晴れときどき猫団さん「SELECT」を観劇したよ
イマーシブシアターってものがある
メタシアター演劇祭にて上演された、体験型VR演劇 「晴れときどき猫団」さんの「SELECT」を拝見しました。
閲覧環境の都合で、最初のオリエンテーション部だけを会場で、残りはYouTubeのストリーミング配信で観劇としましたので、会場の熱気等を掴み損ねているかもしれません。あらかじめ言い訳しておきます。
晴れ猫団さんは「イマーシブシアター」というジャンルを展開されているよう。耳慣れない言葉ですが、Wikipediaに説明を発見しました。
2000年頃から始まり英国・米国では人気ということですから、演劇に詳しい方には常識のカテゴリーなのかもしれません。
しかし、説明を読めば読むほど、これは大変だ・・・という気がしませんか。
従来型の公演の場合、舞台はクローズドな環境。観客が接近してこないので、両袖に大道具・小道具が積み上がっていてもいい。
背景は張りぼてでいい。
ところが、イマーシブシアターの場合は、「舞台裏」が見えては興ざめですから、細部まで作り込みたくなる。
(上記Wikipediaからの請け売りです)
VRこそイマーシブシアター?
一方で、それだけ細かく作り込むとなると、場面転換が難しくなります。場面が増えればコストが上がりますし、舞台への設置も時間がかかって現実的でなくなります。そうすると隣の部屋(場面)にぞろぞろと移動する??
という問題を解決できそうなVRって、イマーシブシアターにうってつけなのでは!!!
「SELECT」は観客から選ばれた3名の多数決で物語の分岐をさせていく、観客参加型の劇として構成されています。
舞台に立つのは演者とナレーターの2名だけ。
劇の所々で登場人物である少女の判断を二つ提示し、3名が多数決で選んだ選択をもとにストーリーを進めていきます。
選択肢はいたってシンプルなものですが、ちゃんと意味があるものになっていること、選ばなかった方ならどうなっていたか、うっすら感じさせる答え合わせ感も配慮が感じられて!よかったです。
さらに。
3名ならすぐに決が採れるので、妙な間が生じることなく、スピード感のある展開になるメリットがあるのかな、とか。
この「3名」という数、特に現実世界の舞台だと大変現実的な対応だと思います。
多数に参加させると、参加者の逡巡が劇に大きく干渉してしまって、勿論、それがよい効果になることもあるかもしれませんが、場がダレる、私語が増えるなどの悪い影響も出そうです。
でも、VRなら、工夫次第で全員参加もありかなぁ・・・などと考えてしまいました。
VRならではの演出ができそう!
そして、オリエンテーションの時(このときの担当さんが、実に上手いんです。ホント場が温まって最高でした)、「問題行動等があった場合、キックさせていただくことがあります」って言われたんですね。
そう、「VRならキックできる」
これ大きい。
現実世界だと、もう修羅場です。激しく白けます。
そうした躊躇を捨て去って、大胆な演出ができるのでは!って感じてしまいました。
楽しい時間をありがとうございました。