【MtGモダン】ライブラリーアウトのちょっとした解説 RE:Part1 導入編【青黒LO】
0.前置き
みんなー!この記事を書いていたらホガークと物あさりが…
…
あれから4年の月日が流れ、何もかもが変わってしまいました。
天敵の増加、新カードの獲得、それらにより変わった構築セオリー…
なんとなくPart1の記事を読み返してみると、当時のライブラリーアウト(以下、LO)と現代のLOでは似て非なるもののように感じました。
また、近年のLOデッキの活躍ぶりは凄まじく、関連動画やnoteの記事などで興味を持った新規参入者もちらほらと見受けられるように思います。
おそらくその方たちがPart1の記事にたどり着いた結果、閲覧者数が普段の3倍程度になっていました。
デッキそのものの説明や回し方、テクニックなどを知りたくて検索などでPart1の記事にたどり着いても、内容が4年前の古い情報ではもったいなかったかなあと少し後悔をしていました。
そういうわけで、最新のLOデッキ事情や情報を求めてたどり着いた方に向けてPart1の記事をリメイクしてみたいと思います。
1.自己紹介
※スキップしても問題ありません。興味のある方だけ見てください
初めましての方は初めまして。既に知っている方はお久しぶりです。
私はRoren776と名乗り、主に紙環境でLOを回し続けている者です。
MagicOnline(公式のオンライン対戦ツールみたいなものです)ではカードは揃っているもののあまり対戦することはなく、気が向いたらフリー対戦や身内で対戦するくらいで利用しています。
大規模な大会ではあまり目立った戦績はなく、スイス5,6回戦くらいの店舗大会でたまにtop8に入ってリストが掲載されたりする程度です。
2019年頃にLO解説記事を10個ほど投稿し、諸事情で数年間の引退を挟んだのち復帰しました。
mtgとの出会いとしては遡ること2016年末、ハースストーンなどのデジタルカードゲームには触れていたものの遊戯王やデュエルマスターズといった紙のカードゲームは全くやったことがありませんでした。
当時大学で所属していたサークル内でmtgが流行し、初心者用のスタンダードデッキを使ってルールを学んでいました(白単人間だった記憶があります。特に白蘭の騎士がお気に入りでした)。
その後主戦場とするフォーマットを決めることになり、ローテーションのあるスタンダードや再録禁止カードの影響などで初期費用が高くなるレガシーなどの選択肢を排除していった結果、デッキの選択肢の幅が広く安価で始めやすいモダンが選ばれました。
そうしてどのデッキを握るか調査をしていきますが、中々握りたいと思えるようなデッキが見つからない日々が続いていました。
そんなある日、自身の原点となる動画に出会います。
※淫夢ネタを含んでいるため、ご視聴の際はご注意ください。
bool氏の「MOをライブラリアウトまみれにする」シリーズです。
一般的なデッキとは異なる勝ち筋に惹かれ、握るならこれしかない!と思うほどになりました(次点の候補が一応バーンだったため、この動画が無ければ今頃稲妻を唱えていました)。
また、同時期にサークルの先輩がデッキを手放すことになりました。
そのデッキこそ、LOだったのです。
丸ごとデッキを譲り受け、LOプレイヤーとしての産声を上げました。
それからはbool氏や狂堂氏の解説記事を読み漁り、ショップでの店舗大会に参加するようになりました。2019年末頃までマイナーチェンジを繰り返しながら時たまtop8に入り、ある時は0-3を3連続したり、ある時は決勝戦まで漕ぎつけるも準優勝に終わったりしていました。大規模大会だとMF横浜で2-3ドロップしました。
