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そして映画はつづく

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ZAQブログ『コラムニスト宣言』に発表した映画レビュー記事がベース。ZAQ-BLOGariのサービス停止に伴い、記事に加筆修正をほどこしたうえでこちらに移行しました。DVD化され…
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#樹木希林

「団地映画」の佳品〜『海よりもまだ深く』

キャッチコピーは「夢見た未来とちがう今を生きる、元家族の物語」。 かつて文学賞を取ったもののその後は鳴かず飛ばずでギャンブル依存症になっている主人公・良多(阿部寛)。いつか団地生活から抜け出せると夢みたけれどこのまま一生を終えそうな母(樹木希林)。幸せな家庭生活を夢見たものの果たせず、良多を見切った元妻(真木よう子)。 そうした大人を見て育ったからか、少年野球のチームに入っている良多の息子(吉澤太陽)は代打で出てもバットを振らずにフォアボール狙い。最初から夢のハードルを下

事件がなくても面白い映画は出来る〜『歩いても 歩いても』

人がただ食事をしているシーンなど映画で見せるには及ばない。そのようなことをアルフレッド・ヒチコックは言っていたらしい。あらゆるカットがスリルとサスペンスを盛り上げるために撮られたといっても過言ではないヒチコックのフィルムにあっては、人が家族や来客とともに世間話をしながら食事をするなどという日常的で凡庸な光景は、非映画的なものとして斥けられたのです。仮に食事風景が映し出されることがあっても、それはたとえばナイフやフォークがいつ凶器に化けるかもしれないという緊張感を伴って描かれる