害虫駆除業者を駆逐せよ!!
こんばんは。
急に寒くなってきましたね。
さてさて今夜はついに害虫駆除業者に関する出来事を綴っていきたいと思う。
それはある金曜日の夜のことだった。
秋の夜長を楽しんでいた私は、窓を開けて涼みながらスマホゲームに勤しんでいた。
そして、何の気配を感じたわけでもないが、なんとな~く足元を見てみると…
なんと、、、、
この家に住んで12年。今まで見たことがなかったGが!!!!!!!!
壁をつたって颯爽と歩いているではないか!!!!!!!
「ぐえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」
声にならない声で悲鳴を上げた私は、12年前に住んでいた田舎の実家を思い出していた。
あの頃はGなんて普通だった。
なんなら百足やゲジゲジも普通だった。
そりゃまぁ気持ち悪いのは気持ち悪かったが、よく風呂場に出現していたので、当時の私は熱湯→冷水を繰り返す攻撃でいつも奴らをヤッていた。
だが、今回は12年ぶりということもあり、すっかり免疫は落ちていた。
しかも部屋の中だ。
G以外の虫に効くスプレーなら持っていたが、残念ながらG対応のものは持ち得ていたなかった。
それでも最初は戦う気満々だった。
部屋にあるコロコロで○して、そのままくっつけて処分しようと思って意気込んでいたが、何せ奴の動きは早く気持ちが悪い。
少しドン!としただけで、猛烈なスピードでサ~~~~~~~~~~っと逃げていく。
そのスピード感がとにかく気持ち悪かった。
さらに奴はベッドの下にいってしまった。
我が家のベッドの下には大量の荷物が置いてあり、そこから探し出すことは東京ドームいっぱいの観客の中からあまり親しくない友達の家族を見つけるくらい難しかった。
そこで私はYahoo!に頼った。
検索ワードは『ゴキブリが出た』だ。
すると、PRとしてたくさんの害虫駆除業者が出てきた。
普段ならPRは警戒するのだが、その時は藁にもすがる思いで、そのページを開いた。
『ゴキブリ退治450円~』
そこには大きな文字でそう書いてあった。
『見積無料。出張費一切なし!』とも。
さらに関西全域で待機しているとのことだったので、私は早速そこに電話をした。
最初に電話に出たのは女性だ。
もう22時も30分を過ぎたころだというのに、バッチリ電話に出てくれた。
さすが24時間対応、と謳っているだけのことはある。
「ゴキブリが出たので退治してください」
私が心してそう言い放つと、女性は落ち着いた声で言った。
「かしこまりました。担当の者から電話しますので、しばらくお待ちくださいませ」
そう言われ、安堵した私は電話を待った。
しかし、奴は部屋のどこにいるかもわからない。
奴を○すまでは安寧の日々はこない。
しばらくしてからスマートフォンが鳴った。
男性の声だった。
「あと50分くらいで着きます。Gはどこにいるかわかりますか?」
「わかりません!!」
「そうですか、わかりました!では、家に着き次第、侵入経路も合わせて見せてもらいますね」
「お願いします!!」
50分か…。けっこうかかるな、と思いつつも私は健気に業者が来るのを待った。
そして待ちに待ったインターホンの音。
やっとこの苦しみから解放される!!!!!
そして現れたのは、なんともまぁ個性的というか、仕事できたとは思えない男性が立っていた。
制服や作業着等一切着ておらず、上はパーカー、下はデニム姿だった。
しかも、腰パン(懐かしい平成の響き)していたので、お尻が半分見えていた。
さらにものすごく煙草臭く、部屋に入られることが苦痛に思えるほどだった。
なぜか目の上が赤く腫れているのも気になった。
しかし、今はこの人だけが頼りだ。
「ちょっと侵入経路見ますね~」
と、その男性はシンクの下や風呂場などを見始めた。
「いや、多分窓開けてたんでそこから入ってきたと思います」
私がそう伝えるも無視。
「ちょっといろいろ見たんスけど、侵入経路がわからないんで、多分建物自体が古くなってきたからどこかに穴開いてるんじゃないスかね。ってことは絶対卵とか産みつけてるんスよ。これは薬の煙撒いた方が良いっスね。今だったらうち安いんスよ」
「はぁ……」
「8万くらいっスね!」
「8万!?!?!?え、今8万って言いました??」
「はい。他だったら10万はしまスよ」
この時、私の脳には不信感しかなかった。
あ、詐欺や。そのワードが9割を占めていた。
「あ~~~、とりあえず卵とかもういいんで、とりあえず今いる1匹を○してもらっていいですか?
…ちなみに1匹退治でいくらするんですか?」
「今どこ行ったかわかんないんスよね?ってことは、結局燻煙はしないといけないと思うんスよね。あと深夜料金と出張代とか合わせると3万8千円に消費税っスね」
「(はあああああああああああああ!?)
