【シャニマス感想】樋口円香 共通コミュ編
こんにちは。えびぞと申します。
最近シャニマスことアイドルマスターシャイニーカラーズにハマっておりまして、その中でも樋口円香の共通コミュにたいそう感銘を受け、感想を残しておこうと思った次第です。
なお、筆者【カラカラカラ】は読んでません。引けてません。俺はゴミだよ。ゴミ以下の人間だシャニマスをやっていなけりゃあな!
以下、樋口円香の共通コミュについての感想です。コミュの内容について詳しく書きますのでネタバレ注意!
コミュ1:夜に待つ
樋口円香のコミュは、夜に283プロを訪れる場面から幕を開ける。
訪問の理由は「アイドルに興味があるから。」………というのは嘘で、幼馴染である浅倉透が283プロに加入したことを聞きつけ、悪徳芸能プロダクションでないことを確かめるために話を聞きに来たという。
話をするうちに、彼女のアイドルとしての資質を見抜いたプロデューサーこと俺は、その勢いのまま彼女をスカウトし、なだれ込むようにプロデュースが始まっていく。
ちなみにこの後「近寄らないで」と言われる。まあそうだよね。
コミュ2:カメラ・レンズに笑う
アイドルとしての最初の?仕事として、宣材写真を取りにいく円香とプロデューサー。熱心に取り組もうとするプロデューサーとは対象的に、やる気のない様子の円香。なんならプロデューサーへの嫌味も忘れない。
結局円香はやる気を見せることなく、レベルの高い写真をあっさりと取り終えて見せる。
帰路の途中、プローデューサーはたまたまやっていたアイドルの路上ライブを見学する。円香に何かを感じ取ってほしかったのだ。
それでも「笑っておけばなんとかなる、アイドルって楽な商売」と斜に構えたスタンスを崩さない。
浅倉の一件でプロデューサーへの懐疑心が拭いきれず、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いんだろうか。とことんまでアイドルというものを見下そうとする。
でも、プロデューサーである以上、俺は彼女をWING優勝に導かなければならない。
本当にできるんだろうか、彼女と俺に。
コミュ3:バウンダリー
街中でファンから声をかけられ、「貴方なら絶対にトップアイドルになれる」と告げられる円香。
しかし彼女は、ファンが私に何を期待しているのかわからない、という。
情熱もなく、適当にアイドルをやっている自分に何を期待しているのか。自分はトップアイドルなんて望んでいない。この事務所が浅倉に悪さをしないように監視をするのが目的なのだから、ほどほどにやって…ほどほどに生きられれば、それでいい。だから、努力なんてしない。
俺にはやっぱり、彼女にはトップアイドルになる素質なんてないように見えた。
次の日、何の予定もないはずの円香は事務所にいた。
レッスン室の鍵を持って。
コミュ4:二酸化炭素濃度の話
オーディションの帰りの車内。円香は、控室の居心地が悪かったという。泣いている子や震えている子ばかりで、空気が悪かったと。
ここまでのコミュを表面的に受け取って考えると、彼女の言う居心地の悪さは「アイドルとかいうくだらないもののために、泣くほど必死になっている人間を理解できない。不快だ。」という意味に聞こえる。
ただ、コミュ名の「二酸化炭素濃度の話」は、おそらく円香の言う「空気の話」とかかっている。
当たり前の話だが、空気中の二酸化炭素濃度が高ければ、人は呼吸がしづらくなる。ここから考えるに円香は、あの控室で"息苦しかった"のだろう。
ただ、彼女の不快感を"息苦しい"と表現するのにはいささかの違和感がある。「理解不能な価値観を持つ人間に囲まれる」ことは、普通は"気持ち悪い"と表現されるはずだ。
一体、彼女は何に対して息苦しさを感じていたのだろうか?
