【CIN】 トラディショナル・オープナーって知ってる? 【MLB】
シンシナティ・レッズは1869年に創設されたメジャーリーグ最古のチームとされている。(ここら辺ちゃんと話そうとすると長くなるので詳しくは割愛)
今回はメジャーリーグ、そしてレッズの歴史として、最古のチームであるレッズが許されていた特権『トラディショナル・オープナー』についてざっくり語っていこう。
トラディショナル・オープナー、それは…
メジャーリーグで毎年一番最初に開幕戦を開催することである。
そう、レッズは1986年までの約一世紀に渡ってどこのチームよりも早く開幕戦を開催していたのだ。
この開幕戦のシリーズの対戦相手は伝統的に前年のナショナル・リーグの優勝チーム、つまり今一番強いチームとレッズが対決するという最高のマッチアップが組まれ、大変盛り上がりを見せていた。
しかし、1986年に"日程上の理由"でデトロイトでのタイガースvsレッドソックスが先に開催されると、徐々にメジャーリーグ機構はこの慣わしを破りはじめ、2000年に初の海外での開幕戦となった東京でのカブスvsメッツが開催される頃には過去の風習となってしまった。
今でもレッズはホームでシーズンスタート、そして開幕戦はお祭り
『開幕戦を一番最初に開催する』という特権こそ無くなったものの、実はレッズは今でも『開幕シリーズをホームで開催する』という特権を持っている。
この特権が破られたのはロックアウトにより開幕が一週間延期となった1990年と2022年の二年だけであり、来年2025年もジャイアンツを対戦相手に迎えての開幕シリーズが決定している。
そして、レッズの開幕戦は特別なのだ。
開幕戦のシンシナティは祭りとなり、パレードを始め多くの催しが開催される。
通り一面にレッズのファンが集まる姿は圧巻である。
もちろん開幕戦は毎年満員御礼である。
1990年から34年もの間、ワールドチャンピオンから遠ざかり、長い間低迷した期間も多かったのにも関わらず、開幕戦だけは絶対に満員御礼なのである。
その分普段は閑古鳥が鳴いている気がするが。
実際に2024年の開幕戦でのワンシーンを見てみよう。
本拠地のグレート・アメリカン・ボールパークの満員具合が分かるだろう。
ちなみに来年2025年からレッズの監督をつとめるテリー・フランコーナは1987年の一年だけ選手としてレッズに在籍したが、なんとその年の開幕戦にホームランを打っている。
メジャーリーグ機構はたまには伝統を復活させてみてはどうですか
筆者であるわたくしはメジャーリーグを見始めた時から、この最古のチームに敬意を表した伝統が好きである。
とっくに廃れてしまった伝統であるが、もしレッズがワールドチャンピオンになったら次の年くらいはこのレッズが開幕戦を一番最初開催するという伝統を復活させてみてほしい。
その時には始球式もマウンドからではなく客席から投げる古いアメリカの伝統的な始球式でやってほしいものだ。