富裕層マーケティングのこと

富裕層マーケティングと聞くとなにやら別世界の話と捉えられることがよくあるけれど、商品やサービスを提供するターゲットになる人たちがたまたまリッチな人たちというだけで、とてつもなく難しい、難解だ、ということでもなんでもないということが、20年近く富裕層ビジネスをやってきた私の実感だ。大切なことは、ごく普通のことで、物事には足し算や引き算のような「誰にでも理解できること」や微分積分のような「一部の人しか理解できないこと」に分かれる、ということ、を分かっていることだ。富裕層マーケティングに関しても同じことで、誰にでも理解できることが多いし、むしろ足し算引き算を大切にしたほうがいい。

野村総合研究所の調査によると、日本には200万世帯前後の資産1億円富裕層層と800万世帯前後のやや資産1億円を下回る準富裕層がいるとされる。個人ベースで分かりやすく言うと、富裕層というのはクラスにひとりのイメージ。そういわれて中学生のころを振り返ってみると「ああ、あいつね」とイメージしやすいのではないかと思う。そう、富裕層マーケティングっているのは「あいつ」をターゲットにした場合、「あいつはどう思うかな、感じるかな」とか「あいつなら、これ買うかな」とか考える延長線上にある。

これから随時富裕層マーケティングの事例やその周辺のことをノートしていくにあたって、小学生の頃や中学生の頃クラスに1人はいたであろう「あいつ」のことを思い出し、ぜひ身近なマーケティングの世界なんだと感じておいてほしい。どんな人がどんなに難しく富裕層マーケティングのことを語ったとしても、「あいつ」の集合体と照らしあわせて考えるのが一番だ。


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