心の底から後悔した日

2年付き合った恋人と先日別れた。自分から突然告げたことだった。相手はとても驚き、ショックで悲しんでいたけれど、最後は私の気持ちを尊重して見送ってくれた。

私は今日、その人を、自分の寂しさと劣等感を埋めるために利用してしまった。
この前まで当たり前だった時間が無くなって寂しくて、幸せそうにしている人たちが羨ましくて、私を忘れようと必死になるその人を思うと苦しかった。あなたは私のことをずっと好きでいてほしいと思った。勝手な願いだった。終わりにしたのは私なのに。

私はその人からもらう愛情をもって、自分の価値をはかり、確認していたのだと思う。その人に寄りかかってきた月日は、私にとってこの上なく心地よく幸せで、無くなったいま、どうしても取り戻したいものでもあった。それさえあれば、頭を悩ませている全てのことが大丈夫になると思っていたのかも。

私を忘れようともがいていた彼に、私は近づいた。近づいて、ひどく苦しませて傷つけた。私はすぐに後悔したけれど、謝ることもできなかった。なんて情けない、自分勝手な人間だろう。

あの人はこんな身勝手な自己救済に、利用していい人ではないのだ。明るく見えるのに驚くほど繊細で、体もそこまで丈夫じゃない。周りには常にたくさんの人がいるのに、胸の内を語るのは恥ずかしくてできない人。どんな気持ちにさせるか、想像できていたのに。

自分が早く大丈夫になりたくて、私も価値のある人間なのだと分からせてほしくて、そんな身勝手な気持ちでとった行動は結局、ただ私の中にとてつもなく大きな後悔と虚しさを残して終わった。

私はもうこれ以上、あの人を苦しませることはしたくない。
明日からも私は、あの人のことを何度も思い出すと思う。折りに触れて寂しくなって、会いたくなることもあるだろう。
辛いし、耐えられるか不安もある。だけど私には、あの人からもらった愛情も思い出もたくさんある。それさえあれば、明日を怖がらなくていいだろう。私が愛した人は、素敵な人だった。出会えてよかったと心から思う。それだけで十分じゃないか。

決して晴れやかな気持ちではないし、考えごとは相変わらず山積みだ。
とにかく今日はもう寝てしまおう。また明日。朝起きて夜布団に入れるように。


いいなと思ったら応援しよう!