見出し画像

和歌山県 高野山を歩く(6月15日) 壇上伽藍➁山王院、登天の松ほか





西塔

お大師さまの伽藍建立計画案である
『御図記(ごずき)』に基づき、
高野山第二世である
真然大徳によって建立されました。

お大師さまは、
大塔と西塔を、
大日如来の密教世界を具体的に表現する
「法界体性塔(ほっかいたいしょうとう)」として
二基一対として建立する計画をお持ちでした。

しかし、諸般の事情により建設が遅れ、

お大師さま入定後の
仁和2年(886年)に完成に至ったものです。

西塔では
大塔の本尊が胎蔵大日如来であるのに対し、
金剛界大日如来と胎蔵界四仏が
奉安されています。

現在の塔は
天保5年(1834年)に再建された、
擬宝珠(ぎぼし)高欄付多宝塔で、
高さは27.27メートルです。

根本大塔

お大師さま
真然大徳(しんぜんだいとく)と
二代を費やして
816年から887年ごろに完成した
と伝えられます。


山王院

山王院は
御社の拝殿として建立された、
両側面向拝付入母屋造り
(りょうがわめんこう
はいつきいりもやづくり)
の建物で、
桁行21.3メートル、
梁間7.8メートルあります。


山王院とは
地主の神を山王として
礼拝する場所の意味であり、

現在の建物は
文禄3年(1594年)に
再建されたものです。

このお堂では、
毎年
竪精(りっせい)論議や
御最勝講(みさいしょうこう)などの
重要行事や問答が行われます。

また毎月16日には
明神(みょうじん)様への御法楽として、
月次門徒・問講の法会が行われています。


お大師さまが
弘仁10年(819年)に
山麓の天野社から
地主神として勧請し、
高野山の鎮守とされました。

高野山開創の伝承にもあるように、
高野山一帯は元々
この丹生(にう)明神の神領であった
と伝わります。

お大師さまは
密教を広めるにあたり、
日本の地元の神々によって
その教えが尊ばれ守られるとする
思想を打ち出され、
神仏習合思想の
大きな原動力にもなりました。

高野山においても
修行者らを護り導くとされる
四社明神への信仰は
大変大切にされています。

社殿は三つあり、

一宮は丹生明神、

二宮は高野明神、

三宮は総社として

十二王子・百二十伴神が
まつられています。

丹生、高野明神社の構造形式は
春日造で、
総社は
三間社流見世棚造
(さんげんしゃながれ
みせだなづくり)と呼ばれ、
どちらも
檜皮葺の屋根で仕上げられています。

現在の社殿は
文禄3年(1594年)の再建で
重要文化財に指定されています。


高野山こそ
神仏習合の発祥地であるということです!

わたしは涙が止まりませんでした

金堂の西側に位置する松の木は、
〈登天の松(とうてんのまつ)〉と
呼ばれています。
壇上伽藍の北側に位置する
明王院の僧、
如法(にょほう)上人が、
久安5年(1149年)に
この松より
弥勒菩薩の浄土へと
昇天されたそうです。
ちょうどその折、
斎食の用意をしていた
弟子の小如法は、
師匠が登天するのを見て、
あわててその後を追って
昇天されたそうです。

その時、小如法の手には
杓子が握られており、
昇天の途中に
この杓子が落ちてきたそうです。
当時はこの松の周辺には
芝が生い茂り、
そこへ杓子が墜ちてきたことから
〈杓子の芝(しゃくしのしば)〉と
呼ばれるようになりました。

六角経蔵

鳥羽法皇の皇后であった美福門院が、
鳥羽法皇の菩提を弔うため、
紺紙に金泥(きんでい)で浄写された
一切経を納めるために
建立された経蔵です。
この紺紙金泥一切経は、
美福門院が
その持費として
紀州荒川
(現在の那賀郡桃山町付近)の庄を
寄進された事に由来して、
荒川経とも
呼ばれるようになりました。

したがって、この六角経蔵は、
別名「荒川経蔵」といいます。
現在の建物は
昭和9年(1934年)2月に
再建されました。
経蔵の
基壇(きだん)付近のところに
把手がついており、
回すことができるようになっています。
この部分は回転するようにできており、
一回りすれば一切経を
一通り読誦した功徳が得る
といわれています。
この経蔵に納められた
紺紙金泥一切経は、
重要文化財として
霊宝館に収蔵されています。

閼伽井(あかい)は、

和歌山県高野山壇上伽藍の
六角経蔵東南にある。

紀伊名所図会には、
次のように記されている。

「閼伽井(あかのい)
 御社の南、林間にあり。
大師の鑿開(せんかい)し給ふ処、
天竺の無熱池の水を湛ふとなん。
 凡(およそ)
一山灌頂曼供等の大法会には、
必ず是をもって閼伽とす。」


弘法大師空海が自ら掘った井戸で、
無熱池の水が湛えられている。

無熱池とは、

インドで考えられた理想郷の池で、
阿耨達龍王(あのくだつりゅうおう)が
住むという、
炎熱の苦しみがない池である。

そこに咲く
青蓮華が樒の葉に似ていることから、
仏に樒を供えることになるとされている。

また、この池の岸が
金、銀、瑠璃、玻璃の
四宝で飾られ、
冷たい清らかな水が湧き出し
流れ出て
四大河のもとをなし、
世界を潤すと考えられている。

閼伽井の水は、
灌頂や曼荼羅供などの
高野山の大法会に使われている。


そうか!

だから、シキミは
仏様に供えられるのか

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?