて3つ目まで)ならアンタップイン出来る門です。
基本土地タイプを一つ選び、その選ばれたタイプを持つという能力ですが、マナ能力を使うたびに1点のライフを支払わないといけません。
森や山、島の代わりになれるが選べるのは1度だけで以降は1点払わないとマナを出せません。つまりスーパー使いにくいファストランドとダメージランドの悪いところ取りです。ですがアンタップイン出来る門がこれしかないので仕方ないでしょう。
実際このカードをアンタップイン出来ると都合のいいことは多く、《燃え立つ門》が3ターン目に全体3点、また数少ない《樹上の草食獣》を1ターン目に出すことが可能である土地であり、上振れすればもっと火力は伸びます。
ですが4枚目以降に引いた場合がそれ以外の門や基本土地の下位互換となるため、なるべく早めのターンに出して、かつマナを使わないことが理想であると言えます。ハイリスクハイリターンであるが故に、依存しないためにも1枚採用に留めています。(環境が高速化しすぎてライフの1点や2点の価値が減っているなら複数採用する可能性もあると思います。)

《迷路の終わり》に関してはほとんど《洞窟探検》で話をしたので割愛しますが、このカードは伝説ではないので複数並ぶことが出来ます。
《事件現場の分析者》から2枚戦場に出して、同一ターンに2回起動するということも可能です。このカードは門ではないので《燃え立つ門》や《門破りの雄羊》にはカウントできません。悲しいね。でも出来たら《迷路の終わり》から《迷路の終わり》を持ってこれてしまうからこれはよくないですね。

・《調和の公有地/Plaza of Harmony》

「え?これ門じゃないの?」と言われるランキング第1位です。
門に関する効果を持っているただの土地です。門ではありません。とても悲しい。
戦場に出たときに門を2つ以上コントロールしている場合、3点のライフを得る能力を持っています。
本当に偉いです。テンポを失いがちな門デッキにおいて、アンタップインして強い土地というのは本当に貴重です。ライフを得る能力も、大抵相手の方が早くクリーチャーを展開し、ライフを失うことが多いこのデッキにおいて、ライフがなくなるまでのターンを延長することが出来ます。
また、自分がコントロールしている門が出せる色をこの土地は出すことができます。これが門デッキにおいて非常に重要で、このカードの有無によってダブルシンボルのカードを唱えるのにこのカードともう1枚の門で出すことが出来るのです。《白日の下に/Bring to Light》のような収斂を持っているカードを採用する際にもお世話になる能力です。

支払ったマナの色が多いほど恩恵を受けられる

また、その門がアンタップ状態かどうかは問いません。
《シミックのギルド門》《アゾリウスのギルド門》《調和の公有地》と置いた次のターンに《ラクドスのギルド門》をタップインしても《燃え立つ門》を打つことが出来ます。
相手に赤マナがない、または赤いカードが手札にないと思わせるブラフになるかもしれませんので、覚えておいていいでしょう。
(実際にない状態からデッキトップで引くこともしばしば)
相手と同じマナ域で動けるようになる基本土地以外では唯一と入れるほど手放しに入るカードですので、4枚採用以外の選択肢はないでしょう。
ただし、これ自体が門ではない上に、門を一緒に引かないと無色マナしか出ません。気をつけてください。
例えばほら、最初に手札を見て……《迷路の終わり》と《調和の公有地》と《グルールのギルド門》、《森》、《門破りの雄羊》2枚、《燃え立つ門》。
はい、マリガンです。

・《森/Forest》

基本土地です。
黒単や青白コントロールなど《廃墟の地/Field of Ruin》を入れている構築が存在するため、デッキに2枚ほど採用しています。
序盤に《樹上の草食獣》を出すのにも使えますし、ちょっと弱い《調和の公有地》としてプレイすることもあります。
デッキ内の色も緑がほとんどなので、《森》以外の基本土地も必要ありません。2枚で十分でしょう。パイオニアには《血染めの月/Blood Moon》もありませんしね。

