年収800万円の家庭が知るべき!適正な住宅ローン額と返済計画のポイント
厚生労働省の「2021年 国民生活基礎調査の概況」では、日本全国の世帯年収の平均は約564万円だと発表されています。それと比較して、年収800万円の世帯年収は国内では高水準であり、平均的な世帯よりも多くの住宅ローンを借り入れることができると言えます。
では、世帯年収800万円の家庭が住宅ローンを借りる場合、どのくらいの金額を借りることができるのでしょうか?適正な借入額やローンの組み方、返済負担をラクにするポイントを解説します。
1. フラット35で見るローン返済者の傾向。平均年収がもっとも高いのは「マンション」
住宅金融支援機構が発表した「2022年度 フラット35利用調査」によると、住宅ローン利用者の約80%が世帯年収800万円未満であり、平均年収は634万円(前年度+26万円)となりました。
また、融資区分別(注文住宅、土地付注文住宅、建売住宅、マンション、中古戸建、中古マンション)に世帯年収を比較したところ、最も平均年収が高かったのはマンションの844万円だったそうです。
こうした結果を見ても、世帯年収800万円のご家庭はある程度柔軟にマイホームのタイプを選べると言えます。
2. 年収800万円世帯の住宅ローンの適正な借入額・月々の返済額
ここからは、現実的に年収800万円の世帯がどれくらいの金額を住宅ローンで借り入れられるかを紹介します。大きく「年収倍率」「返済負担率」の2種類で金額を計算しているので、ぜひ参考にしてみてください。
(1) 年収倍率から考える借入可能額
年収倍率とは、借入可能額を年収に対して何倍までとするかを示す指標です。多くの金融機関では、年収の5〜6倍程度が目安とされています。この場合、年収800万円の場合、住宅ローンの借入可能額は4000万円から4800万円となります。
【年収倍率の計算例】
年収:800万円
年収倍率:5~6倍
借入可能額:800万円 × 5倍 = 4000万円、 800万円 × 6倍 = 4800万円
ただし、この数値はあくまで目安であり、実際の借入額は金利や返済期間、生活費などを考慮して決定する必要があります。
(2) 返済負担率から考える借入可能額(返済負担率の説明と月々の返済額から借入可能額を算出)
返済負担率とは、年収に対する住宅ローン返済の割合のことを指します。一般的に、住宅ローンの返済負担率は年収の20%を目安にするとよいとされています。年収800万円の場合、月々の返済額は約13.3万円/月ということになります。
【借入条件】
金利:2023年9月時点のフラット35の金利相場
借入期間:35年
(3)rooTreeで世帯年収800万円のプランを考えました!
rooTreeでは実際に、世帯年収800万円の家族が規格住宅を購入した場合の返済プランを計算しました。Instagramに細かな間取りやポイントも記載しているので、ぜひチェックしてみてください!
3. 収入を合算してローンを組む場合の注意点
世帯年収を元に住宅ローンを借りる場合、夫婦2人の収入を合算して住宅ローンを組むというケースもあります。その時に利用できるのが、「ペアローン」「連載債務型」「連帯保証型」という3種類の住宅ローンです。
(1) 「ペアローン」「連帯債務型」「連帯保証型」の特徴
「ペアローン」は、住宅購入に対して夫婦それぞれが別の住宅ローンを契約するという住宅ローンです。「連帯債務型」は、夫婦の一方が主債務者となり、もう一方がその連帯保証人になるという住宅ローンです。「連帯保証型」は、夫婦の一方が債務者となり、もう一方が連帯保証人となる住宅ローンです。
連帯債務型と連帯保証型の細かな違いは、このあとのメリット・デメリットにて触れます。
(2) 3種類の住宅ローンのメリット・デメリット
夫婦で住宅ローンを契約する場合、「ペアローン」「連帯債務型」「連帯保証型」それぞれのメリット・デメリットをよく吟味しましょう。
【ペアローンのメリットとデメリット】
メリット:1人での契約よりも借入可能額を増やせる。2人分の住宅ローン控除を受けられる。
デメリット:事務手数料・印紙税など諸費用が2倍必要になる。
【連帯債務型のメリットとデメリット】
