R-1 2018 笑いとは何か
R-1 2018、決勝の採点時、視聴者投票の60%以上が盲目の漫談家に集まった時点で目を疑ったし二度見したし目の前が真っ暗になった。
それは盲目の漫談家のネタが私にとってはまったく面白くなかったからだ。
決勝3組で言えば唯一笑えたのはゆりやんだった。陽気なデブが常軌を逸して激しく踊る様は単純に愉快だし、垣間見える毒が知性を感じさせる。
ハゲネタの人は2本のネタが大胆に連続している構成には一瞬期待値が上がったし、センスを感じる部分がないわけではなかったが、結局はハゲでございます、笑ってくだせえ、というスタンスに終始しており残念。
盲目の漫談家のネタも「ハゲでございます」の域を出ない。笑い的に何のヒネリも無いし、構成的な新しさもない。今更大会で賞を与えるほどの価値のあるネタとは思えなかった。
テレビの大きなお笑いの大会で盲目の漫談家が優勝をするという物語には社会的な意義はあるのかもしれない。勇気づけられる人だっていることだろう。
でも肝心のネタが面白くないのに優勝させるなんていう安い感動ポルノに視聴者投票の6割が加担していることに暗澹たる気持ちになる。