島根2号機廃棄物処理建物での死亡事故はなぜ起きたか。
再三にわたって書いてきたが、(前記事)
均しコンクリート(捨てコン)も落とさずスラブ底に入っての作業指示は誰が指図したのも問われる。下の図と中国電力の説明をあらためて読み解くと、捨てコン落下の下敷きで亡くなったのは63歳の重機オペレータ(ユンボ)の方で現場では指導作業員の的な立場にある方だろうが、現場監督ではない。また、責任者でもない。
上の災害時の断面図と下の工事概要の文章から読み解くことができるのは、落下したコンクリート部分が「幅が約1・4m、長さが約5.2m、厚さ、0・15m、重量約2・8t」となっている。
ここで気になる点をあげてみると、幅が約1・4m、長さが約5・2mというのは、恐らく梁の部分と想定できる。謎なのは建設時にタワークレーンのの台座がどの位置にあったかであるが、その中心は建物の外でなければならない。ところが、被災者がコンクリートの下敷きになられた地点は張り出していた、建物のスラブ底であるが、ここで、この2号機の廃棄物処理建物が建設された時の断面図を見ると、向きが違うかも知れないが。この張り出し部分は建設されていないと考えられる。
https://www.da.nra.go.jp/file/NR000120516/000265916.pdf
上に記載されているとおり、「廃棄物処理建物は隣接する他の建物と構造的に分離している。」と記載されている。ところが、災害時の図を見ると分離はしていないところから考えると、張り出し部分は後から建設されたもので、その部分にタワークレーンが建てられていたと考えられる。そして、上の災害発生時の状況図面を見ると岩盤部分と土砂部分が分けて描かれてあり、つまり、土砂部分は埋め戻した土砂という事がわかる。
ところで、均しコンクリート(捨てコン)が何故、落下したかは、前の記事にも書いたが、根本的にスラブコンクリートと均しコンクリート(捨てコン)とでは強度の基準が違う。均しコンクリート(捨てコン)は建造物を支えるためのコンクリートではなく。あくまで、配筋の基準や型枠の墨出しなどのために水平にするためだけのコンクリートであって、重量を支えるコンクリートではない。そもそも、作業員がそのような下部に入って作業するべきではない。然るにこの作業に被災者(63歳)を含めて9名が作業していたという。上にも書いたが落下した部分は幅が1・4mということから、他の箇所の均しコンクリートとは縁が切れていたと考えられる。すなわち、本建物から梁を伸ばしていて。その延長をタワークレーンの支えにも利用していたと思われる。
ところで、この危険な作業にあたって、山陰中央新報が次の内容で記事を書いている。
「協力会社が落下の恐れはないと判断….」
(なお、登録しなければ全文は読めません)
この判断は果たして協力会社が行ったのでしょうか。こういう現場には必ず現場監督や工事責任者が見ていると思うのですが、不在だったのでしょうか。そのような人物が無知だったとも思われます。だとしたら責任放棄になり、違反でしょう。
(とりあえずおわり)
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