上京した話
転職を機に、私は地方の田舎町から東京に上京しました。これまでは穏やかで静かな田舎の生活に慣れていたため、東京の賑やかさとエネルギーに圧倒される日々が続いています。上京する際、実家に帰る機会がほとんどないと思うと、少し名残惜しい気持ちもありました。
上京前の数日は、準備と期待感でいっぱいでした。引っ越しの手配や新しい生活の計画を立てる中で、田舎町での最後の数日が過ぎていきました。実家を離れる瞬間が近づくにつれて、心の中に寂しさが込み上げてきました。もう実家にはそう簡単に帰れないだろうという思いと、親や友人たちが見送りに来てくれるだろうという期待があったのですが、コロナ禍の影響で、多くの人が集まることを避けたのか、誰一人として見送りに来ることはありませんでした。その理由は不明ですが、どこか冷静に自分の新しいスタートを見つめることになりました。
東京に到着してからの最初の1週間は、まるで夢の中にいるようでした。ビルの間を縫って走る電車、歩道にひしめく人々、夜空を彩るネオンの光—すべてが新しく、刺激的でした。特に驚いたのは、東京の交通の便利さと、さまざまなサービスの効率性です。これまでの田舎では考えられないスピードで物事が進み、便利さに感謝しつつも、その忙しさに少し戸惑いもありました。
とはいえ、1週間ほどで東京のペースにも自然と慣れてきました。仕事も新しい環境にスムーズに適応し、通勤路や周辺の地理もすぐに把握できました。最初は圧倒されていた街の賑やかさも、次第に心地よい刺激となり、日常の一部として受け入れることができました。
新しい生活が始まり、田舎での静かな日々が恋しくなる瞬間もありますが、東京での経験が私の成長を促してくれることを実感しています。コロナ禍での孤独なスタートではありましたが、これからの東京生活が私にとって有意義なものになることを心から願っています。新たな環境での冒険がどんなものになるのか、楽しみながらこれからの一歩を踏み出していきたいと思っています。