必然か偶然か。こうしてフランクは山梨でぶどう農家になった。pt.1
日本に来日して以来、彼は日本のぶどうの虜になっていた。
初めて日本のぶどうを食べた時の感動は今でも忘れられないという。
まず粒の大きさに「本物か?!」と驚かされ、食してその香り高さと味に仰天した。
いつか自分でぶどうを育ててみたい。
もともと、畑仕事が好きだった彼は、そんな夢を抱いた。
それから数十年の後、ぶどうを求めて車を走らせていた彼はふと道を誤ってしまう。
それが物語の始まり。
彼は吸い込まれるように、ある農業地帯にたどり着いた。
山梨県山梨市八幡地区。
後に彼がぶどう園を始めることとなる地だ。