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賞味期限はとっくに切れてる

友人の母からの紹介でお見合いをした。もともとは、友人にきていた話だが友人が断った為こちらに回ってきた。
お会いすると悪い人ではないが、上司の悪口や労働組合への愚痴で(先方が一人で)盛り上がって終わった。

最後に連絡先を訊かれたが、同席していた友人が「それはまた親を通して」ときっぱり断ってくれた。お、男前…。

賢そうで、上場企業にお勤めだけあって身なりがいい。しかし、致命的に会話のツボが合わない。
連絡先を訊いてきたということは、きっと私に対して悪い印象はなかったのだろう。
しかし、この人と友人抜きで2回目に会って間が持つ自信も、キスより先に進める気もしなかった。鋼鉄の高齢処女は面倒臭いのだ。

私よりもきっといい人がいる。

「春になったらさ、着物を着てどこかに行かない?」

友人がぽつりと呟いた。

「結局こうやってる時間が一番楽しいんだよね」
「気づいちゃった?私気づくまで2年かかったよ」
「判断が早すぎて鱗滝さんに褒められるレベル」

笑い合った。

結局は未来の自分を納得させるために今足掻いているのだ。やらないで後悔するよりも、やって後悔したほうがいい。自分はこれだけ頑張って婚活したにも関わらずできなかった。その事実が欲しかった。

そうそう。爬虫類顔から返信が3日途絶えたのでアプリもラインもブロックした。仮にも2回会ったのできちんとお別れ文書などを投げたほうがいいのかもしれなかったが、なんだかもうそんな気力もなかった。縁がなかった。それに尽きる。

今の持ち駒は、
浜口京子(また買い物に行く予定。そんなに楽しかったのか)
B'z(お茶アポ予定、日程調整中)
お城好き(メッセージのやり取り中)
といったところか。

去年のようにいい顔をしようと土日びっちりスケジュール入れる元気がないので、ぱらぱらと入れている。いのちだいじに、アクセルを緩める。

浜口京子とはラインを交換したので、毎日何気ないやりとりをする。その中で「たまの夕食は何か作りますか」と言われたことが絶妙に引っかかる。必要に迫られて料理はする、が何かこの訊き方が気に入らない。そういえば初対面でも「家庭料理は簡単」という発言をして初回から私の婚活クビレースを走っている。優しくて、悪い人ではないのだがたまに違和感は感じる。

買い物の次は遠出したいらしく、次回のアポはその打ち合わせも兼ねている。きっとそのタイミングで告白されるんだろうなあと謎の予感。

料理教室に通いつつも、毎夕食外食の写真が送られてくるので自炊はしない彼。自分でも手料理の大変さをわかっているはずなのに。

まあ、言葉尻にいちいち目くじら立てても仕方ない。
これだから、売れ残りはモテないのだ。

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