障害者と海外旅行

車いすで行く海外旅行はとてもラクです(介助者付きの場合)。日本でも到着地(ほぼオランダ)でもタラップまで車いすを使わせてくれるので、長い長い通路を歩かなくてもすみます。KLMは搭乗口が遠いのです。成田でもスキポール(オランダのアムステルダムの空港)でも。

杖だともう大変。

2回ひとりでオランダに行きましたが、1回目はKLMとAIR FRANCEの共同運航便だったので、ロワジーで乗り換えたのですが、第1ターミナルから第3ターミナルまで歩く。延々と歩く。

2kmくらいあったかもしれないです。そして夜中だったのですが、仮眠できるスペースとかなくて眠いし、寒いし。4℃くらいです。温度計とかいりません。もう直行便しか乗らないと心に決めたものです。

で、ロワジーからスキポールに着いたとき、搭乗口のあたりで手のひらが痛いなと思いながら歩いていたら、荷物を運ぶバギーにピックアップしてもらえて、なんとラッキーと思いました。

帰路はバギーが見つからず、重い荷物を持って延々と歩きました。極東の国に行く飛行機なんて、いくらKLMでも遠いのです。成田でも延々と歩き、これは改善点がないものかと考えました。バギーいるよね、と安易に考えていたのと、いろいろお土産を買いすぎてしまったのです。ほら、お酒とかは免税で買いたいしと、いろいろ見誤りました。

そもそもわたしは、リュックと肩掛けの機内に持ち込める荷物だけで、フラッとオランダに行きます。友だちのアパートに必要なものは預かってもらっているし、重くて必要なものはお金の力でEMSで送ります。

オランダってヨーロッパへ送る経由地になっているので、パリだと5日くらいかかるEMSも、オランダと3日位で到着します。とても便利です。

そして2回めの一人旅。行きはトボトボ歩いていきました。とりあえず搭乗口のカウンターで優先搭乗にしてもらいました。でも申し送りはされてなかった。

スキポールでは荷物のバギーがいたので、乗せてもらってとてもラッキーでした。1回目の一人旅は自分が方向音痴だったのを忘れていて、電車で友だちのアパートに行こうとしたら、迷いに迷ったというか、反対方向の電車に乗ったり、偶然にもバスの路線が工事かなんかで変わっていて、ヒヤヒヤしたのです。

なので2回目のときは、もうタクシーにしちゃえ!とタクシーで向かいました。日本円で6000円くらいです(チップ込み)。昔は友だちが車で送迎してくれたのですが、車を売ってしまったので、一人旅になってからはお迎えがなくなってしまいました。

いや、まぁ、初日の英語力なんて小学生以下のヒアリングだし、とっさに言葉もでないし、いつも、こいつの英語力全然良くならないな状態なので、いっそタクシーのほうがラクです。住所の紙を見せればナビに入れてGOです。

ちなみに英語力は2ヶ月半を過ぎたあたりで細胞が生まれ変わるのか、一気に上がります。そして日本に帰ってくると3日で戻ります。基本は観光ビザいっぱいの3ヶ月滞在なので、残りの2週間は英語がペラペラになります。

あ、それで、この2回めの帰路ですね。これは入念にしました。まずオランダ側の搭乗口で優先搭乗と日本で車いすを準備しておいてほしいことを伝えます。そうすると成田に着いたところで、タラップに空港の車いすを準備して待っていてくれます。申し送り完璧。

この車いすに乗って、リムジンバス乗り場まで連れて行ってもらいます。

はい、杖を使って海外へ一人旅をしようと思っているみなさん、この方法使ってください。とても便利です。会話に自信がないときは、優先搭乗をお願いしたい、成田で歩くのが大変なので車いすを用意してほしいと、Google先生にでも翻訳してもらって、プリントアウトして見せればそれでOKです。

ちなみにスキポールのカウンターで車いすをお願いすることもできますが、体力が残っていれば、最後の買物のチャンスを逃すことになるので、歩きます。最後のチャンスがいらなければ、ちょっと早めに空港に行ってカウンターで伝えればOK。

日本では海外に行くには1時間前に空港にこい、みたいなことを言いますが、少なくともKLMは30分前に行っても余裕なので、それでも問題ないですが、お買物したいのと、わたしのめんどくさい不安神経症という病気から2時間前に着くように行きます。

身体障害者がひとりで海外旅行とかムリムリとか、そんなの全然ないです。アジアやアメリカとかアフリカは知りませんが、少なくともオランダは障害者にやさしいので、下手に国内旅行をするよりラクです。

車いすであればデコボコ石畳の歩道を移動しなくても、自転車専用の道を使うことができます。ここはめっちゃフラットです。

問題があるとすれば、山がないオランダですが、運河にかかる橋は傾斜があるので、車いすではなかなかつらいかもしれません。でも、困ってたら誰かが助けてくれます。

わたしがはじめて海外へひとりで行ったとき、背中に羽が生えたような気持ちになりました。全然できるじゃん!と。

最初の一歩は怖いけど、踏み出してみれば案外大丈夫なものだった。いろんなことがそうだと思う。とりあえず、このとき背中を押してくれた人には感謝だな。

今はもう直接は言えないけど(岡本真夜:想い出にできなくて風に)。

ありがとう
Dank u wel !!

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