【PHI】 フィリーズ 2022 戦力分析
フィリーズ担当のペンでございます。
twitterでお騒がせしており申し訳ありません。
このMLBファン合同note企画とは違う問題ですので、本来はこちらのnoteでその点について触れるのは避けたいのですが記事の中で1点だけ今お騒がせしている件について書く点がございますので先にお断りさせていただきます。
今回は開幕ロースターも決まったフィリーズの戦力に関して分析していきます。フィリーズ公式twitterが4/1にアップしたスラッガー5人の後ろ姿のショットがあまりにカッコよかったのでタイトル画像に使用させていただきました。それでは、noteスタートです。
■ 開幕28人ロースター、IL入り選手一覧
まずは開幕28人ロースターと開幕ILスタートとなった選手を一覧で紹介します。
開幕ロースターについての所感
28人ロースター期間中はシーズン中ながらもテストの時期となる印象です。
以下、そのテストのポイントを箇条書きします。
・若手野手(Stott, Bohm, Moniak, Vierling)のレギュラー適正のテスト
・DHの運用に関するテスト
・FalterとCristopher Sanchezの先発適正のテスト
・Nick Nelsonがセットアップで通用するかのテスト
・今のSeranthony DominguezがMLBで通用するかのテスト
4月のこのテストの結果次第で今年のフィリーズの戦力は大きく変わると考えています。
諸々のポイントは以下それぞれの論評で書きます。
■ ローテーション分析
・総評
MLB.comの開幕企画のローテーションランキングでは10位に選出されています。
筆者個人としては、このランキングは過小評価されているなと感じています。
贔屓目はあるでしょうが、ブルージェイズとブリュワーズに次ぐ3番手くらいの実力のあるローテーションと見ています。
ただし、Eflinは故障明け、Suarezはビザの問題で入国が遅れ、Wheelerも故障で調整遅れと3人とも開幕ローテーションには入りますが4月はそこまで長いイニングは投げないでしょう。
そこでポイントとなるのが先ほど挙げたFalterとCristopher Sanchezです。
彼らが4月に2番手としてどれくらい好投できるか、それが故障者が出た時の先発の穴埋め要員としての大事なテストの場となります。
彼らのどちらかが昨年のSuarezのようにブレークすれば一気にチームの戦力は向上します。
また、AAAスタートになりましたがHans Crouseにも期待です。
・Aaron Nola
昨年もセットポジション時の投球が不調だった点を除けばMLB屈指のレベルの投球をしていました。
MLBの開幕前の選手ランキングトップ100に選ばれていなかったのは納得いっていません。
Nolaの昨年の不調は未完成ですがnoteを書いていますのでそちらをお読みください。(英語の参考記事もどうぞ)
昨年表面的な成績が悪くなった理由は明確に分かっているだけに確実に修正してくると思いますし、その点さえ克服すればfangraphsのfWARではサイ・ヤング賞クラスの数字を残すことでしょう。今年のNolaの逆襲に期待しています。
・Zack Wheeler
Wheelerの去年の活躍の理由は「カッターを身につけた」ことです。
まったく話題になっていないですが、下記の記事でWheeler本人が「指標だと全部スライダーになっているけど、20球スライダーと判定されていたとしたら本物のスライダーは5球くらいだよ」と語っています。
Caleb Cotham投手コーチとスライダーの改良に取り組んでいる際にカッターを身につけたそうでこのカッターを効果的に使ったのが昨年のあの大活躍だったわけです。
上のbaseball savantのグラフを見ても球種にカッターの表示はありません。そして、スライダー(75%はカッター)の投球比率が昨年に比べ10%近く増加しています。
savantでも球種判定できない。それくらい微妙な誤差で使い分けているのだと思います。
この絶妙なカッターとスライダーの効果的なミックスが使える間は昨年のような活躍を続けられるでしょう。
問題はケガで調整が遅れている点です。昨年投げ過ぎただけにケガでの長期間の離脱が1番の懸念材料です。
ここで1番最初の話に戻ります。
