見出し画像

火山島4

頼介、新介、道宣、義弘などは城を出ました。大軍なのでゆっくりすすみました。でも、思ったより早く肥後国(今の熊本県)と薩摩国(今の鹿児島県西部)のさかい目に着きました。その日は、肥後国と薩摩国のさかい目で休みました。休憩していると、
「明日は、肥後国の北に到着しますか、義弘様?」
と頼介が言いました。
「多分着くだろう、仲間が増えると思う」
と義弘が言いました。みんな、おどろいて島津義弘をじろじろ見ています。
「義弘様、仲間とはだれですか?」
と道宣が義弘に聞きました。
「仲間は加藤清正(かとうきよまさ)じゃ」
と義弘がいいました。
「もっと、仲間は増えるのですか?」
と新介の弟の菊地石介(きくちいしすけ)が言いました。
「増えると思う」
と義弘が言いました。
「じゃ、だれなんですか?」
と石介が聞きました。
「丹後国の立花宗茂(たちばなぬなしげ)が合流するやくそくだ」
と義弘が言いました。皆目を丸くしました。なぜなら、宗茂は本田忠勝(徳川家の家来、東国の無双)に並び立つ西国の無双です。宗茂が生まれた所が九州じゃなくて、本州生まれだったら戦国の無双になれた武将です。
「われわれと清正と宗茂と合流すると、どのぐらいの大軍なりますか?」
と道宣が聞きました。
「十五万ぐらいかな」
と義弘が言いました。やがて皆寝てしまいました。次の日、皆目をさましました。それから、また旅に出ました。すぐに肥後国の熊本城に到着しました。二の丸に行きました。そして、清正と義弘と頼介が対面しました。
「義弘殿、となりのお方はどなたですか?」
と清正が頼介のことを、義弘に聞きました。
「清正殿、始めまして、私はトカラ列島の真ん中の火山島の者、犬川壮介から5代の子孫犬川頼介でございます。」
と犬川頼介が言いました。加藤清正がぽか〜んとしてしました。島津義弘もぽか〜んとしていました。なぜなら、南総里見八犬伝の八犬志の犬塚信乃(いぬづかしの)、犬川壮介(いぬかわそうすけ)、犬山道説(いぬやまどうせつ)、犬飼現八(いぬかいげんぱち)、犬田古文吾(いぬたこぶんご)、犬江親兵衛(いぬえしんべえ)、犬坂毛野(いぬさかけの)、犬村大角(いぬむらだいかく)、の八人であります。
「あっ、最近この地にやってきた旅人を知っていますか?」
と急に頼介が言いました。
「ん〜〜、最近、犬塚盛親(いぬづかもりちか)と名乗っている者がおる。そいつかな」
と清正がつぶやきました。
「あっ、そうです。その人物は犬塚信乃から5代でございます。盛親を呼んで下さい」
と頼介が言いました。また、清正と義弘はぽか〜んとしていました。それから、清正は家来を呼んで、盛親を呼んでくるように、言いつけました。数分後、家来が盛親をつれてきました。

作・京

いいなと思ったら応援しよう!