月が綺麗ですね(#^ω^)

・《ミレックス/Mirrex》

このようなデッキでは馴染みのないカードかと思います。
まず初めにこのカードは機体と組み合わせる前提で採用されていました。

またダスクモーンかね?
ちょっと前に解禁になった凄い子

何度かプレイした結果、《樹上の草食獣》が機体に乗れない、《腹黒茸》は戦場からいなくなってしまう、など問題があり、その時に白羽の矢がたったのが《ミレックス》ということです。
ただ、《生垣裁断機》は期待していたほどの爆発力はなく、《事件現場の分析者》で十分であることが判明したため抜けることになりました。《密輸人の回転翼気》も上の問題を差し置いてまで採用するカードではありませんでした。(次に試すなら《地底のスクーナー船/Subterranean Schooner》でしょうか。こちらはまだ試せていません)
ただ《ミレックス》自体は墓地に落ちても《事件現場の分析者》で墓地から戻すことのできるカードの中で、《迷路の終わり》以外にも役割を持てるカードとして十分に価値があると分かりました。
《迷路の終わり》と異なり手札に戻らないので、毎ターン構えながらクリーチャーを生成できる点は1点2点を争う場面で非常に重要になります。
また出たターンは好きな色マナを出せる能力も1マナクリーチャーと相性がよく、ちょっと強い《森》として採用しています。

キミのことは呼んでません

・サイドカードについて

現状のメタに対する最適解というわけではありません。自分の身の周りやアリーナでプレイした際に欲しいなと感じているカードを採用しています。
ですが何枚か紹介したいと思います。

・《引き裂く流弾/Rending Volley》

《輝かしい聖戦士、エーデリン/Adeline, Resplendent Cathar》やスピリット、《大牙勢団の総長、脂牙/Greasefang, Okiba Boss》を殺すカードです。
ないとこちらが死にます。スピリットに関しては《燃え立つ門》をいかに上手く当てられるかがポイントになりますが、その土俵に持っていくためには軽量除去を入れないと速度勝負になりません。

・《ティシャーナの潮縛り/Tishana's Tidebinder》

絶対に入れましょう。
《夢を引き裂く者、アショク/Ashiok, Dream Render》に対して何もできずにそのまま死にます。

これ以上に《迷路の終わり》を殺すと言っているカードは珍しいでしょう。
《迷路の終わり》がただの無色土地と化し、起動し損ねた《事件現場の分析者》は墓地を追放された後はただの1/3と化します。
《夢を引き裂く者、アショク》を使うデッキが素直にこちらの攻撃を通してくれるとは思えません。相手のデッキに採用されている他のカードの存在も然り、このカードを維持するだけでこちらメイン勝ち筋を潰せているのですから。
《夢を引き裂く者、アショク》以外にも起動型能力や誘発型能力で強力なカードは多数存在します。《燃え立つ門》がプレインズウォーカーや(機体が何かしらの誘発型能力を持っている場合は)機体に当たらないという弱点も《ティシャーナの潮縛り》はカバーしてくれます。

・各種置物対策

墓地対策カードが飛んでくる可能性を考慮して厚めにとっています。

通称黒力線
通称R.I.P

サイドに対するサイドカードないし、門デッキが本来苦手とする置物を多用するデッキに対して対等に持っていくためにも枚数が多くなっています。
ゲームを長引かせることでこちらの土俵に上げることを意識しています。

不採用カードについて

ある程度門デッキについて見慣れている人はこのデッキを見た際、通常よくみるカードが採用されていないことに気付くと思います。
この項ではその理由について語ろうと思いましたが、それを記すには余白が狭すぎます。よって以下は読者への宿題とします。
(来週この部分にフィーチャーを当てた記事を書こうと思います。)