また、2019年には旅行で訪れたハワイの「Da-Planet」という現地ショップの大会に参加したり、シアトルにあるWotC本社を訪れてビル内部を見学させてもらったりしました。
あと現地ショップのMox Boarding Houseで色々サプライを買いました。
同年8月末にPart1の記事を執筆した数カ月後、某疫病が流行し長い引退期間に入ります。MOで紙と同じリストでカードを揃えていたものの、トナプラでたまに回す程度でリーグなどをやることはありませんでした。
2020年3月、根絶ミルコ氏が発起人となるLO友の会が創設され管理者として在籍。現在に至るまで様々な議論や相談が交わされ、今では40人超の活気あるコミュニティになりました。
元々は自分と根絶ミルコ氏でシークレットテクを共有したいと話をしていたのがきっかけだったらしいです(LO友の会の過去ログ読んでたらそう書いてたので多分そうです)。
2023年6月頃、仲間内でmtg熱が再燃し復帰者が増えたこともあり自身も復帰。デッキごと売らずに保管していた自分に感謝。
その後ちょくちょく大会に参加してたまに上位入賞したりボコボコに負けたりしながら楽しんでいます(Part15~17参照)。
2.LOとは
mtgでは、対戦に使用するデッキ(=ライブラリー)は一部の例外を除き、基本的に60枚で構成されています。この60枚を使い切り、1枚も存在していない状態でドロー効果によりカードを引こうとすると状況起因処理により敗北となります。公式ルールより引用すると、
よく勘違いされるのですが、ライブラリーが0枚になった時点では敗北にはなりません。あくまで0枚の時にカードを引こうとする手順が必要です。
このルールを利用し、相手のライブラリーをいち早く0枚にしようというコンセプトのデッキがライブラリーアウトです。
しかし、普通に対戦しているだけでライブラリーを0枚にしようとすると、およそ30ターン以上は必要になります。そんなに時間を掛けて粘ろうとしても、相手からの攻撃で20点のダメージを与えられる方が早いでしょう。
ところが!mtgにはライブラリーの枚数を減らす(以下、削る)事に特化した効果を持つカードがいくつも存在します!それらを使用することで比較的早いターン数でライブラリーを削る事が可能になります。
現在では様々なフォーマットでLOを組めるようになりましたが、その中でも主にLOが最も存在感を示しているフォーマットであるモダン(基本セット第8版・ミラディン以降のカード+一部の特殊セットが使用可能)での解説をしていきたいと思います。
3.採用カード・構築例
それでは、現代のLOにおいて良く使われるカードから紹介していきます。
面晶体のカニ
ゼンディカー(2009年)出身
マナコストは青。
上陸(土地が1つ自分のコントロール下で出るたびに誘発する能力)により、プレイヤー1人のライブラリーを3枚削ることができます。
タフネスが2なのでブロッカーとしては少し心許ないですが、土地を置き続けることで3枚削り続けられるためとても頼りになります。
遺跡ガニ
ゼンディカーの夜明け(2020年)出身
マナコストは青。
上陸により、各対戦相手のライブラリーを3枚削ることができます。
タフネスが3になったことでパワー2のクリーチャーの攻撃を受け止められるようになり、前述の面晶体のカニと両採用することで実質同じ効果のカードを8枚採用することができます。
現代LOの立役者その1。
書庫の罠
ゼンディカー(2009年)出身
マナコストは3青青。
削る枚数が13枚の割にはマナコストが重い…という印象がありますが、対戦相手がなんらかのサーチをしていた場合、なんと無料で唱えられます!