このWheelerの活躍の理由をSlugger誌の選手評に使ったため、Slugger誌に配慮し今まで書くと言っていた「昨年のZack Wheelerの活躍の秘訣」のnoteと下の「フィリーズの投手育成プログラムは改善されつつあるのか?」のCotham投手コーチが昨年フィリーズにもたらした影響についての部分の執筆を控えていた次第です。トラブルとなっている今となっては配慮したのが馬鹿らしく感じてしまいます。4月中には改めて上の2点のnoteアップいたします。
・Ranger Suarez
みなさんすでにお分かりでしょうが、ナショナル・リーグの今年のサイ・ヤング賞予想投手に挙げさせていただきました。
昨年驚異的な活躍で一躍シンデレラ・ボーイとなりましたが、Suarezが活躍した理由は下のnoteでまとめた通りすべて具体的な理由が存在しています。
昨年の活躍は偶然ではありません。今年も驚異的な活躍を見せてくれると信じています。
・Kyle Gibson
昨年カッターを身につけ苦手な左打者を克服した右腕。
今年もそのカッターを武器にローテーションの後ろの方として使うにはもったいない活躍をしてくれるでしょう。
不安点は味方のフィリーズ内野陣の守備力。
MLBの読み物氏( @mlbyomimono )がGibsonのとても詳しい紹介記事を執筆されていますので詳しくはそちらをお読みください。(読み物さん、いつも引用許可していただきありがとうございます)
・Zach Eflin
膝の故障で復帰5月という話だったのですが、なぜか開幕に間に合いました。昨年は球速が落ちてしまい、それに伴い成績も低調でした。
春季トレーニングでは好調でしたが、球速は93マイル程度とあまり伸びておらずまだ不安が残ります。
今年のオフにFAとなるだけに残留するにしても、移籍するにしても誰もが認める結果を残したい年となります。
■ ブルペン分析
・総評
FAで契約したKnebel, Familia, Handの3名は春季トレーニングで順調な仕上がりを見せており、契約当初筆者は不安を感じていましたが今のところは期待して良さそうです。問題は既存のブルペン陣でCoonrodがILスタート、AlvaradoとBrogdonもケガや球速の減退と不安要素があります。逆に期待できそうなのはヤンキースからトレードで獲得したNick Nelsonです。春季トレーニングで圧倒的な投球をしており化ける予感が漂っています。昨年に比べブルペン候補の投手がかなり増えており最低でも去年のブルペン成績よりは上回ると見ています。特に昨年まではブルペンの数が足りなく一部の主力に起用が偏る傾向があっただけにそれも解消されることを期待しましょう。また、プロスペクトのFrancisco Moralesのブルペン転向が決定。元々ブルペン向けのスペックと言われていただけに一気に大ブレークの目もありそうです。
・Corey Knebel
今年のフィリーズのクローザーを務めるスピンレートの鬼。4シームとカーブの2球種のみで勝負する剛腕で通算の奪三振率は脅威の12.57を記録しています。
フィリーズは2年契約でオファーしたそうですが、Knebel本人が来年高額契約を得るために1年契約を選択したとのことで有言実行の活躍をしてもらいましょう。お願いだからケガで離脱しないでくださいね。
・Brad Hand
オールスター選出3回のベテランクローザー。今年はセットアップ役を担う。スライダーが生命線の投手で昨年は不調でしたが、春季トレーニングでは順調に仕上がっておりHand本人もスライダーの手応えに自信を持っているようです。
このまま順調に復活しまたオールスタークラスの成績を残していただきましょう。
・Jeurys Familia
高速シンカーとWhiff%(空振り率)が高いスライダーが武器のメッツの元クローザー。こちらも春季トレーニングで6イニングを投げ12奪三振と好調をキープ。とりあえず、セットアップの一員として期待して良さそうです。
HandとFamiliaは契約時にnoteを書きましたのでそちらも合わせてお読みください。
・Seranthony Dominguez
ようやく復活した元クローザー。ケガをする前は100マイルを超えていた4シームも現在は96-97マイル程度にとどまっています。春季トレーニングでは5イニングで10三振を記録。
現時点ではセットアップの1人として計算して良さそうな仕上がりを見せています。
昨年ケガから復帰後のマイナーリーグでの登板は炎上続きで目を覆うばかりの酷い状況となっていただけに、今年またメジャーリーグの舞台で輝けるのか?シーズン序盤はそのテストの場となるでしょう。
