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【PHI】 「仏の顔も三度まで」とKyle Schwarbar大激怒についての話

ペン

どうも、フィリーズ担当のペンでございます。
本日（アメリカ時間で4/24）行われたブリュワーズ - フィリーズの一戦でKyle Schwarberがストライクの判定を巡り主審を勤めていたAngel Hernandez審判に対して大激怒。Schwarberが激しい抗議をHernandez審判に打つけたシーンも含めこの試合は大きな話題と議論になっています。

今回のnoteでは今日の試合の中で起こった出来事を時系列に沿って追っていくことでなぜSchwarberがHernandez審判にここまで激怒したのかについてまとめたいと思います。
個人的には「Schwarberがここまで激怒したことについては理由があり、このシーンだけを切り取って話をいろいろな方向に展開して欲しくない」という思いが強いです。
それでは、noteスタートです。

■ アメリカで話題になった背景

まず、このブリュワーズ - フィリーズ戦がアメリカで話題になった背景にはこの試合がスポーツ専門チャンネルのESPNが1990年から続けている「SUNDAY NIGHT BASEBALL」という全米中継で放送された試合だったということがあります。メジャーリーグでは日曜日の試合はこの「SUNDAY NIGHT BASEBALL」の試合以外はすべてデーゲームで行われており、日曜のナイトゲームはこの全米中継の「SUNDAY NIGHT BASEBALL」の1試合のみ開催とそれだけ特別な枠として設定されています。それだけにその「SUNDAY NIGHT BASEBALL」の放送中に発生したKyle Schwarberの怒りの抗議は通常のレギュラーシーズンの試合以上に注目を集めることとなったわけです。
そして、この試合の主審を勤めていたのがAngel Hernandez審判だったことがより話題を大きくしている原因となっています。Hernandez審判はフィールドの内外で騒動を起こす人物として有名な人物です。過去にはメジャーリーグ機構を人種差別を理由に提訴したりなどしています。また、誤審が多くメジャーリーグの審判の中でも審判としてのレベルが低い人物としても知られています。そのため、今回の騒動でアメリカのtwitterで1番トレンドになったワードは激しい抗議を行った「Schwarber」ではなく抗議をされた「Angel Hernandez」になっています。つまり、アメリカでは「Angel Hernandezがまた問題になる判定をして、それに対してKyle Schwarberがブチギレた」と認識されているわけです。
ただし、このnoteはHernandez審判を批判する意図で書いているものではありません。しかし、Hernandez審判がこの試合中に行った多くのミスジャッジが最終的にSchwarberが大激怒した要因になったことは間違いありません。

■ 試合を振り返りながらSchwarber激怒の要因をまとめる

それでは、試合を振り返りながらSchwarberが激怒することになった要因についてまとめていきましょう。

・広すぎたストライクゾーン

まずはこの試合全体でのブリュワーズ投手陣とフィリーズ投手陣のストライク・ボール判定についてBaseball Savantのチャート図を元に確認してみましょう。

4/24の試合でのブリュワーズ投手陣のストライク・ボール判定チャート
（Baseball Savant参照）
4/24の試合でのフィリーズ投手陣のストライク・ボール判定チャート
（Baseball Savant参照）

現地の報道では、ゾーン外のボールと判定されるべき球がストライクと判定された回数がブリュワーズ側に10回、フィリーズ側に7回あったそうです。
この試合は両チームの先発Aaron NolaとEric Lauerの投球が素晴らしかったことに議論の余地はありませんが、両チームともHernandez審判の判定に救われた部分があったことは確かでしょう。
それでは、そのストライク判定についてより詳しく追っていきましょう。

・2回表2アウトランナーなし Aaron Nola vs Omar Narvaez

1-2のカウントからNolaが投じた明らかなボール球がストライク判定されOmar Narvaezが見逃しの三振になっています。

2回表 Aaron Nola vs Omar Narvaez ピッチチャート
（Baseball Savant参照）

あまり試合を左右する場面ではなかったとはいえ、この判定も酷い判定としてtwitter上で話題となっています。
また現地の実況を聞いていただければお分かりになるかと思いますが、この時点で「またAngel Hernandezがおかしな判定してるよ」といったテイストで笑いのネタにしています。

・5回裏1アウト満塁 Eric Lauer vs Jean Segura

1アウト満塁のチャンスでLauerがJean Seguraに投じた初球もtwitter上で話題になっています。

5回裏 Eric Lauer vs Jean Segura ピッチチャート
（Baseball Savant参照）

その後、結果としては1-1のカウントからSeguraは高めのボール球に手を出しサードのファウルフライに倒れています。
しかし、もし2-0のカウントでこの高めの球が来た時にSeguraは手を出したのでしょうか？
この初球がしっかりボールと判定されていればこの打席がもっと違った内容になったかもしれないというのはたらればの話ですが、Segura本人として見れば初球からまったく理解できないストライクコールで不利な状況にされ結果チャンスで思うような打席にはならなかったのですから釈然としない思いとなったのは確かでしょう。