サーチをしないデッキはあまりなく、意外と勝手に条件達成するため無料で唱える機会は多いです。
正気破砕
モダンホライゾン2(2021年)出身
マナコストは青青青。
14枚削りですが、1青を支払ってサイクリング(コスト+手札から捨てると1ドロー)をするとついでに4枚削ることができます。
この4枚削りは効果の種類上妨害されにくく、比較的信頼性があります。
通常はこのサイクリングを使用することが多いですが、終盤で引いた時に14枚削りの方でリーサルを決めることもあります。
現代LOの立役者その2。
ターシャズ・ヒディアス・ラフター
フォーゴトン・レルム探訪(2021年)出身
マナコストは1青青。
効果を簡単に説明すると、ライブラリーの上から20マナ分削ります。
※墓地送りではなく追放することに注意
デッキ内の総マナコストが少な目の相手だと3マナとは思えない量のカードが削れます。その反面、多めの相手だと10枚も削れない時もあります。
現代LOの立役者その3。
彼方の映像
基本セット2012(2011年)出身
マナコストは青。
通常時はただの1ドローですが、いずれかの墓地に20枚カードがあると代わりに3ドローすることができます。
積極的に墓地にカードを落としにかかるLOにのみ許された、とんでもないスペックのドローソースです。
湖での水難
エルドレインの王権(2019年)出身
マナコストは青黒。モードが2つあり、点数で見たマナコストが墓地の枚数以下の呪文を打消しor場に出ているクリーチャーの破壊を選択できます。
対戦相手の墓地にカードを落とすデッキのため、最序盤以外は大体なんでも打ち消したり破壊できる呪文と言えばその脅威が伝わるでしょうか。
外科的摘出
新たなるファイレクシア(2011年)出身
マナコストは黒。ただし、ファイレクシアマナ(2点のライフでも支払える)のため、マナを出せる土地が無くても唱えることができます。
墓地に落ちたカードを対象にして、対戦相手のライブラリーと手札と墓地から好きなだけ追放します。つまり、墓地に落ちたなんか強そうなカードを対象に唱えることでハンデスと墓地対策とライブラリーからの追放を同時に行えます。特に特定カードがキーとなるコンボデッキ相手には無類の強さを誇ります。
根絶
次元の混乱(2007年)出身
マナコストは黒。
墓地に落ちたカードを対象にして、対戦相手のライブラリーと手札と墓地から全て追放します。
外科的摘出との差別点として、刹那(この呪文が解決されるまでは呪文やマナを出す効果でない起動型能力を使えない)が付いているため、ほとんどの場合妨害されることがない事から信頼性が高いです。
完成化した精神、ジェイス
ファイレクシア:完全なる統一(2023年)出身
マナコストは2青青。ファイレクシアマナを含んでいるため2青+2点のライフで唱えることができますが、完成化(2点のライフを払いつつ唱えた場合、忠誠度カウンターの量が2個減る)のため、忠誠度カウンターの数が5個から3個に減ります。
+1能力では相手クリーチャーの弱体化、
-2能力では3枚削りつつ前述した彼方の映像と同じ効果、
-X能力では支払ったXの3倍の枚数を削ります。
特に終盤で引いた場合、すぐにX=5で-X能力を使うことにより即時15枚削りが可能です。
現代LOの立役者その4。
汚染された三角州
タルキール覇王譚(2014年)出身 初出はオンスロート(2002年)
フェッチランドと呼ばれる土地で、ライフ1点の支払い+生贄により、対応する色の基本土地タイプを持つ土地カードをサーチして場に出すことができます。
面晶体のカニと遺跡ガニの3枚削る効果は土地さえ場に出れば1ターンに何回でも誘発するため、フェッチランドを場に出す→サーチして何らかの土地を場に出すことで、上陸を計2回誘発させることができます。
島タイプと沼タイプの土地をサーチできる汚染された三角州が4枚+好みで島タイプの土地をサーチできるフェッチランドが数枚採用されています。
雲の宮殿、朧宮
神河救済(2005年)出身
タップすると青マナが出て、1マナ払う事で手札に戻すことができます。
手札から出す土地が無い時に手札に戻してそのまま出すと、面晶体のカニと遺跡ガニの3枚削る効果を発動させることができます。実質無限。
殻船着の島
タップインで青マナが出る土地です。秘匿4(出た時に自分のライブラリーの上から4枚を見て、その中から1枚を追放する)能力を持っています。
いずれかのライブラリーが20枚以下であれば、青マナ+タップすると追放したカードをなんと無料で唱えられます。
基本的にはデッキを削るカードを追放しておくことになりますが、状況によっては外科的摘出などを追放することもあります。
土地も出せますが、相手ターンでは不可のため注意。
海の中心、御心
神河救済(2005年)出身
無色マナが出る土地。2マナ+タップすることで、お互い1ドローできます。
ライブラリーを0枚にしてからすぐにドローさせることができるため、0枚にできたけど墓地をライブラリーに戻される効果を使用された場合などに最後の一押しとして役立ちます。
単純に特定のカードを1ターン以内に引けば勝ちor引けなければ負けの状況でもお祈りとして起動することもあります。
廃墟の地
イクサラン(2017年)出身
無色マナが出る土地。2マナ+タップ+生贄で、対戦相手の基本でない土地を破壊し、お互いに基本土地をサーチして場に出します。
サーチ効果自体は強制のため、効果さえ通ってしまえば書庫の罠のコスト踏み倒し条件を達成できます。
また、相手のライブラリー内にもう基本土地が1枚も入っていない場合には実質的な土地破壊としても機能するため、基本土地の採用が少ないデッキの種類とその枚数を覚えておくと役に立つことがあります。
とりあえずこの辺のカード+汎用除去などを入れて、サイドボードに特定デッキ対策用のカードを詰め込めば完成です。あとは自分好みにアレンジしてオリジナルの構築を作ろう!