・Jose Alvarado
時に100マイルを超える高速シンカーが武器のブルペン左腕。
しかし、コントロールが悪く昨年は40イニング以上を投げた投手の中で最低の与四球率を記録。
Alvaradoをセットアップのポジションで使う必要がないというだけでも昨年と比べてフィリーズのブルペン層が厚くなったことが分かります。
首の故障で調整が遅れていましたが開幕ロースターには間に合いました。
コントロールが悪い点を考えるとAlvarado本人にとってもプレッシャーのかからない楽な場面の方が力を発揮できるやもしれません。
とりあえず、シーズン入ってからどれくらいの活躍をしてくれるか暖かい目で見守っていきましょう。
・Nick Nelson
オフにヤンキースとのトレードで獲得したコントロールに難があるパワー系右腕。元々先発だったこともあり長いイニングも投球可能。
春季トレーニングでは8イニングで0四球、11三振を記録。投球自体もコントロールに苦しんでいる様子はまったくなく化ける予感を漂わせています。(2回目)
・Connor Brogdon
昨年は平均96マイルを記録していたファストボールが春季トレーニングでは93マイル程度しか出ておらず今年の出来が心配な右腕。春季トレーニングの最終登板では95マイルまで球速を戻しており徐々に調子を上げていくことを期待したいですね。
昨年はファストボール、チェンジアップ共に空振り率が減少し奪三振率も低下しました。ブルペンとしてもう1ランク上のレベルに行くにはこの各球種の空振り率と奪三振率を上昇させる必要があるでしょう。
・Damon Jones
27歳で初めての開幕ロースター入りを掴んだシンカーとスライダーが武器の左腕。優秀なグラウンドボール%と奪三振率を誇るがこの人も御多分に洩れずコントロールに難あり。
ブルペンでは98-99マイルを記録する剛腕であるにも関わらず試合では平均94マイル程度しかスピードが出ません。コントロールに難があるため試合では全力で投げられない面もあるのかもしれません。
とりあえずザックリまとめるとスライダーという武器もある球速が遅いAlvaradoとイメージしてもらえれば良いと思います。
春季トレーニングでは6.1イニングを投げて四球を1つしか出していません。このまま改善してくれればメジャーに残れる可能性もあるでしょう。
・Bailey Falter
MLBの中でリリースポイントが1番ホームベース側に近いという特徴を持つ左腕。この特性のお陰で通常のリリースポイントの投手と比べて球速が2マイルほど上乗せされる効果があるそうです。昨年は前半戦AAAで先発として大活躍。フィリーズに昇格してからも好投を続けロングリリーフとしてのポジションを掴みかけていましたがそんな時期にコロナに感染し離脱。復帰後は精彩を欠く投球が目立ちました。
今年は改めてメジャーリーグで通用するかテストの年となります。オフにEflinとGibsonがFAとなるため、好投が続けば去年のSuarezのように先発に昇格する目も出てくるでしょう。
春季トレーニングでは三振をまったく奪えておらず、その点を少し危惧しています。
・Cristopher Sanchez
93マイル台後半のシンカーをメインに60%台のグラウンドボール%を誇る先発左腕。奪三振率も優秀。(特徴がDamon Jonesと被ってるな)
4月中はあまり多くイニングを投げないであろうWheeler, Suarez, Eflinの後の2番手で長いイニングを稼ぐ役割を担うと思われSanchezにとってもテストの期間となります。
・Sam Coonrod
平均97.7マイルの高速シンカーが武器の剛腕。
ジャイアンツ時代はファストボールの投球割合を4シームとシンカー半々くらいで投げていましたが、昨年からシンカーメインの投球に切り替えて成功しています。
フィリーズの投手陣は昨年からCotham投手コーチの方針か1番有効な球種の投球比率を極端に多くする傾向があり、それがハマった投手の1人と言えるでしょう。
素質的にはトップクラスのブルペンになれる可能性を持っているがどうも耐久性に問題があり、今年も開幕から一週間程度は出遅れることが決定しています。
■ 野手陣分析
・総評
今年フィリーズの戦力に関して懐疑的な人たちの多くが挙げるマイナスポイントは守備力です。