メリット:1人での契約よりも借入可能額を増やせる。2人分の住宅ローン控除を受けられる。契約は1つなので費用も契約1本分で済む
デメリット:連帯債務者にも強い返済義務が生じ、主債務者と同程度の安定的な収入が必要となる。離婚後も連帯債務者の返済義務がなくならない。
【連帯保証型のメリットとデメリット】
メリット:1人での契約よりも借入可能額を増やせる。2人分の住宅ローン控除を受けられる。契約は1つなので費用も契約1本分で済む
デメリット:連帯保証人に返済義務が生じるのは連帯債務型と同じ。連帯保証人は住宅ローン減税が受けられない。団信(団体信用生命保険、住宅ローン利用者の保険で、死亡時や高度障害の状態になった時、ローン残高を支払う必要がなくなる)は主債務者しか加入できない。
3. 住宅ローン返済の負担を減らすためのポイント
実際に住宅ローンを借り入れるという場合、少しでも返済負担を減らすためにできることがいくつかあります。住宅ローンを借りる時、借りた後でできることをいくつかポイントにまとめたので、ぜひ活用してみてください。
(1) 上限いっぱいのローン借入は避けよう
年収800万円の場合、金融機関が提示する住宅ローンの借入可能額の目安は4,000万〜4,800万円としました。しかし「2022年度 フラット35利用調査」によると、首都圏ではでは戸建住宅購入(建売住宅)における年収倍率は平均7.1倍、マンションでは7.5倍という結果になっています。
年収倍率は年々上昇傾向にあり、年収800万円の方が5,600万〜6,000万円の住宅ローンを組んでいるケースも珍しくありません。住宅ローンを多く借りられれば、敷地面積の広い家や好アクセスの家を手に入れることができたり、家電や調度品に多くの費用を割くことができます。
その代わり、借入額が増えればその分返済負担も大きくなるということを忘れないようにしましょう。専門家に相談しながら、一定の余裕を持って返済できる借入額を設定することが大切です。
(2) ムリのない範囲で頭金を用意する
住宅ローンを組む際、「住宅購入価格の1〜2割」が1つの目安として、頭金を用意することが推奨されたりします。5,000万円の住宅を購入する場合、500万〜1,000万円を目安に頭金を準備する方が多いようです。ちなみに、「2022年度 フラット35利用調査」における全国の手持金(頭金)の平均額(2020年度)は619万円でした。
頭金のメリットは、総借入額や月々の返済額を少なくできるというものです。一方で、頭金を揃えるにはお金を貯める期間が必要で、その間賃貸物件に住むこととなるために一定の出費が発生してしまいます。いつまでに家が欲しいか、そのためにいくら貯蓄できるか(あるいは資産運用でどこまで増やせるか)を加味しつつ、ムリのない範囲で頭金を用意するようにしましょう。
(3) 国・自治体の補助金や助成金を上手に活用しよう
住宅ローンの負担を軽減する方法として、国や自治体が提供する補助金や助成金の活用も挙げられます。
省エネ住宅に対する補助金
解体費用の助成金
木造住宅の耐震建て替えの補助金
同居・子育て支援補助金
地産木材を使用した家への補助金制度
移住で家を建てる場合の補助金
他にも、住宅ローン債務者を対象として減税措置などが存在します。これらの制度はその時々で補助を受けられなかったり、補助を受けられる条件が変わったりする点に注意が必要です。ご自身で調べつつ、ハウスメーカーの担当者にも確認を取りながら、最大限の補助が得られるようにしましょう。
6. まとめ:年収800万円の家づくりは「理想のマイホーム」と「現実的な返済計画」のバランスを意識しよう
ここまで、年収800万円の世帯が借りられる住宅ローンの目安と、住宅ローンを借りる際に意識しておきたいポイントをまとめました。一般的に、年収800万円の世帯ではマンション・戸建て共にさまざまな選択肢からマイホームを選ぶことができます。
住宅ローンもしっかりとした金額を借り入れることができるので安心ですが、その分借入額が多すぎて返済の負担が重くのしかからないよう、現実的な返済計画を立てていきましょう。
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