とはいえ一旦コピーして試したいリストが欲しいという方のために!今回は私が愛用している秘蔵の究極リスト…
ではなく、現在も第一線でLOを握って活躍されている赤サブのティボルト氏のリストを紹介したいと思います。
なんとなくこんな感じのバランスで組むんだなー程度で大丈夫です。
あとはgoldfishなどのデッキ検索サイトに掲載されているリストを参考にしたり、膨大なカードプールからとっておきの1枚を入れてみてください。
前述のカードたちを入れておけば大きく外れることはないと思います。
あまり使われない・使われなくなったカード
過去に採用されることが多かったカードですが、時代の流れとともに現代では見る機会が減ったものを中心に紹介していきます。
不可思の一瞥
ラヴニカ:ギルドの都(2005年)出身
マナコストは青黒。10枚削ります。
枚数確定の削り呪文としては最大効率です。しかし、環境の変化により2マナのソーサリーを唱えるタイミングが少なくなったことから採用が少なくなりました。
荒れ狂う騒音
ゼンディカーの夜明け(2020年)出身
マナコストは1青。8枚削ります。
各対戦相手のデッキを削るため、プレイヤーを対象を取っていない点がメリットとなります。
追加で3青を払うとライブラリーの半分を削る効果になりますが、合計6マナかかる点でコストが重く、6マナ揃う頃には半分削る事のコスパが悪いこともあって追加で払う事は稀です。
不可思の一瞥と同様の理由で採用が少な目に。
強行+突入
ドラゴンの迷路(2013年)出身
マナコストは青黒。8枚削ります。融合分割カードの特性として、強行として唱える、突入として唱える、もしくは両方のマナコストを支払って両方唱えることができます。基本的には強行のみで唱えます。
不可思の一瞥より少し効率が落ちますが、前述の荒れ狂う騒音などが無かった時代に追加の枚数確定の削り呪文として採用されていました。
殻船着の島で追放した際に突入側を唱えることもできますが、稀に使うことがあるかもしれない程度なので覚えておくと役立つかもしれません。
躁の書記官
イニストラードを覆う影(2016年)出身
マナコストは1青。出た時に3枚削ります。
各対戦相手のアップキープステップで、昂揚(自分の墓地に4種類以上のカードタイプが存在する)を達成していると、相手のデッキを3枚削ります。
タフネス3によるブロッカーとしての運用や、妨害されにくい継続的な削り能力は魅力的です。しかし、構築段階で昂揚を達成しやすいように組む事が求められることに加えて削れ出すスピード・枚数の面で採用されることが少なくなりました。
催眠の宝珠
ミラディン(2003年)出身
マナコストは2。パーマネントがアンタップするたびに1枚削れます。
簡単にいうと場でタップ状態になっているカードの枚数分、ターンが回ってアンタップした時に削ります。なんらかの効果によってタップ状態のカードがアンタップになっても誘発します。
大量のクリーチャーで殴ったり、大量の土地を並べてマナを出すデッキ相手には想像以上の枚数が削れます。
刺さるデッキには刺さるのですが、環境の変化と新規カードの獲得により次第に見なくなりました。
不敬な遺品
基本セット2015(2014年)出身
マナコストは1。クリーチャーカードが対戦相手の墓地に落ちたら1点回復できます。デッキからでも戦場からでも、どこからでも構いません。
クリーチャーを大量に搭載したデッキ相手に出して削るだけで回復までできてしまうため、部族デッキ(特定のクリーチャータイプを主体として組んだもの)が環境に多い時にはかなり刺さりました。
その反面クリーチャーの採用枚数が少ないデッキ相手には腐りやすいため、採用するかどうかは環境次第な所があります。
