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子育てコラム(4)『のびのび育てる?』

 人気アニメ『ドラえもん』に出てくる のび太君。

その命名時のエピソードは 感動的です。

 元気な男の赤ちゃんを生んでくれた妻に寄り添い、お父さんは涙を浮かべながら、

「のびのび育ってくれれば、それ以上望まない。君の名前は野比のび太だ!」

と名前を決めるわけです。

 やがて年月が経ちました。

のび太君の心の苗は、のびのび育ったようにも見えます。

 でも、、、伸びてきたのは苗だけでしょうか。

そう。
雑草も一緒に伸びてくるわけです。

 雑草に覆われた苗には日光と栄養が行きわたらず、
秋になっても、豊かな実りを得られません。
 「のびのび育て」が、雑草ノビノビでは困るんですね。

 秋の実りを得るためには、
十分な水と土の栄養を与えてやる必要がありますし、
そのうえ、
人の手で害虫や雑草を取り除き、
さらに加えて、「お天気」という 人の手では如何ともしがたい条件が加わる。。。

「のびのび育ってくれればそれでいい」

って、美しい言葉ですが、それはやはりアニメの世界。
 現実に生きる私たち大人が、言葉に酔ってはいけません。

 その昔、二の宮金治郎(尊徳)は、
『天理と人道』という言葉を残しました。

天理と人道をよく弁別する人 少なし(自然の力と人間の努力の違いを分かっている人は少ない)」

と。

 その子が生まれながらにもっている特性や成長のペースを無視して、
本人が望まぬ無理な中学受験の勉強をさせる。。。これは、あたかも、
「早く実れ」とばかり、稲穂を上にひっぱってしまうようなもの。
 ひっぱられた稲穂(心)は ちぎれてしまい、はい おしまい。。。「天理」に逆らったからです。

 では、子供に必要最低限の努力もさせず、本人の意のままに 好き放題させたらどうなるでしょう。
 これも、せっかく伸びてきた苗が雑草に覆われて やっぱり おしまい。。。雑草取りという「人道」を怠ったからです。

「のびのび育て!」

って、人為を尽くさず ただ祈っているだけ。

 私たち大人には、
苗がのびのび育つ工夫こそが必要なのだろうと思います。



 







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