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2021年 第92回世田谷祭配信の裏側
Tokyo City University Advent Calendar 2021
この記事はTokyo City University Advent Calendar 2021の8日目の記事です。
前日はたっくんさんによる【Wiiリモコンは良いぞ】プレゼンリモコンとしてのすゝめ + ノートパソコン用センサーバー作ってみた
自己紹介
このような記事を書くのも、noteに投稿するのも初なので、簡単な自己紹介をさせていただきます。
名前:Inami
役職:令和3年度東京都市大学放送会 会長
放送会とは:大学内のイベント、行事において音響、映像、配信を手掛けるほか、自主制作作品の作成等も行う団体
この記事は第92回東京都市大学 学園祭「世田谷祭」の音響、配信作業を手掛けた放送会の会長がその裏側について語るものです。
駄文ではありますが、読んでもらえると嬉しいです。
※記事の都合上、事実とやや異なる点、省略した点があります。
第92回東京都市大学 学園祭「世田谷祭」
9月初旬、世田谷祭実行委員委員長と企画長の方から私に連絡がありました。
「世田谷祭をオンライン形式で行いたい。配信業務をお願いしたいです。」
放送会には横浜祭(6月に行われた別キャンパスでの学園祭)でオンライン配信を手掛けた実績がありました。
課外活動が制限されている中で活動ができるのは大変ありがたいことなので、引き受けることにしました。
なんでも屋と化した放送会
実行委員側で企画の内容が定まり始めた9月中旬、全体打ち合わせがzoomで行われました。
企画A担当「配信は放送会のパソコンを使いたいです。」
ワイ「えっ」
B担当「千葉の企業にインタビュー動画を取りに行きます。撮影と編集をお願いしたいです。」
ワイ「えっ」
C担当「参加者を募集してゲーム大会をやります。ゲーム画面配信にうつせますか?」
ワイ「えっ」
D担当「ロックバンドを招いてフェスをやります。」
ワイ「えっ」
E担当「カラオケ大会とファッションショーをやります。カメラで生中継したいです。」
ワイ「えっ」
私だけでなく放送会員全員の表情筋が固まっていくのがカメラオフのzoom画面でも伝わりました。
放送会員「ッスゥゥゥ-----……(吐息)」
ワイ「技術的には可能ですね…」
正直こうなるのも無理は有りません。世田谷祭は2019年(水没のため*)、2020年(コロナ禍のため)と2年連続で開催出来ておらず、また今までの世田谷祭の文化を初めてのオンライン形式に踏襲するのは簡単なことではありません。実行委員の方々が配信や動画編集などの知識が豊富なわけでもありません。
(*「東京都市大学 水没」で検索)
これらの希望と我々の技術と要領のすり合わせを行い、企画にしていくことから始まりました。
前途多難
正直、世田谷祭の開催には数多く、いや、数多すぎる問題点がありました。(改めて言いますが、我々含め関わる人全てが初めての挑戦かつ素人同然の知識しかありません。)
問題点の全てを書こうと思うときりがないので今回の記事では3つほど取り上げてまとめてみたいと思います。
環境構築
これは問題点というよりかは横浜祭の反省点を踏まえた改善点といえる事ですね。
横浜祭では各企画及び横浜祭実行委員長から要件が全て私にLINEで連絡される形になっていました。つまり、実行委員の意向を全て私が聞き、返答し、かつ放送会員に伝達し、仕事を振るという今考えるとぶっ壊れな形態を取っていました。
しかもLINEは添付ファイルが1週間でダウンロード不可になってしまいます。そのため、「もう一度送ってください…」という不毛な連絡をいれなければいけません。よって今まで話していた内容を遮らなければならなず(いわゆる会話の二重螺旋構造)、生産性や効率が非常に悪かったです。
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そこで私は世田谷祭と放送会のSlackワークスペースを作成しました。
各企画や議題ごとにチャンネルをつくり、とにかく学生の関係者を放り込みました。
Slackのメリット
・ファイルが1週間で消えない。
・ダウンロードしなくてもPDFやパワポのファイルが見れる。
・DMも出来る。
・個人間の話し合いも公開出来るものは公開することによって、全員が状況を把握して動くことができる。
・スマートフォンアプリで確認できる。通知もくる。
・無料
”個人間の話し合いも公開出来るものは公開することによって、全員が状況を把握して動くことができる。”
これが一番のメリットかも知れません。結局全体で言うことになる相談を個人で話し合って結果だけを全体に伝えるよりも、問題、議題から解決までの流れ、結論すべてをスレッドを読むだけで確認できるシステムは本当に素晴らしいです。
またアプリの出来もすごく高く、投稿がちゃんと通知されます。
(掲示板やポータルサイトに掲示しただけで「伝えた」と言うのは"私は"間違ってると思います。)
コミュニケーションツールの環境作りの重要性を改めて感じました。
トシロックフェスティバル