・5回裏2アウト満塁 Eric Lauer vs Rhys Hoskins

上のSeguraに続きRhys Hoskinsとの対戦でも初球に怪しい判定がありました。

5回裏 Eric Lauer vs Rhys Hoskins ピッチチャート
（Baseball Savant参照）

ピッチチャート上ではギリギリゾーンを掠めているように見えますが、Hoskinsは明らかにこの判定に不満の顔を浮かべています。

結果、Hoskinsは5球目で空振りの三振となり、フィリーズは折角の満塁のチャンスを活かすことができませんでした。

・6回裏2アウト2塁 Eric Lauer vs Kyle Schwarber

そして、次に取り上げるのはSchwarber激怒の1つ前の打席です。
2アウトながら前の打者のJ.T. Realmutoが二塁打を放ち先制のチャンスが出来た場面での打席でした。

6回裏 Eric Lauer vs Kyle Schwarber ピッチチャート
（Baseball Savant参照）

問題は1-1のカウントからの3球目と4球目です。
まずは3球目、明らかにボールと判断して見逃したSchwarberはHernandez審判がそのボールをストライクとコールした瞬間思わず膝をついてしまっています。

そして、続いて4球目。3球目と同様にボールと判断して見逃したSchwarberはHernandez審判がまたしてもそのボールをストライクとコールし三振となった瞬間怒りのあまりバットを投げています。

5回満塁のチャンスで決定的とは言えないまでも2度の怪しい判定もあり結果チームが得点を取れなかった中、Schwarber本人の打席で改めてやってきたチャンスの状況で2球連続で自信を持って見送った球をストライクと判定され結果見逃しの三振。またしてもチームはチャンスを活かせない形となりました。つまり、Hernandez審判はSchwarberという仏が大激怒する前にすでに2度その顔に泥を塗っていたわけです。

・9回裏1アウトランナーなし Josh Hader vs Kyle Schwarber

そして、問題の場面です。
フィリーズは9回表にクローザーのCorey Knebelがブリュワーズに先制点を与えてしまい0-1の状況でメジャーリーグを代表するクローザーであり左腕のJosh Haderからどうにかして得点を取らないといけない状況でした。
先頭打者のRealmutoはヒット性の辺りを放つもWily Adamesの好守備によりアウトとなります。
そして、次にSchwarberに打順が回ってきました。相手は左腕のHader。左打者のSchwarberからしてみれば四球でもいいからなんとかして出塁でもできれば合格点の相手です。
そんな相手に慎重にボールを見極めてカウントを3-2とした6球目に例の事件が怒ります。

9回裏 Josh Hader vs Kyle Schwarber ピッチチャート
（Baseball Savant参照）

Schwarberからしてみれば左打者相手にはほぼ無敵と言っていいHaderからなんとか四球を獲得できたと考えていたであろう状況で、本日3度目のHernandez審判からのまさかのストライクコールが飛んできたわけです。大事な場面でボールと判断し自信を持って見送った球が立て続けに3回もストライクコールされ2打席連続の見逃し三振となったSchwarberはついにHernandez審判に対してブチギレます。
そう、Schwarberはたった1球の判定でキレた訳ではなく、フィリーズにとって重要なシチュエーションで立て続けに起こった微妙なストライク判定、特にSchwarber本人に対して判定された3球のストライクコールがあった上で蓄積されていた怒りを爆発させたのです。

■ まとめ

今回のSchwarberブチギレの背景にはそれまでの試合の間に積もり重なった微妙な判定に対しての怒りがあったことがご理解していただけたと思います。
前段でも述べたように今回のnoteをHernandez審判を批判するために書いているものではございません。なぜあれほどSchwarberが怒りを露わにしたのかを皆さんに理解してもらいたく書いたnoteになります。
それでも、今回の騒動の発端になったのはHernandez審判の判定にあったことは間違いありません。そして、Hernandez審判の今まで言動や行動を考えるとこれから審判としての能力が向上することや思考が変わることはないと思います。メジャーリーグ機構は改めてHernandez審判をこれからもメジャーリーグの審判として雇用し続けるのか検討されるキッカケにはなって欲しいと思います。

追伸
話題が大きくなりそうだったので急いでnote書いてみたけどこの時間までかかってしまいました。凄く眠いです。
フィリーズの勝ち星も私の睡眠時間も奪われてしまいました。
なんて日だっ！！

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