(追記)
大変お待たせ致しました。
大幅に遅刻してしまい申し訳ございませんでした。
レガシーとスタンダードに現を抜かしていました。
ファウンデーションズ最高!
《迷路の終わり》がスタンリーガルになった件に関してはまた別の記事を書きますのでお待ちください。

・《成長のらせん/Growth Spiral》

青緑でインスタントタイミングで土地を伸ばすことができ、1ドローが付いているおかげで手札に土地がなくても最悪キャントリップカードとしても使用することが出来ます。
2マナで土地を伸ばせるのはとても強いですが、採用していない理由はマナシンボルの拘束の厳しさが一つ理由として挙げられます。
青と緑絡みの土地を一枚ずつ、または《シミックのギルド門》と《調和の公有地》が要求値として比較的高く、メインの土地をそちらへ寄せてしまうとサイドボードと入れ替えをした際に色事故を起こす危険性を嫌って不採用としています。
加えて門や《迷路の終わり》はタップインであるが故の弱点があると考えています。一般的な土地はこのカードを打った場合、手札の土地を出す代わりに2枚の土地をタップします。感覚的には2マナを失って1マナを生み出しています。その1マナで別のアクションを取ったり本来余るはずだった1マナをこのカードを使って使い切る、という動きが出来ます。
しかしこのデッキではアンタップインの土地が合計で7枚しかなく、さらには《森》《シミックのギルド門》と並んでいる状態で《調和の公有地》を置きたいか?と考えると置きたくはありません。
ここは《樹上の草食獣》や《腹黒茸》でも異なりませんが、彼らはタップインであることを強要するため門を置くことにためらいがない点は《成長のらせん》と異なる点です。
また土地加速系に共通する弱点として終盤に引いた時の価値の低さを嫌っています。もちろん1ドローで解決することもありますし、解決した時よりもしなかった時の失敗体験を引きずっているだけの可能性もあります。
ただ盤面にクリーチャーが出ないという点は《肥えた緑甲羅》をメインに考えている現在の構築とは相性が悪く、不採用となりました。
スタンダード禁止経験のあるカードなのに……悲しいですね

・《迂回路/Circuitous Route》

好きな門を2枚戦場に出すことができ、土地の色基盤を安定させたり1枚しか採用していない門を持ってきて《迷路の終わり》の種類数を稼ぐのが主な仕事です。
次のターンには6~7マナが使用できるため、失ったテンポをビックマナで一気に取り戻す動きも可能です。
が、あまりにもパイオニアというフォーマットにおいて3~5ターン目に盤面に何も干渉せず、フルタップで返すという行為が弱く、土地を伸ばした先に取りたい動きが他の多色デッキと比べて弱いのではないか、という考えで不採用としています。(競争相手としては5cニヴを想定していますが、あまりにも下位互換感が否めない上に、ニヴ対策がそのまま刺さるためデッキ構成を考える必要もあります。)
また《成長のらせん》以上に終盤の引きが弱く、《迷路の終わり》が起動できる状態かつ門が7種類以上で、使えるマナが8マナ以上という限定的すぎる状態でないとトップ引きで勝つことが出来ないため、非現実的であると考えています。
ただカルロフ邸のとあるカードを見落としていました。次回はそのカードを交えたスタンダードのデッキを紹介したいと思います。

・《開門/Open the Gates》

序盤では色の足りない門を持って来ることができ、デッキを圧出しつつ中盤以降では《迷路の終わり》の為の種類を稼ぐことが出来ます。
が、個人的にはやはり盤面に触れずただ土地をサーチするだけ、1マナとはいえ悠長だなと感じています。テンポ損が激しいって言ってるのに土地を呑気に伸ばしてる暇があるのか???
ガンド門さえくれば(´;ω;`)