墓所への乱入
ドラゴンの迷路(2013年)出身
マナコストは2黒。対象にしたプレイヤーの墓地にあるクリーチャーカードを全て追放し、その枚数分3点のライフを得ます。
前述の不敬な遺品同様、クリーチャーの多い環境ではメインデッキに2枚ほど入っていました。現在でもサイドボードに1枚入っていたりします。
部族デッキ相手に42点くらい回復をすると気持ちがいいのでオススメです。
ジェイスの幻
基本セット2013(2012年)出身
マナコストは青。飛行を持つ1/1のクリーチャーですが、対戦相手の墓地に10枚以上のカードがあれば5/5になります。
ブロッカーとして使ったり、5/5になった後4回殴り切って勝てる場合もありましたが、クリーチャーカードの質が上がったことや序盤に最速で10枚削ることが少なくなったため見かけなくなりました。
幽霊街
ディセンション(2005年)出身
無色マナが出る土地。また、タップ+生贄で相手の基本でない土地を破壊できます。破壊された側は基本土地をサーチして場に出しても良いです。
廃墟の地の登場以前に採用されていたことが多く、土地の破壊をした後にサーチをするか、書庫の罠を警戒してサーチしないかの択を迫っていました。
サーチをしないデッキでも基本でない土地ならば入っている事が多いため、サーチが選択された場合書庫の罠を能動的に使用できるようになります。
前述の構築例で紹介したリスト(通称赤ティボ型)ではサイドボードに2枚入っており、サイド戦では幽霊街2枚を入れつつ64枚のデッキになります。詳しい理由は以下のご本人のnoteを参照してください。サイドボードの説明欄に幽霊街を使用したテクニックも記載されてあります。
これ以上挙げるとキリがないため、興味のある方は過去記事やデッキリスト検索サイトで調べてみてください!
また、当時のメタゲームを含めたLOの歴史に興味がある方は、狂堂氏の青黒ライブラリーアウト変遷記がオススメです。
4.天敵
どんなデッキにも対策しなければいけないカードがあるように、LOにも対策しなければいけないカードがあります。
忍耐
出た時にプレイヤー1人の墓地にあるカードを全てライブラリーの下側に戻します。出されると今までの苦労が全て水の泡になります。
また、瞬速(いつでも唱えてよい)と想起(本来のマナコストとは異なるコストを支払う事で唱えることができるが、出た後すぐ死亡する能力)を持っているため、常に警戒する必要があります。
墓地利用デッキへの対策として採用されることが多く、ついでにLOにも刺さるため最もよく見る対策カードになるでしょう。
緑系のデッキを相手にする時は常に忍耐の存在を意識し、出されても対処できる状況を作りながら削っていきます。
対策としては、墓地のカードを全て追放する効果のカードを場に出しておくものが挙げられます。もしくは一度出される事を受け入れ、墓地に忍耐が落ちた後に外科的摘出によって2枚目以降を使わせないようにすることもあります。ただし、外科的摘出に合わせて2枚目の忍耐を使用されることもあるため、もし手札に根絶がある場合はそちらを先に使用する方が妨害を受けにくい点で良いでしょう。
引き裂かれし永劫、エムラクール
墓地に落ちた時、墓地のカードが全てライブラリーに戻ります。
忍耐と同じく、対策札がなければ今までの苦労が水の泡になります。
最近ではあまり見かける事は無くなったものの、一部のデッキにはまだ採用されていたりします。また、緑系でないデッキがサイドボードに忍ばせていたりします。
このカードの存在がマッチ中に分かった場合は、必ず対処できる状況にしてから削り始めましょう。お祈りで削っても大体なんとかなりません。