でも、少し考えて頂きたいのです。Harperは守備指標の波が激しいところはありますが平均すると並のライトですし、MoniakとVierlingは少ない守備イニングながら昨年のセンターの守備指標はどちらも若干のプラスでした。そして、驚きのレベルで守備が劣化していたAndrew McCutchenと比べるとCastellanosでも十分去年のレフトよりはマシな守備力なのです。(なんか当社比みたいな表現ではありますが)。DidiのショートとBohmのサード?接戦の勝ち試合の終盤ならショートStottとサードCamargoにすれば良い話です。
そう、その守備の穴を必要なタイミングで適切に埋めれば良い話なのです。今年からはナショナル・リーグもDHが導入されますのでフィリーズがDHも有効活用してどのように守備の穴を少しでも塞いでいくかというのはかなり重要なポイントだと考えています。以上、フィリーズの守備批判に対する回答というか運用の仕方はあるからとりあえずシーズン見てからもう一回そこら辺の話はしましょうよって話でした。
それよりもポイントは打力です。
レギュラー陣の破壊力が凄まじいのはもちろんですが、控えやプラトーンのメンバーも春季トレーニングで成長著しい姿を見せたMoniakに期待のルーキーStott、そして2年目のスランプからの汚名返上に期待したいBohm, 期待のハードヒッターVierling, ブレーブスに絶対リベンジマンになってくれるであろうCamargoと充実しています。控え捕手のStubbs以外皆打力のあるロースターになる可能性があります。
打てばいいんです。打ちまくればいいんです。昨年チーム得点MLB13位だった打線をブルージェイズやアストロズと並ぶMLBトップクラスの打線にすればいいんです。
どう考えたって今年のCastellanosとSchwarberの大補強ってそういう意図でしか考えられませんもの。今年の豪快なフィリーズ打線を共に楽しんでいきましょう。
・J.T. Realmuto
すでにnoteで個別で特集をしたので詳しくはそちらをお読みいただきたいのですが、現在のメジャーリーグでNo.1と言っていいオールラウンドなキャッチャーです。
そして、今年なによりも大きいのはCastellanosの加入でHarperのプロテクト役をする必要が無くなったことです。これはフィリーズにとっても大きいですがRealmuto自身にも好作用をもたらす可能性があるのではないでしょうか。春季トレーニング後半では2番をを打つ試合も増えています。今年は今までとは逆にHarperがRealmutoのプロテクト役になるわけです。キャッチャーですが足の速い選手でもあるので2番Realmutoというのも結構ハマるかもしれないなと見ています。
・Garrett Stubbs
アストロズから獲得したAndrew Knappの代わりとなる控え捕手ポジションの選手です。
守備がいいのでその分Knappよりもプラスになるでしょうが打撃は正直期待しない方がいいでしょう。
とりあえず、控え捕手の守備が向上するだけでも良しと考えることにしましょう。
今回Harperとチームメイトになりますが、Harperがナショナルズ最終年の年にトレードデッドラインでアストロズとのトレードが決まりかけていた時の交換要員の1人がStubbsでした。
・Rhys Hoskins
昨年は後半戦OPS 1.210と絶好調な状況でケガでシーズン終了となる残念なシーズンでした。後半戦の調子を考えるとキャリアイヤーになる可能性も高そうでしたし、チームとしても重要な時期だっただけに大変痛い離脱でした。
今年は去年のリベンジを果たし自身初の40HR 100打点 OPS .900越え辺りの成績を期待したいところです。
・Jean Segura
皆さんにとても残念なニュースをお知らせしなければなりません。
昨年元マリナーズのKyle Seager氏が引退したことにより、Jean Segura氏がポストシーズンに未出場の選手の中で最も多くのレギュラーシーズンの試合に出場している現役選手となりました。
マリナーズの元チームメイトから嫌なバトンを引き継がされたものですね。
ちなみにこのランキング2位以下もフィリーズに在籍した選手の名前が多くありなんとも言えない気持ちになります。
フィリーズはSeguraからこの不名誉な記録を消し去るためにも今年こそポストシーズンに進出しなければなりません。
Segura自身も打撃、守備ともに平均以上のレベルを期待できる優秀な選手です。特にフィリーズにとっては内野のレギュラーで唯一守備がまともな選手です。
