記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

Favorite ART #05

こんばんは🌙ロリアです🌹

今夜は「Favorite ART」からロリアの好きな小説についてお話しします。

タイトルは新井素子さんの「ネプチューン」です。
(ネタバレがあるのでご注意ください)
こちらは「今はもういないあたしへ」という文庫に収録されている短編SF小説です。新井素子さんの作品はどれも個性的で好きなのですが、この「ネプチューン」を読んだ時は、そのどれよりかなり衝撃的でした。

お話しは、海洋学科の大学生たちが、偶然海で女の子を助けたことから始まります。「ネプチューン」と名付けられた女の子は、実はカンブリア紀の海からタイムトンネルを超えてやってきた生物です。時間を超えたことで人間へと急激な変化を遂げてしまいますが、当然ながら本人は何もわかっていない無知な状態です。
そんなネプチューンも、助けてくれた大学生の男女たちと関わり、彼らの世界に感化され、男性を愛することを知ります。
そして、色々な人間の感情や思惑に巻き込まれる中で、最後、目の前で好きな男性を失い、現実から逃げるように再びカンブリア紀の海へと続くタイムトンネルの中へと入ります。

あの人に会いたい…何処かへ行きたい…よくわからないけど。
彼が望んでいた、少しでも遠くへ行きたい。まだ見たことのない世界へ。
たとえ、意識が無くなって、単細胞生物になっても、消えない想いがあるとしたら・・・今、誰の心にもある、本能にも思える強い想いは、もしかするとネプチューンが太古へ持って帰った想いが起源なのかも。
ネプチューンが愛する想いをカンブリア紀の海まで持って帰り、そして単細胞生物に還っても、その想いは残り、単細胞生物から霊長類へ進化しながら想いも引き継がれ、今人類の中にある、起源となる最初の想いだったのでは・・・?
と思わせるお話しです。

たとえ、すべての物事が時間を超えた所で意図的に起こっていたとしても。
そもそもすべては必然だったのかも知れないけれど、想いの起源はどこにあるのか、とても不思議な感覚になる作品です。
眠る前に読むと眠れなくなるかも知れないのでご注意を。

それでは今夜もゆっくり休んでいい夢を見てね。
おやすみなさい☆



いいなと思ったら応援しよう!