対策としては忍耐の項目と同じになりますが、墓地のカードを全て追放する効果のカードを場に出してから削りはじめしょう。
また、忍耐同様に外科的摘出も効きます。
虚空の杯
例としては2マナ払って出すと1マナのカードが自動的に打ち消されるようになります。4マナで出すと2マナのカードが死にます。
LOは1~2マナのカードがデッキ内の多くを占めており、序盤に1マナのカードを封じられるだけでもかなりの枚数が手札で腐るようになります。
対策としては2マナ以上、できれば3マナ以上で対処できるカードを採用しておきましょう。探査(墓地のカードを追放することでマナコストの一部の支払いができる)を持ったカードはマナコストが大きくなりやすく虚空の杯に引っ掛かりにくくなるためオススメです。
以下は過去によく対策カードとして使用されていたものです。
夏の帳
簡単にいうとプレイヤーを対象に取るタイプの削り呪文が無力化されたり、湖での水難による呪文の打消しが無力化されたり、除去が無力化されます。あとなんかついでに1ドローされます。
LO側の削り呪文がプレイヤーを対象に取るものから各対戦相手に対して効果が出るものが多くなったため、体感では出される機会は減りました。とはいえ取り回しが良いのでとりあえずサイドインされることを想定し、1枚目が見えたら警戒するようにしましょう。
神聖の力線
ゲーム開始時に初手に持っていたら無料で場に出してから開始することができます。効果としては、プレイヤーを対象とする呪文が効かなくなります。
こちらも各対戦相手系の削り呪文に対しては貫通することや、LO以外に対して刺さるデッキが少なくなったことからあまり採用されなくなりました。
ただし全ての削り呪文が各対戦相手系ではないため、夏の帳同様に1枚目が見えたら警戒しましょう。たまに削り呪文が腐って困ります。
最初はとりあえず忍耐だけ警戒しておけばなんとかなります。具体的に採用する対策カードはいくつかありますが、それぞれ一長一短なので色んなデッキリストを見ながら選択してください。迷ったら魂標ランタンが無難でオススメです。
5.マッチアップ
現在メタゲーム上位に存在するデッキに対してどう動いていくかのガイドをかなり簡単に書いていきます。
続唱サイ
3マナの続唱(ライブラリーの上側から2マナ以下のカードが見えるまで順番にめくっていって、見えたらそのカードを無料で唱えます)を持つカードによって、構築段階でデッキ内に2マナ以下のカードを入れないことで衝撃の足音を確定で唱え、トランプルを持つ4/4のサイ・トークンが2枚出るコンボを搭載しています。
基本的にこのコンボを止められるかどうかが鍵になるので、削っていく段階で墓地に落ちたら外科的摘出などで存在を抹消しましょう。ただし、各種打消し呪文には注意。2枚以上の外科的摘出を持っている場合は先に打消し呪文の存在を抹消することもあります。
また、サイド後はほぼ間違いなく忍耐が入ってくるため、各種呪文を使うタイミングには十分注意しましょう。
青赤マークタイド(青赤ラガバン)
最も注意すべきは濁浪の執政でしょう。探査能力によって追放されたカードの種類によって、パワータフネスにボーナスがかかります。
LOはどうしても相手の墓地にカードを溜めてしまうため、本来であれば飛行3/3のクリーチャーが飛行8/8に化けます。この高打点をいかにしのいでいくかが重要になります。
除去への対応として打消し呪文を合わせてくるので、濁浪の執政もしくは採用枚数の多い打消し呪文を外科的摘出で存在を抹消できるかどうかが鍵になります。とはいえこちらから仕掛ける事を躊躇すると相手の思うつぼのため、勇気を持って無理やり削りに行ったり外科的摘出を唱えたりするのも大事です。
ヨーグモス医院