え?ゴキブリ1匹でですか?????」
ふざけんな!!!!
「はい」
「1匹で3万8千円って…………」
もはや、コイツが害虫に見えてきた。
「いやいや、逆にいくらくらいと思ってたんスか?」
私の心を見透かすかのように害虫男が訪ねてきた。
「高くても1万くらいだと思ってました」
「1万!?僕も他県からこんな夜中に来てるんで。そんなんやったら交通費だけで赤字っス」
苦笑いする害虫男。
「いや!サイトには深夜代とか載ってなかったですから。しかも全域で待機って書いてありましたし」
と、こちらが反撃するも黙りこくる害虫男。
「これって、もう何もせずに帰ってもらうことってできますか?」
もうGは自分でヤろう。
私はそう心に誓った。
「いいっスよ!いいっスけど、キャンセル料はもらいますよ!深夜にわざわざここまで来てるんスから」
「いくらですか???」
「8千円と2千円で1万円っス!」
何の8千円と2千円やねん!と突っ込みたくなったが、これ以上ここに害虫野郎をのさばらせたくなかった。
「わかりました。払います。カードでいいですね?」
と、私が財布を出した瞬間…………
なんと……………
Gが!!!!害虫男の足元に!!!!!!!出てきた!!!!!!!
「いる!!!!!!!!!そこに!!!!!!!!!」
そう私が叫ぶと、害虫男は慌てふためき、工具箱の中から殺虫スプレーを取り出した。
そして、Gにふんだんに吹きつけて仕留めることに成功した。
害虫男は少しイライラしながら、私に話しかけた。
「こういうのが一番困るんス。僕ら契約を交わしてからじゃないと仕事したらダメなんス」
と、やたらにネチこくいってきたので、私はお金を払ってあげることにした。
「それじゃあ、いくらなんですか」
「えーっと、えーっと、3万2千円です!!」
「(だから、なんの3万2千円やねん)はい、じゃあカードで払いますね」
「カードだと手数料とかかかりますよ?」
「いいです、カードで」
そしてカードを渡すと、男は請負契約書を渡してきた。
燻煙と書いてある。スプレーで殺しただけなのに??という疑問もあったが、一刻も早く彼にはこの家から出て行ってほしかったので、支払った。
そして男はGの死骸と共に帰っていった。
これがあの夜の一連の出来事だ。
だが、私は納得がいかなかった。
どうしてあれだけのために3万ものお金を払わないといけなかったのか。
そして、ネットで『害虫駆除 詐欺』と調べると、そこには驚きの情報で溢れていた。
ここ最近になって、害虫駆除の悪徳業者が急激に増えているとのことだった。
なんでも、昔は水道の修繕工事を装って高額請求をしていたらしいが(よくポストに入っている冷蔵庫に貼るカードタイプの広告がそれ)、世間に詐欺だとバレ始めたので、そういった業者が害虫駆除に移行してきているとのことだった。
悔しい!!!!!!
黙って泣き寝入りしたくない!!!!!
Gを退治してもらったにも関わらず、見合った請求でないことから悔しさが込み上げてきた私は、人生で初めてのクーリングオフを行うことにした。
うちの市の消費者センターに電話すると、かなり仕事ができそうな女性が対応してくれて、テキパキと私がするべきことを教えてくれた。
クーリングオフのハガキを業者に出し、無視したり、抵抗してくるようであればまた私まで電話してください。私が対応します。とのことだった。
また、カード会社にも支払いを保留にしてもらえるように頼んでくださいと言われた。
ここで、現金で払ってしまった場合は返金が難しいらしいのだが、カードにしているので、こういった対応ができるのだそうだ。
だが、楽天カードからは認められず、保留にしてもらうことはできなかった。(ちゃんとした証拠がないため)
クーリングオフ通知のハガキをすぐさま出したものの、1週間連絡がなく、本日中に連絡がなかったら、消費者センターにもう一度かけようと思っていたら、消費者センターの方からかかってきた。
やはり、仕事ができる人は違うなと思った。
「あれから連絡あった?ない?わかりました。私から一度かけてみますね」
そう言われて30分も経たないうちに、例の業者から電話がかかってきた。
「クーリングオフ通知、見ました。消費者センターに相談されましたよね?全額返金します。」
とのことだった。
完膚なきまでに勝利した。
そして振込先をSMSで伝え、無事に全額返金してもらうことができた。
消費者センターの女性には心の底からお礼を言いたい。(電話でもメールでも伝えたが)
こういった害虫駆除業者からしたら、深夜に呼び出してくる一人暮らしの女性は格好の餌食らしい。(気が動転して、不安が大きいので、いくらでもお金を払ってくれるから)
害虫が苦手な一人暮らしをされている女性のみなさん。
害虫が出てきたら、できる限り自分で対応できる女性になりましょう!!!
(私も翌日にはブラックキャップとG用のスプレーを買いにいった)
今回はそんな害虫エッセイでした。
それでは、また。
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