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鏡の林檎

皆様、お久しぶりです。

楽曲を出す度にこうしてその曲の背景や込めた思いについてnoteを書くことが恒例になりそうなHellneです。

今回は先日発表させていただいた『鏡の林檎』について色々と書いていこうと思います。

https://youtu.be/ZpWJuICX2AQ

こちらがそのMVになります。


鏡の林檎に一体どんなバックグラウンドが隠されているのか興味のある方は是非。



9年の時を経て、遂に世の中に顔を見せたこの曲。

転調、テンポのアップダウン、ロックかと思いきやいきなり来るサックスのソロでジャンル感をぶち壊すなど、「とにかく変わったことがしたい、誰も作らない曲を作りたい」という若さ故の冒険心が詰め込まれている。

こんな曲は多分もう作れないけどそのままでいいと思ってる。中学生だった頃の自分だからこそ作れた、当時の自分の等身大を映した作品を残せて良かったと感じてる。この曲を聴く度に、「ああ、思春期のガキらしいな、でもその歳にしては考えてること複雑だな」って、中学生って、子供に見えて意外と熟考しているものなんだな、と思わされる。

今回も歌詞含め世界観強めな楽曲になってますが、曲の内容としては作曲当時の僕のような中学生ぐらいの多感な年頃の少年少女なら誰でも感じるような辛さや葛藤、自問自答する様子を2人の主人公に分けて問いかけ合うような感じにしていて、かなり現実にありふれた感情をテーマにしているので、案外親近感のある曲だと思います。

ちなみに、MVに出てくる2人の主人公はそれぞれ少女がリンゴ、少年がジャックという名前になってます(これ本当は仮名で曲出す時にちゃんとした名前決めようと思ってたのにそのままにしてしまった)

まず、歌の始めの歌詞(もしもワタシが〜変わり果てるでしょう の部分)の解説をすると、

リンゴちゃんは現実での生活があまりにも辛すぎて、鏡の世界(現実とは違う世界)に映された林檎(魅力があって理想的に見えるが本当は禁断の果実)に手を伸ばし、あちらの世界に行くことが出来たら、それは素晴らしい世界が待っているだろう

という感じになるんですが、

当時の僕は本当に学校が嫌で、勉強も人間関係も全てが辛くて仕方がなかったんですよね。

教室に居るだけで頭痛がしたり訳もなく涙が出てきたり。

でも頑張ってる訳でもなかったから辛くてもう休みたい、でも周りと比べて努力もしてなくて怠けてるだけなのに何がそんなに辛いんだろう、学校に居るだけで辛くなってしまうなんて自分は生きるのに向いてないんじゃないか

という思春期なら多くの人が感じそう(だと思っている)な息苦しさに悩まされていた。辛いけど休む程も頑張ってないから一体どうすればいいんだ、でもやっぱり苦しいから休ませて欲しい、現実逃避させてほしい、と。

するとそこに、

「ねぇどうなんだいその気持ちは」

と声がする。これがジャックの声。これは当時の僕の中では「もう1人の自分の声」として存在していた。

「辛い、休みたい」という気持ちに対し「君は本当に辛いの?サボってるだけなのに辛いなんて甘えじゃないの?」と当時の心の中のジャックは問いかけた。

さあ答えは?

サビの歌詞は、当時の自分の解釈で書いたけど、今となってはやっぱり違ったんじゃないか、とも思っている。

要は、自分のことを「疲れた、辛いフリをして現実逃避しようとしているだけの怠け者」と捉え、そう表現した歌詞になっています。「零すの銀の嘘」というのも、嘘の涙を流す、という意味で書きましたし。

でもこれは今の僕でもわからないというか、当時の僕は自分の辛さに対しどう向き合うべきだったのか、まだ答えが出せていない状態です。

強いて言うなら、「まあ多感な時期だしそういう辛さに呑まれるものだよね、仕方ない」くらいのうっすいアドバイスしか言ってあげられないと思います、当時の自分には。

今の僕は音楽活動という自分のやりたい事が出来ているから辛いことがあっても自分のことを不幸とはそこまで思わないし、すごく活き活きしてると思う。

自分のやりたい事ができてるかどうかって人生の幸福度を大きく左右すると思ってるから、当時の時点で音楽を本格的に始めているべきではあったのかもしれないけど。

何にせよ、当時の苦しんでる自分にどんなアドバイスを言ってあげるべきなのかというのは、一生の議題であり、それが判ったとき、僕は悟りの境地に来始めているということになるんだろうな。


リンゴちゃんの目に映っていた林檎(ややこしい)は自分を救ってくれる存在なのか、はたまた、自分をより駄目にしてしまうものなのか。そんなことを、「さあ試してみせましょう〜」のところからは語っています。

けれど、本当は最初から気付いていた。自分は現実をまともに生きることもできない怠け者、「ワタシはただのヨワムシ」と。

本当は怠けてるだけだって心の奥底ではわかっていたのに、それを都合良く受け止める馬鹿な"ワタシ"を置き去りにし、嘘の林檎は跡形もなく不幸の渦の中へと消えていった。

最後の「優しさだけでは悪に寝返り打つ」という歌詞だけは、2年ほど前に書きました。

それ以外はもう完成させていて、「人はそういうものよ」という悟りを開いたような歌詞の前に来る文章は、もう少し大人になってからじゃないと書けないだろうな、とその当時思い、敢えてとっておきました。

この歌詞は、「人がいいだけだと心の強さが足りないから社会悪に飲み込まれる」といった意味合いで書き、僕への戒めのつもりでもあります。

しかし、この歌詞はリンゴちゃんを完全に悪と解釈したものでもあるため、今となってはう〜ん、ちゃんと書き直したいな〜って気持ちなんですが、これが2年前の僕なりの答えであって、最もらしい解答が出せるのはさっきも言った通り悟りを開いてからな気がするので、一旦作品を完成させるためにも現状の僕が出せる答えを書いておきました。

そんな感じで、鏡の林檎の解説は以上になります。あ、前作のときも言いましたが、解釈は人それぞれでいいですよ!これが正解っていうのは無いので。

あくまで、作者はこんな思いを込めましたよってだけなので!

ではとても長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました!Hellneでした〜

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