様々なクリーチャーを利用し、状況に応じて無限ダメージだったり無限トークンだったりを使い分けて戦うクリーチャーデッキです。
最も警戒すべきはスランの医師、ヨーグモスでしょう。大抵こいつが歯車となって無限〇〇に入ります。外科的摘出で存在を抹消しましょう。
大まかな採用カードを覚えておき、何を出されたら負けるかを意識しながらゲームを進めるのが吉です。サーチカードを使用された場合はほとんどの場合で湖での水難などで打ち消すのが得策です。
リビングエンド
前述した続唱サイのように、続唱を持つカードによって確定で死せる生を唱え、事前に墓地に送っておいたクリーチャーが大量に場に出てくるコンボを搭載したデッキです。
序盤の動きでリビングエンドだと判明した段階で、速やかに削って死せる生を外科的摘出で存在を抹消しましょう。相手の3ターン目までにこの動きを通せるかが鍵です。こちらが後攻の場合は2ターン目の削りで墓地に落ちなければ9割がた負けです。
サイド後は墓標ランタンなども併用しながらうまく戦いましょう。
ハンマータイム
装備品が場に出た時、コスト無しですぐクリーチャーに装着できるようになるシガルダの助けによって、装備すると+10/+10される巨像の鎚を0/2や1/1のクリーチャーに持たせて殴ってきます。
例によって巨像の鎚を外科的摘出で存在を抹消しましょう。もし間に合わない状況であれば、シガルダの助けでも構いません。
また、墨蛾の生息地に巨像の鎚が装備されて殴られると、感染(プレイヤーに与えるダメージがライフではなく毒カウンターの蓄積となる)による毒カウンター(プレイヤーにダメージが入る時にライフは減らず、10個貯まると敗北する)の付与によって一撃死します。余裕があれば廃墟の地などで破壊しておきましょう。巨像の鎚1枚で負けるパターンはおおよそこれです。
他にも色々デッキはありますが、キリがないので一旦紹介は終わりにします。構築の仕方によってどう戦うか変わるため、参考程度にしてください。
6.まとめ・謝辞
かなり長くなりましたが、役に立ちましたでしょうか?
余程の事が起きない限りはLOに関してはこれさえ読めば大体なんとかなる!という記事を目指して書き上げました。
この記事がLOを握るかどうか迷っている方へ背中を押す最後の一押しや、既にLOのパーツを集めて組み始めている方にとって有意義なものとなっていれば幸いです。
しかしながら、専用パーツが多いうえに他のデッキに比べるとそれほど高くはないとはいえ一式揃えるにはそれなりの金額が必要です。しかし、最低限必要なカードだけであれば本来の1/3程度の金額で揃うため、まずは削り呪文から特価品などでコツコツ揃えて回してみてはいかがでしょうか。
また、この記事を作成するにあたって引用や著作物の掲載を快諾してくださったbool氏、狂堂氏、根絶ミルコ氏、赤サブのティボルト氏、ならびにいつもサーバー内で活動してくださっているLO友の会のメンバーの方々へ感謝の意を表し、締めくくりとさせていただきます。
私自身もLOを学ぶうえで参考にした記事などのリンクを以下に掲載いたしますので、興味があればこちらもよろしくお願いいたします。
bool氏
ニコニコ動画:MOをライブラリアウトまみれにするシリーズ
※淫夢ネタを含んでいるため、ご視聴の際はご注意ください。
はてなブログ:肋骨MTG -人のガバ見て我がガバ直せ-
狂堂氏
diarynote:ディミーア的備忘録
note:青黒ライブラリーアウト変遷記
根絶ミルコ氏
ニコニコ動画:ライブラリーアウト友の会会報シリーズ
赤サブのティボルト氏
note
Youtubeチャンネル
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