【PHI】 夢のような6月を振り返る回 【2022年】
お世話になっております、フィリーズ担当のペンでございます。
さて、前回の5月の振り返りnoteはタイトルを「 地獄の5月を振り返る回 」としてお送りいたしましたが、6月になり監督がJoe GirardiからRob Thomson(タイトルバナーの方、画像の元記事はこちら)に代わるとチームの雰囲気が一変。6月は19勝8敗と怒涛の快進撃を見せ、6月開始時点で借金を8つも抱えていたチームが借金をすべて完済、それどころか貯金3つまで増やして月を終えることができました。
そんな最高な6月となりましたので今回はタイトルを「夢のような6月を振り返る回」としてお送りしたいと思います。
それでは、noteスタートです。
■ 6月月間成績
・打線総括
Thomson暫定監督になって以降、上位打線が1番 Kyle Schwarber、2番 Rhys Hoskins、3番 Bryce Harperにほぼ固定となり、この3人が全員OPS10割越えの記録的な活躍を見せてくれました。
肘に大きな怪我を抱えながらも打撃で圧倒的な存在感を見せていたHarperが6/25のパドレス戦でBlake Snellの速球を左手に受け親指を骨折。1か月半から2か月程度の離脱で済むのは不幸中の幸いですが、この期間中にまだ今シーズン不調が続いているNick CastellanosとJ.T. Realmutoが少しでもHarperの穴を埋めてくれる活躍をしてくれることを期待したいですね。
また、Schwarberがナショナルズ時代の昨年同様に6月に素晴らしい活躍を見せてくれましたが、昨年は7月入ってすぐに怪我でチームを離脱しただけに今年は7月以降もこの好調をキープしてくれるのかというのも打線のポイントになってくると思います。
あと、6月になって若手の起用が増え成績が改善してきたのも良い傾向です。
特にBryson StottとMatt Vierlingの成績が改善されています。
Vierlingは内野としてのプレータイムも増えてきましたのでぜひユーティリティのレギュラーとしてレギュラー選手と同じくらいのプレータイムを与えて欲しいですね。現状は左投手相手メインに起用されていますが右投手相手でも十分に結果出せる選手だと思っていますのでそこを実力で証明してもらいたいですね。
ちなみにThomsonが暫定監督になってから若手野手たちを総称して「Day Care Boys」という呼ぶようになり現地ファンの間でも知名度が広まってきています。
・投手陣総括
投手陣も6月に入って改善傾向にあり多くのチーム成績でMLB全体10位以内の成績を記録しています。
先発陣はfWARで5月のMLB 3位に続き6月もMLB 4位の数字を記録とAaron NolaとZack WheelerのWエースを中心にMLBでもトップ5クラスの成績を維持。
また、ブルペンは5月にMLB21位だった防御率4.55から6月はMLB15位の防御率3.67と大きく改善。Corey Knebelがコントロール難によりクローザーから降格させられてからは、オールスター候補にも名前が上がりはじめたSeranthony Dominguezを筆頭に成長著しいConnor Brogdon、ベテランで唯一安定感を見せているBrad Hand、30歳でようやくMLBに定着し高い奪三振率を記録しているAndrew Bellattiの4人を中心とした柔軟なブルペン起用に変わり日に日にブルペン全体の安定感が増してきています。このブルペン起用の変化については現在別でnoteにまとめていますので近日公開いたします。
■ GAME TOPIC
6月はブルペンが安定してこともあって5月とは逆に劇的な勝利が多く記録しました。このGAME TOPICのコーナーでも6月はそんな劇的な勝ち星を上げた試合を中心に取り上げていきたいと思います。
・6/5 vs Los Angeles Angels 9-7
ドラマは2-6とリードされた8回裏から始まりました。
口火を切ったのは主砲 Harper。2アウト満塁、カウント3-2の場面から起死回生の同点満塁ホームランを放ちます。
9回表にエンゼルスに再度勝ち越しを許しますが、さらに9回裏にドラマが起こります。こちらは2アウト1塁2塁で打席は先ほど同点ホームランを放ったHarperの地元ラスベガスの弟分でもあるルーキーのStott。ここでもカウント3-2の場面で奇跡が起こります。
ここまで打率1割台、ホームランも1本しか打っていなかったStottがまさかの3ランホームランを打ち劇的なサヨナラ勝ちを収めました。
このStottのサヨナラホームランの時にTVでクローズアップされていたラリーキャップをしていた少年も話題となり、次のホームの試合に招待されStottから直にプレゼントをもらった上に試合中には放送席にも招待されJohn Krukたちとお話ししていました。
・6/7 vs Milwaukee Brewers 3-2
上の奇跡的なStottのサヨナラホームランから移動日を挟んで次の試合となった6/7の試合でもまた試合の終盤に奇跡のドラマが生まれます。
場面は9回表1-2とリードされた場面でマウンドに上がったのは40イニング無失点中だった現在MLB屈指のクローザーの1人であるJosh Hader。
この間違いなく負け試合と思っていた状況からなんと若手のAlec BohmとVierlingが連続ホームランを打ち逆転に成功したのです。
