それでも赤ちゃんに会いたい!安定期での流産処置の選択肢
朝の8時ごろ、ようやく産科のドクターが到着。16週では赤ちゃんは未熟すぎるために、助ける術はないとのこと。陣痛誘発剤を使って自然分娩での排出か、D&E (Dilation and Evacuation:子宮内容除去術)という手術をするかの二択でした。
「私はD&Eは専門外だから、そちらにするなら他の病院に移って他のドクターに手術してもらうことになるけど、どうする?色んな人に電話してみたけど、この辺りでその手術できるドクターは二人しかいないのよ〜。」
と、まさかのここでは出来ません宣言!どちらもロサンゼルスの方の大学病院らしく、私の持っている保険ではカバーされていない施設と専門家への案内でした。
この最悪の状況で、保険の問題が絡んでくるなんて…この時だけ一瞬、叫び出したくなりました…。有名な話ですが、アメリカは医療保険の支払いで破産する人がいるくらい、医療費が高額です。急いで保険会社に電話をすると、今回のような緊急時の処置は、ネットワーク外でも何割かは保険会社が負担、残りは患者への請求になると言われました。それでも請求が来るまで支払額は不明。このシステム、恐ろしすぎです。
ここからは夫にも協力してもらって、D&Eが出来ると言われた病院や、それ以外に緊急で処置を出来る可能性がある施設などに自分達で電話をかけまくりました。しかし!やっぱりここはアメリカ。
「あなたの保険は取り扱ってません」
「週末なので月曜まで待たないとスケジュールが組めません」
「転院では受け付けられないので、緊急外来として新規で来てください」
などなど。こういう緊急時って、病院がいろいろと調整してくれるのかと思ってたけど、本人が自分で電話しまくるの!?
1時間ほど苦戦した後、もうすでに疲れ切っていたのもあり、今いる病院で誘発分娩をすることに決めました。
「かなり痛いし、自然分娩で排出できなかった組織や胎盤が子宮の中に残る可能性もあって、その場合は結局D&Eで手術をすることになるけどいい?」
ドクターにそう聞かれて少し怖くなってしまいました。でも、子供が欲しいなら、いつかは体験しなければいけない痛み。逃げたってどうにもならない。
そしてもう一つ。自然に排出できれば、赤ちゃんに会える。どんな姿でもいいので、会いたい。夫もそれを希望していました。
つづく