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わたし、ピグモン

  最近、あるトレーナーを買った。ピグモンのトレーナーである。ここで言うピグモンは皆さんが思い描く通りのウルトラマンに出てくるあの赤い怪獣だ。

  ちなみにこういうトレーナーである。

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  ピグモンの主張が強い。まあ、そこが好きで買ったのだが。

  これを着て街を歩くとき、子どもによく見られる。バス停で待っていると子どもの視点が完全にピグモンの顔あたりに固定されているのが分かるときがある。見られている。ものすごく見られている。ちなみにその子のお母さんはちょっと笑っている。

  この前ついに電車を待っているときに、後ろにいた親子連れの息子さんのほうが愚図りだしたので、手近にいた私をその子のお父さんが指差し「見て!ピグモンだよ!」と言ってきた。突然の私へのパス。そして同時に、私は恐れた。

「いや、今の子ピグモン知らなくない?」

  ピグモンは初代ウルトラマンの頃からいる怪獣だ。正直私がピグモンを知っているのも子どもの頃にウルトラマンランドに行っていたからだ。今のウルトラマン、ウルトラマン何なのかは知らないが、恐らくピグモンは出てきていないだろう。これはマズイ。名も知らぬお父さんからのパスを私は返せないのでは…、などということを数秒で考えた。そして気になる息子さんの答えは…

 「ピグモンだ〜!」

  知ってんのか〜い。
  しかしながら私は無事にお父さんからのパスを返したのだった。

  その後に気になったので何で昔の怪獣を知っているのかを聞いたらNHKで怪獣ワンダバダとかいう昔の怪獣たちが可愛く出てくるアニメがあり、それを見ているからとのこと。そんなのあるの?アラサー知らな〜い。

  ちなみにその子から「何でピグモン着てるの?」と問われたので「好きだからね」とだけ答えた。いつだって好きな服を着るのさ。

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