今年も安定した活躍を見せ、Segura自身もフィリーズをポストシーズンに導く原動力の一因となってくれることでしょう。
・Alec Bohm
昨年は2年目のスランプにどハマりし散々な1年となりました。
Kevin Long新打撃コーチもBohmを重点的に指導する選手の1人に名前を挙げておりロックアウト前からスイングの改良に取り組んでいます。
今年の春季トレーニング時のBohmのスイングと去年の春の時期のBohmを以下で見比べてみましょう。
明らかに昨年よりグリップの位置が上がり、それに伴いスイング前のヒッチの角度も抑えられコンパクトで鋭いスイングに変わっています。
Kevin Longの打撃理論の1つに「今の投手の球速の高速化に合わせて打者はスイングをコンパクトにする必要がある」というポイントがあります。
特に昨年のBohmは打撃フォームの動きが大きく、そのため速いファストボールに対応することが出来ず、それがスランプの原因となっていました。
つまり、速いファストボール対策のために打撃フォームをコンパクトに修正しようとするLongは打撃フォームにムダが多くそれゆえにファストボールに対応出来なくなっていたBohmを復活させるために最適な打撃コーチと言えるでしょうし、着実にBohmの打撃は変化を見せてきています。
私は今年のフィリーズの最重要選手としてBohmを挙げていますが今年こそフィリーズファンが期待していた成績を残すと信じています。
えっ、守備について?正直に書くと守備が下手なのに動きすぎるのがより守備指標を悪化させている原因に感じます。無駄に動ける分処理できない打球にまで手を出してエラーを生み出している姿を多く見ています。自分が処理できる範囲を知る。そうすればBohmの守備指標は多少ですが改善されるのではないかと考えています。
・Didi Gregorius
昨年は守備・打撃共にキャリアワーストの成績を残しました。
特に守備の面ではショート失格と言ってもいい状況です。
それでも、契約の関係か今年もDidiがショートを守っています。
本人は不振の原因をコロナワクチンを接種した際に右肘の関節炎を発症したことと言っていますがどこまで信じていいものでしょうか。
とりあえず、打撃だけでも復調することを願っております。
まぁ、去年の状況が続いたらStottとすぐに交代となるでしょう。
・Bryson Stott
期待のゴールデンルーキー。
昨年のマイナーリーグ、アリゾナ秋季リーグ、そして、この春季トレーニングのすべてで結果を残してきました。「期待」という言葉しかありません。
Dave Dombrowskiも昨年のオフの段階でStottに「来年からメジャーリーグで活躍する準備をしておきなさい」と言っていました。
その言葉通りに完璧に仕上げてきたと感じています。
打撃の特徴はとにかく「滑らかで美しいスイング」です。下のリンクのHRなんて往年のChipper Jonesを思わせるようなスイングをしています。その下の左中間へのラインドライブのヒットも素晴らしいですね。
あとは、実際にMLBの環境でやってみて守備指標がどのくらいの数字になるかがポイントになると思います。
とりあえず、三塁の守備は間違いなくBohmより格段に良さそうです。
・Johan Camargo
ブレーブスからは若干干されているような状況になっていましたが、ユーティリティの控えとしては申し分のない存在です。
昨年AAAでは好結果を残していただけに2018年の再来を期待しています。
とにかく昨年のBrad Millerより守備に優れ打撃も互角レベルの数字を残せる可能性のある選手を昨年のMillerのサラリーの半額以下で契約できただけでもフロントは素晴らしい動きはしたと思います。
あとはCamargoが結果でフィリーズフロントの動きが間違っていなかったことを証明するだけです。
守備に不安のあるフィリーズなのでとにかく出番はたくさんあると思います。
・Kyle Schwarber
このオフ4年7,900万ドルの契約でフィリーズにやって来たホームランモンスター。
昨年は6月に月間16HRという記録的なペースでホームランを連発。大きな話題となりました。
その活躍の背景には今年からフィリーズの打撃コーチに就任したKevin Longのアドバイスでバッティングスタンスの修正を行なったことが要因にあったという話も割と知られた話になってきたと思います。