コミュ5:心臓を握る
レッスンを終えた円香とプロデューサー。
他に誰もいない事務所で、二人は言葉を交わし始める。
相変わらず、円香は不遜な態度を崩さない。
ただこの時は、少しだけいつもと違う雰囲気を醸し出していた。
彼女の独白は続く。
彼女は、怖がっていた。
きっと彼女は、努力するのが怖かった。最大限努力して、全力でぶつかって、試されて…それが通用しないことを恐れていた。自分の力が通用しなかったとき、ぶつかった力が強ければ強いほど弾き返されるダメージは大きい。彼女はそれが怖かった。
だから、努力していないふりをしていた。適当に、ほどほどにやっているのだから、返ってくる結果もそれ相応だ。自分自身がそう思い込み、他人にもそう思い込ませる。そうすることで、心の痛みから逃れようとしていた。
それが何らかのトラウマからくるものなのか、生来の気質なのかはわからないが、この考え方自体は誰でもするものだと思う。
ただ、彼女が他の誰とも違うのは、努力することをやめなかったことだ。
努力することで受けるダメージが怖いのであれば、普通は努力すること自体をやめてしまうだろう。そもそも、大した理由もないまま始めたアイドルだ。痛みを感じながら続けるような道理はない。でも、彼女はそうしなかった。
プロデューサーにも知らせずこっそり自主レッスンを続けて、努力し続けた。きっと彼女は、アイドルという職業に少しづつ情熱を持ち始めていたんだと思う。
彼女は戦っていた。期待されたくないから、努力する姿を他人に絶対に見せず、たった一人で恐怖に抗いながら戦っていた。
俺には、恐怖に抗いながら戦うことは、恐怖を知らないまま戦うことよりも、強く気高いように思えた。
その彼女が、今、恐怖に負けそうになっている。
今ようやくわかった。
「二酸化炭素濃度の話」で、円香が息苦しさを感じていた理由。
控室のアイドルたちは泣いて、震えて、叫んで、燃えていた。
情熱を燃やすアイドルから生まれる二酸化炭素を、彼女は過敏に感じ取っていた。そして、それを見て、自分には燃やすべき情熱がないと思いこんでいた。「ほどほどに」で自分を騙し続けていた彼女は、自分の情熱を信じられなかったのだ。だから、彼女は苦しかった。
このコミュで出てくる「全員合格なんてことないですよね」というセリフに込められた意図は、「適当にやって合格するレベルの低いオーディションなんて、みんな合格してるんじゃないですか」というニュアンスではなく、もっと単純に「あの場にいたアイドル全員に合格していてほしい」と思っていたから。情熱を燃やすアイドルたちが、情熱を持たない自分に蹴落される不条理を信じたくなくなっていたからだ。
今ようやくわかった。
円香は不遜で、傲慢で、臆病で、だからこそ気高くて、強くて、優しくて、美しい子だった。
トップアイドルになる素質は、最初からずっと持っていた。
俺はわかった。でも、円香にもわかってもらわないといけない。
君の努力は必ず報われることを。
君の情熱は嘘じゃないことを。
君は臆病かもしれないが、腰抜けではないことを。
君ならトップアイドルになれることを。
それができなければ、彼女は自分の全力を信じられないまま一生を過ごす気がした。
優勝した。(あっさり風味)
コミュEND.蛇足
WING優勝後、事務所で語らう二人。
「あなたの”せい”で」と言っていた、アイドルとしての成功を、彼女はいつの間にか「あなたの”おかげ”で」と言うようになっていた。
アイドルとして生きていくことが嫌ではなくなった。そう言ってくれているような気がして、本当に嬉しかった。
明日からもよろしく。
総括
書き始めた時はそんなつもりなかったのに、なんかポエム調になっちゃった。
結局のところ言いたいことは、臆病な人間が歯を食いしばって戦う姿は本当にカッコいいよねってところです。
そして、アイドルという職業においての主戦場はオーディションやレッスン、ライブだと思うんだけど、結局コミュの中では円香がそれらに臨む姿は直接的に描かれなかった。プレイヤーに彼女の戦う姿を直接見せないという演出…バンダイナムコの連中はやっぱすげぇや。
みんなもシャニマスをやってくれよな。
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