生まれかわりセンター 5話
「生まれかわりセンターって何だろう?」と3匹で考えこんでいると、クマが動き出しました。
「あれ、クマが動いたよ!」リリが小さめの声で言いました。
「ついて行って話しかけてみようか」ペロが興味しんしんに言いました。
「そうだね、行ってみようか」ノラも喜んで言いました。
3匹でクマを追いかけていきました。
「おーい クマさん、待ってよ。生まれかわりセンターって何?ぼくペロっていうんだけど」ペロが言うと、クマがふり向いて言いました。
「生まれかわりセンターは自分の好きな動物になれる場所です。今から行きますか?」と言いました。
「うん 行きたい行きたい!案内してくれる?」ペロがこうふんして言いました。
「じゃあ 歩いて行きましょうか。私についてきてくださいね。」とクマも笑顔で言いました。
4匹で、森の奥へ奥へ歩いて行きました。歩きながらノラが言いました。
「クマさん、生まれかわりセンターまであとどのくらいかかるの?もうかなり歩いたよ」
「ごめんね 先にどのくらいかかるか言っておけばよかったね。あと1日くらいかかるかも…」とクマが言いました。
「1日!!そんなにかかるの?!クマさんは生まれかわりセンターから1日かけてこの辺まで来たの?」ペロとリリが言いました。
「そうなの、この辺まで来るのは大変だったよ」クマが言いました。
「それからさ、みんなお腹すいてない?」とリリが言いました。
「たしかに、休まずにずいぶん奥まで来たから、お腹すいてきたかも…」ノラが立ち止まって言いました。
「私もお腹すいたかも…」クマが言いました。
「それなら大丈夫だよ!ノラが魚を取ってきて、リリが木の実を集めて、ぼくとクマさんでほら穴を探して来ようよ」とぺロがいいました。
「あと、クマさんの名前はなんていうの?」とリリが聞きました。
「私の名前はクロロンです」クロロンは言いました。
「メスなの?」とノラが聞きました。
「うん」クロロンは答えました。
「鳥さんと猫さんの名前はたしかリリが鳥さんで、ノラが猫さんだよね」とクロロンが言いました。
「当たり!」リリとノラが言いました。
「ねえねえ、食べ物とほら穴を探そうよ」とペロが言いました。
「そうだね、じゃあまたね」ノラが言いました。
そして、4匹はそれぞれ別々の方向に行きました。ペロとクロロンは一緒に行きました。ノラとリリも2匹で一緒に行きました。ノラとリリは川の方に、ペロとクロロンは山の方に行きました。
3時間後、4匹は集まりました。
「フーッみんないるね」クロロンが言いました。
「うん ほら穴は見つかった?」ノラが言いました。
「見つかったよ。みんなで広々と使える広さだよ」ペロが言いました。
「それに安全そうだよ」クロロンが言いました。
「あ、そうだ寝るときの葉は取ってきてる?」ペロがリリに聞きました。
「うん ちゃんと4匹分あるよ」リリが言いました。
「じゃあ、ほら穴に早く行こうか」とペロは走っていきました。
10分後、ほら穴についたみんなは、それぞれの仕事をしています。ペロとノラはお料理をして、クロロンとリリは木の葉のお布団を用意したり、明日のことを話したりしています。
「明日は生まれかわりセンターにつくの?」リリがクロロンに聞きました。
「うん、明日の午前中にはつくよ」とクロロンが言いました。
「楽しみだなー生まれかわりセンターにつくのが楽しみ、楽しみ!」リリが嬉しそうに言いました。
「私も久しぶりに案内ができてうれしいな!」とクロロンも喜んで言いました。
「ご飯できあがりー」ノラとペロの声が聞こえてきました。
「ほんと―!今食べに行くね」リリとクロロンは立ち上がっていきました。「おいしーこれはまた違う作り方だね!」とリリが言いました。
「ん?これ隠し味が入ってる?」リリが聞きました。
「隠し味は何でしょう」ペロが言いました。
「どんぐり?」とクロロン。
「違うよ」とノラ。
「じゃあ、ヒイラギ?」とリリ。
「違うよ」とペロ。
「わかった!栗じゃない?」とクロロン。
「当たり!」ペロとノラが言いました。
そしてご飯を食べ終わると、ノラが、ほら穴の滝で葉のお皿を洗い始めました。
「冷たい!!」ノラが叫びました。
「大丈夫?」リリが聞きました。
「大丈夫だけど、この滝さわるのは注意した方がいいよ」ノラが座って言いました。
「そうか、じゃあ今ちょうど雨が降ってるから、雨で洗ったら?」ペロが言いました。
「今日は星が出てないね。雨は明日の朝までにやむかな?」クロロンが言いました。
「雨がやまなくても、葉とくきで傘を作ればいいよ」リリが言いました。「それなら 大丈夫か。あと、傘を作るなら明日の朝ね。雨はやむかもしれないから」クロロンが安心して言いました。
「そろそろ寝ようよ。明日の朝早くに出発するよ」ペロが眠そうに言いました。
「そうだね。おやすみなさ~い」クロロンとリリとノラが言いました。
朝4時、ペロが早起きしました。「ザーザー」と雨の音が聞こえてきます。
「うーん まだみんな起きていないね。また早起きしすぎたかな。もう1回寝ようかな」ペロはもう1度目を閉じました。目を閉じながらペロはこう思いました。(また起きた時にまだ雨が降ってるかもな…)と思いました。
by みいちゃん
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