もちろん土地が止まって負ける可能性もありますが、だったらその枠は土地にして、テンポロスを別のカードで巻き返すべきでは?と考えています。

・《ギルド会談/Guild Summit》

出たとき並びに門が出るたびに1枚引くことが出来ます。 手札の土地を置く、というリソースの途切れる行為をリソースの供給源に出来る上に、さらに《樹上の草食獣》から土地を置くとさらにドロー、と連鎖することが出来ます。(もちろん《迂回路》を唱えれば2マナ伸びて2ドロー!)
門に関するカードでランキングをつけるなら3位に挙げます。
現在のデッキ構成では切削して一気に土地を伸ばし行うという構成にしていますが、その際に落ちてしまったギルド会談を回収出来ないため少し相性が悪いかなと思って入れていません。 ただドロー能力だけで言えば《アゴナスの雄牛》以上に優れているので、代わりに1~2枚採用して手札が途切れないことを優先するのもいいと思います。
不採用カードの中では一番戻す可能性があると思います。
(追記:思っていました。過去形です。詳しくは次の記事へ)

・《門の巨像/Gate Colossus》

戦場にある門1つにつき➀唱えるコストが軽くなる8マナクリーチャーです。
8マナのアーティファクト・クリーチャーというのはパイオニアにおいて非常に強く、環境を定義している《致命的な一押し》《喉首狙い》が当たりません。
が、しかし出てくるのが遅すぎると感じます。
門が4枚で4マナ、6枚で2マナと文字で見ていると強そうですが《調和の公有地》《迷路の終わり》が門ではないために土地が5枚並んでいても《門の巨像》は5マナかかる……という状況は珍しくありません。
戦場にある時の能力がパワー2以下にブロックされない、という微妙な回避能力であり、これがトランプルであればなぁ、とアルタナクを使っていて感じました。
ただ切削型と相性のいい点は、切削してこのカードが墓地にある状態で門を置くことが出来れば、デッキの一番上に戻ってくることです。元々は破壊されても何度も蘇ってくるという使い方ですが、切削して門を貯めるのと同時に、好きなタイミングでデッキトップに積むことができるので、《ギルド会談》があればスタックを好きな順番で組めばそのまま手札に置くことも出来ます。そのシナジーを考慮してこのカードを1枚と《ギルド会談》を2枚採用するのも面白いと思いますが、私は《肥えた緑甲羅》《三度呼ばれ、アルタナク》で十分であると考えて不採用となりました。

・《僻境への脱出/Escape to the Wilds》

リソース補充カードその2です。
使い切りではありますが、実質5枚ドローと土地プレイ権追加はとても相性がいいです。事実自分もこのカードを長らく使っていました。
土地を伸ばす、手札のリソースを回復する、どの文章も門デッキと相性がよく、
このカードの問題点は一つ、5マナで打ったターンは何もできず土地を置くだけで終わってしまうことです。
また公開されているので、それに対応した行動を相手は取ることが出来ます。(《燃え立つ門》があるからクリーチャーは出さないでおこう、など)
もちろんその行動を強要すること自体はそのカードが強いことの証左ではありますが、何もめくれなかった時や《肥えた緑甲羅》のような重たいカードが追放された際に価値が低いと考えて不採用となりました。
土地だけが追放された時や土地を含まない5枚が追放された場合、全てを使えないことも弱みの一つです。
もちろんデモコン理論に則って使わないカードがなくなっただけの様に見えますが《迷路の終わり》で10種類土地を並べる必要があり、土地を置いたターンに打ってしまった時に1枚しか入っていない門が3種類以上追放されると揃わなくなってしまいます。こうしたリスクはごくわずかではありますが、上記の理由と、《肥えた緑甲羅》とマナ域がかぶっていることもあります。

その他採用される可能性があるカードもありますが、ここでは省略させていただきます。

終わりに

以上で終わろうと思います。
駄文でしたがここまで読んでいただきありがとうございます。
次回は《迷路の終わり》並びに門10種、それと門に関係するカード4種の再録カードが登場したスタンダードについて触れていこうと思います。

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