特にこの時点でまだ打率1割台、0HRと低迷していたVierlingがHaderから勝ち越しのホームランを打つとは誰も想像していなかったと思います。
・6/8 vs Milwaukee Brewers 10-0
Stott, Hoskins, Odubel Herrera, Harperの4本のホームランが飛び出したこの試合。しかし、この試合の主役は先発のAaron Nolaでした。
8回を投げ5安打 無四球 6奪三振 無失点と完璧な投球を披露しチームを完封勝利に導きました。
この試合からNolaが支配的な投球を取り戻した形になったので重要な試合として取り上げることにしました。
■ Monthly Most Impressive Player
6月に印象的な活躍した選手を投打2名挙げていきます。
・Kyle Schwarber
すでに打線総括の項目で6月の成績については掲載していますので再掲はしませんが、昨年のナショナルズでの記録的な活躍に続き今年も6月に記録的な活躍を見せてくれました。
「Kyle Schwarber」という言葉を6月の季語に認定したいくらいですね。
Schwarberのバットは振ればホームランが出てくる打出の小槌みたいですね。
昨年は怪我やレッドソックスへのトレードもありホームランのタイトルを取れませんでしたが今年こそ怪我なくシーズンを過ごしてホームランのタイトルを獲得してもらいたいですね。
・Aaron Nola
6月は6試合に先発、43イニングを投げ 3勝1敗 防御率 2.51 4四球(1敬遠)43奪三振の好成績を記録しチームの好調を支える大きな要因となりました。
6月初戦となった6/1のジャイアンツ戦は6回5失点と微妙な投球となりましたが、GAME TOPICの項目でも触れた続く6/8のブリュワーズ戦で8回無失点の好投を演じて以降はすべての試合で7回以上を投げており、ブルペンの負担を大きく減らす手助けをしてくれています。
■ ロースター関連まとめ
以下では、ロースターの関連の主な動きをまとめていきます。
・6/3 Joe Girardi前監督とBobby Meachamコーチを解任。
Rob Thomsonベンチコーチが暫定監督に昇格。
・6/8 AAAで好成績を残していた捕手のAustin Wynnsをジャイアンツに
トレード。交換要員は左腕のMichael Plassmeyer。
・6/9 Kent EmanuelとRyan Sherriffがリハビリ期間に移行。
・6/13 James NorwoodをDFA → レッドソックスに金銭トレード。
・6/14 JoJo Romeroがリハビリ期間に移行。
・6/25 Mark Appelとメジャー契約。同日メジャー初昇格。
・6/27 Damon Jonesを60日ILに配置。
・6/29 James McArthurを60日ILに配置。
・6/29 Darick Hallとメジャー契約。同日メジャー初昇格。
■ プロスペクト情報
今月もフィリーズの注目プロスペクトを2名取り上げます。
・Darick Hall
今シーズンAAAで心境著しい活躍を見せていた26歳の巨漢スラッガー。
今シーズンはAAAの72試合で20HRを記録するなど長打力を伸ばしただけでなく、打率も上昇しキャリアハイのOPS .894を記録。
6/29には親指の骨折で離脱したHarperの代わりとしてメジャー初昇格の機会を得ると、なんとThomson監督は対右投手用DHとしてクリーンアップスポットで起用。Hallもその期待に応え3試合で3HRと上々のメジャーデビューを飾っています。
・Griff McGarry
プロスペクト特集でも取り上げた昨年2021年ドラフト5巡目指名のハイスペックノーコン右腕。
6月はA+で5試合 28.1イニングを投げ、3勝1敗 防御率2.86 そしてなんと48奪三振!!奪三振率は脅威の15.25!!
そして、このnoteを書いている7/3の深夜(現地7/2)にAAへの昇格が決定。
これから2か月の活躍次第では来年のフィリーズのローテーション候補に上がる可能性も出てきたのではないでしょうか。
Mick AbelとAndrew Painterの高校出身で全体トップ100プロスペクトのドラ1指名2人よりも先にこの大学出身のハイポテンシャル右腕が旋風を巻き起こしてくれるかもしれません。
■ 主砲不在の7月の戦いとトレードデッドライン
監督が交代した効果もあってか6月のフィリーズは記録的な快進撃を見せました。しかし、Harperは左手親指の骨折で1か月半から2か月の離脱が決定。先に離脱したJean Seguraと共に大きな戦力のマイナスになります。
また、以前から膝に不安を抱えているZach Eflinも膝の状態が悪化しとりあえず後半戦開始までは故障者リストに入ることとなりました。
トレードデッドラインを控えた7月の戦いは今後の命運を占う意味でも大変大事なものとなります。故障者を抱えながらこの7月の大事な戦いをどう乗り越えていくか。そして、トレードデッドラインで誰を補強するか。トレードのアセットになるプロスペクトや若手は誰になるのか。
より見逃せない時期になるのは間違いないので、noteの方も更新頻度を増やしていきたいと思います。
それでは、今回のnoteはこの辺りで終わりとさせていただきます。