情緒のある日記を書きたい③
2021/7/20
梅雨が終わればやってくるのは、灼熱の夏である。あのジメッとした肌に張り付くような暑さは終わり、ジーっと暑い夏がやってきた。少しの徒歩で汗は噴き出して、身体中に熱が溜まっていく感覚がある。ああ夏が来たな。
タオルで顔をぬぐい、制汗剤が含まれるウェットティッシュで首元を拭く。ウェットティッシュに含まれる清涼感のある成分のおかげで涼しく感じるが、実際は汗が出ないために熱のこもりは激しくなる。汗と言う厄介な存在を優先するか体の熱感を放熱するかで私はいつも悩まされる。
汗をなんとか止めたら電車に乗り込み、目的の駅まで揺られる。今日は随分と電車が空いている。空調は首を振りをしているために、数秒ごとに首元に涼しい風が触れる。ずっとこっちを向いてくれればいいのに、なんていう恋する乙女みたいな気持ちを空調に寄せてみる。
電車に乗ればこのうだるような暑さから解放されるわけではない。目的地の最寄駅から目的地までの間はやはり外なのだ。月並みに私は思ってしまう、「どこでもドアがあればいいのに」、そしてすぐに自分の中の自分が言う「いやどこでもドアがあったら家から繋げればいいんじゃないの」。心の静寂がやってきて、私は小さく心の中でもう一人の自分に囁く、「うるさい」。そんな精神の中で広げられる天使と悪魔のような問答をやっている中、私の身体が炎天下にさらされている。
さてさて、目的地についたからと言っても、そこで夏との戦いは終わりというわけではない。またもや、汗と言う伏兵が出現する。もうエンカウントしたくないよ、なんだよこのエンカウント率のバグったゲームは……と思いつつもまた制汗剤というポーションに手を出してしまう。
夏はやっぱり嫌いだ。春の涼しさを奪って行き、雨を降らせたと思ったら今度はとんでもない熱で追い打ちしてくる。随分とドエスなのが夏のように思える。
ただ夏が見せてくれる風景は好きだ。深緑に包まれた森に注がれる木漏れ日、夜に小さな街灯に集まるカブトムシ、みずみずしく美味しいスイカ。私は塩水が苦手だから醍醐味が半減だけども、海やビーチとかもいいかもしれない。男の子なら水着美女っていうのも醍醐味なのかもしれない……いや女の子もイケメンの水着姿は好きか……。
人間とは厳しい環境下でもそれを楽しむために文化を作る。それは最適的された慣習から始まったモノなのかもしれない。それは宗教的な儀式から始まったモノかもしれない。ただ不思議とその行為をすると、夏の良さを感じてしまうのは人間の謎なのではないだろうか?
ただ私はやっぱり暑いのは嫌いだ。
写真:江ノ島って部分的にはハワイに見える気がするの
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