見出し画像

【MLB】 シーズンMVPに届かなかったDHの名打者たち(上?)

現地11/21に2024年のシーズンMVPが発表されナショナル・リーグでは大谷翔平がDH(指名打者)として初めてのMVPを受賞した。
1973年にアメリカン・リーグでDHが採用されてからすでに50年が経過しているが、「守備での貢献がない」などの理由からDHの選手がMVPを受賞するのは高い壁となっていた。
今回のnoteでは初めてDHの選手がMVPを獲得した記念として、今まで数々のDHの名打者たちがMVPを獲得できなかった歴史を振り返ることで今回の快挙について改めて認識をしていきたい。

ポール・モリター

最初に取り上げるのは通算3,319安打の殿堂入りの名打者ポール・モリターだ。
モリターは過去に2人しか達成してない通算3,000安打、200HR、500盗塁に到達した選手であり、その成績や火付け役を意味する"イグナイター(the Ignitor)"という愛称からも分かる通りキャリアの前半はリードオフとして活躍した選手である。
しかし、脚は速いが守備に優れたタイプというわけではなくキャリアの前半は主に三塁などの内野を守っていたが、30代半ばからはDHメインでそのキャリアを歩むことになる。

そんなモリターがDHとして1番活躍した年が16年在籍したブリュワーズからFAでブルージェイズに移籍した初年度の1993年である。
この年160試合(DH 137試合、一塁 23試合)に出場したモリターは主に3番打者として、リーグ2位の打率.332 22HR 111打点、そしてリーグトップの211安打と打ちまくりブルージェイズの地区3連覇に大きく貢献。
MVP投票でも満票でMVPを獲得したフランク・トーマスに続く2位の得票を得た。この年はトーマスが満票MVPに選出されたので惜しいとまでは言えないがDHメインの選手がMVP投票2位につけた数少ない例である。
ちなみにブルージェイズはこの年2年連続のワールドチャンピオンに輝いているが、モリターはワールドシリーズで打率5割と打ちまくりシーズンではなくワールドシリーズのMVPに選出されている。

エドガー・マルティネス

続いて紹介するのは年間最優秀DHに送られる賞に自身の名前が冠されていることでもお馴染みの殿堂入りの名打者でマリナーズのレジェンドエドガー・マルティネスだ。
※ ここからは愛称としてもお馴染みの"エドガー"を呼称として使っていく

キャリア当初は三塁手として活躍していたエドガーだが、故障が多かったこともあり1995年に本格的にDHに転向。
そしてこのDH転向初年度にMVP級の活躍を見せる。
145試合全試合(ストライキ明けのため短縮シーズン)に出場し、打率・出塁率・OPS・得点・二塁打でリーグトップの数字を記録。
ランディ・ジョンソンとともにマリナーズ初の地区優勝の立役者と言える大活躍だったがMVPの投票ではモー・ボーンアルバート・ベルに次ぐ3位に終わった。
この年のMVPはいわく付きの年で、本来であれば短縮シーズンに50HR-50二塁打という活躍を見せたベルがMVPの最有力候補であったが、トラブルメーカーとして知られたベルにMVPはふさわしくないと評価した記者たちが当時レッドソックスの人気者で人格者としての評判もあったボーン(のちにボーンもトラブルを起こしたりするのだが)に1位票を投票しボーンが大逆転でMVPを獲得したという経緯がある。
しかし、ボーンも一塁手とはいえ巨漢でただ守っているだけの選手だったことに加え、打撃成績や指標でベルと並ぶ数字を残していたのはボーンではなくエドガーである。
もし、現代でこの3人が同様の成績でMVPを争っていたらMVPを獲得したのはボーンではなくエドガーだったのかもしれない。

フランク・トーマス

1993年と1994年のMVPを連続で獲得した"ビッグハート"フランク・トーマス
MVPを受賞した年は一塁メインだったが、1998年にDHメインになって以降でもう一年惜しくもMVPを逃した年がある。
それが2000年のシーズンだ。
この年のトーマスは.328 43HR 143打点 OPS 1.061の好成績でホワイトソックスの6年ぶりの地区優勝に貢献。
MVP争いでは当時アスレチックスのジェイソン・ジオンビーの後塵を拝したが、MVPのジオンビーの317ポイント(1位票:14)に対してトーマスは285ポイント(1位票:10)で2位と大接戦を演じた。
この年のトーマスはこの時点でDHメインの打者としては最もMVPに近づいた打者だったと言っていいだろう。

あと3人

今日中に投稿したいがもう書く気力がないので今回はここで一旦アップする。
紹介したい選手があと3名いるが、noteも長くなってきたので別のnoteで書くかもしれない。

最後に
大谷さん三度目のMVPおめでとう。
ただ、来年のナショナル・リーグMVPはフィリーズのファン・ソトになります。

いいなと思ったら応援しよう!