フィリーズがSchwarberと契約した際にLongはSchwarberについて「やつは最高の野球バカだよ。」とSchwarberからしてみればあなたに言われたくないよという発言をします。
今年もそんなLongとの二人三脚で驚異的な活躍を見せてくれることでしょう。
レフトの守備?60HR打てば関係ありません。以上です。
・Nick Castellanos
5年1億ドルの大型契約でフィリーズに移籍してきたHarperのプロテクト役となる近年では珍しい打率面も期待できるスラッガー。
ファストボールにメチャクチャ強く、特に昨年はファストボール粉砕マシーンと化していました。
以前にも書きましたが、四球で出塁するタイプが多いフィリーズ打線の中に打率面を期待できるスラッガーが加わるのはとてもいい相乗効果を生み出せると思います。
昨年のオールスターのレッドカーペットにはお子さんが描いたCastellanosの肖像画をTシャツにプリントして登場。とてもホッコリさせてくれました。
・Mickey Moniak
春季トレーニングで6HRと大爆発を見せ、遂に覚醒の時を迎えるかもしれないいつかの全体1位指名選手。(あまりに時が経ちすぎていつの話だったか忘れてしまいました…)
この大爆発のキッカケはロックアウト中にMoniakの打席を1,000打席、約10時間確認したという変態打撃コーチKevin Longさんからのとても簡単なアドバイス。
「もうちょっとホームプレート寄りに立って打ちなさい」
!!!!!!!!!!!!
確かに去年よりホームプレート寄りに立っているように見えます。
Moniak曰く「ちょっとホームプレートに寄っただけですげーボール見やすくなったし変化球にも合わせられるようになったぜ。マジやべーコーチだよ、あのおっさん。(筆者によるかなりの誇張な表現を含みます)」
つまり、今までは打席での立ち位置が遠かった上にその影響でボールをよく見極めることが出来ず、外に逃げる変化球にくるくる空振りしてたわけですね。この話で私も去年Moniakがなんでも空振りしてしまう巨大扇風機になっていたことについて理解できました。
さて、果たしてこのままMoniakはレギュラーシーズンでも強打を発揮することができるでしょうか。シーズンを楽しみにしましょう。
→ 春季トレーニングの最終戦でデッドボールを受けた結果、右手首にヒビが入り6週間のIL行きが決定しました。残念です。復帰してからの活躍を期待しましょう。
・Matt Vierling
Moniakとセンターを共有する筋骨隆々のハードパンチャー。
ハードヒット%は高くても打球が上がりにくいというBohmと同じタイプ。
VierlingもLong打撃コーチに魔改造されたりするのでしょうか?
Vierlingはnoteで個別に特集していますのでそちらの方もご覧ください。
・Bryce Harper
昨年のシーズンMVP。復活した「Chosen One」!!
もはや説明する必要もないでしょう。
このHarperとかいう神様なんですが、シーズンどころか今年の春季トレーニングでもHRと打点の二冠王に輝いてしまいました。
同世代のNo.1選手となったMike Troutから再びそのNo.1選手の座を奪い返しに行こうとしてるのかもしれませんね。
この調子でシーズンの方も三冠王とMVPくらいの誰もがひれ伏すレベルの活躍をして欲しいものです。
それでは絶好調だった春季トレーニングでのホームランも確認してみましょう。
打撃フォームが去年よりさらにフライを打つ形に変わっているように見えます。これは春季トレーニング同様にかなりの数のホームランを量産するのではないでしょうか。
これは本当に昨年以上の成績を残す可能性もあるんじゃないですか。
そう言えば、Harperってスイングが大きくなって調子を崩すという悪癖があることで知られていますが、「スイングをコンパクトにすること」が大事と考えるLong打撃コーチってHarperにとって最高のスイングの修正役になってくれるのかもしれません。
■ 全体総評
今年のフィリーズはワールドチャンピオン決定の戦力です!!
誇張しました。
でも、みなさんの評価以上にかなり戦力は揃っていると思うのですよ。
私としてはみなさんフィリーズを過小評価しているなと思っています。
やっぱり今年こそフィリーズがワールドチャンピオンですよ。
賭けても…流石に賭けはできません。
それでは、皆さん今年もメジャーリーグ楽しみましょう。