正直これが一番やばかったです。
これというかこれに伴う配信、音響環境の構築が大変でした。
トシロックフェスティバルはテレビやメジャーで活躍しているロックバンドを大学に招き、ライブをしてもらうという企画です。学園祭と言えばバンドフェスですよね。
ただ、これをオンラインで開催するには多くの難題が生じました。
大きなの難点、それは教室を分けなければならない事、そして本番中にリハをすることです。
バンドには多くの楽器や機材が必要です。ドラムセットやエフェクター、アンプ、マイクなどなどステージが埋まってしまいます。つまり「次の企画はトシロックです!準備のため少々お待ち下さい!」が出来ません。諸々の準備とチェック、リハーサルにはとても時間がかかります。ですが、時間の制約と流れを考えるとパッと画面を切り替えて企画を進めないといけません。結論どうなるか。演奏会場と配信教室を分けるしかありません。
加えて、バンドの方々及びPAさん(バンド専属の音響さん)は学園祭当日に来て準備を開始します。(普通そういうものです。)そのため、機材の準備やリハーサルをしている最中に別教室で開催式や別企画を行うという状況が生み出されます。(放送関係者ならこれがどれだけヤバいか気づき始めているでしょうがもうちょっと説明します。)
ここで、一旦音響についての説明をします。(私も素人なのでざっくり説明)
バンドの音響では多くの楽器からはもちろん、ボーカルマイクやドラムマイクなど多くの音声入力があります。それをら1箇所にまとめて音量や音調、出力の管理を行う機材を(オーディオ)ミキサーと言います。
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(TBA所有デジタルミキサー 「YAMAHA LS9」※カッコイイ)
マイクやスピーカー、配信を行う、つまり多数の音の入出力があるということは開催式や各企画の進行、配信にもミキサーが必要になります。改めて「大きなの難点…」から読み返してください。そうです。これらが同時に行われる。つまり、2つのミキサーをつなげて、それぞれを同時に運用しなければならないのです。
しかも忘れてはいけません。カメラからの映像も管理しなければなりません。
放送会に与えられたミッション
「2つの会場の音響をそれぞれ繋ぎ、かつ映像も繋ぎ、切り替えながら配信を行え。」
放送会機材担当「配線地獄ってコト…!?」
ワイ「ワッ…(絶望)」
なかなかアツいミッションであることはご理解いただけましたでしょうか。このミッションをどう解決したかは詳しくは書きませんが、下に努力の結晶を載せておきます。
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![](https://assets.st-note.com/img/1678157262301-QAJoIzNbK5.jpg?width=1200)
(※配線図は本番とは若干違うところがあります。)
電力問題
多くの機材を使うにあたって、問題になってくるのが電力問題です。教室のコンセントにはアンペア数の上限が決まっています。上限を超えると安全装置が作動します。家庭で言うブレーカーが落ちる事。
大学設備担当者「地下教室1列に対して上限15Aです。それを超えると1号館のすべての電源が落ちます。」
ワイ「えぇっ…!?」
当大学1号館は中央吹き抜けを挟んでいくつかの教室が並んでいます。その1列の上限が15Aと伝えられました。(これは直前になって間違いであり、1教室15Aであることがわかりました。)
15Aがどれくらいかというと、放送会の音響機材1ステージ分出したら大体15Aです。上記でも書いたように、バンドの機材や配信機材、ライトなどをあわせたら余裕で40~50Aまでいきます。
そこで、施設課のひとに頼んで簡易工事をしてもらい、容量の上限を上げてもらいました。これで安心…とはなりません。
簡易工事は電源を別の場所から取ってくるだけです。つまり、15Aの電源が1つから4つに増えただけです。よって、それぞれの電源に何をつなぐかを全て管理しなければならないという非常にめんどくさいことになりました。(大学設備の為仕方がない。)
建物全体の電源がすべて落ちるのが本当かどうかはわかりません。(もし本当だったら研究施設として欠陥では…?と思いますが、安全性や大人の事情諸々あってのことだと思います。)
ただ、放送会機材担当の地道な調整により無事落ちること無く学園祭は開催できました。感謝します。
最後に
上に書いたことの他にも、活動再開での障壁、Switchの音響問題、Switchのインターネット接続問題、企業企画の動画編集、有志団体の動画編集、当日の音響トラブル、映像トラブルなどなど数えたらきりがない問題の数々がありましたが、実行委員の方々、大学職員の方々、そして優秀な同期、後輩達のおかげで無事学園祭を成功することが出来ました。全ての方々に感謝しています。
最後まで読んでいただき誠にありがとうございました。
この記事はTokyo City University Advent Calendar 2021の8日目の記事です。
明日は偉大な先輩おほーつくさんの記事「南武線将棋 +α」です。
主催者様、参加者の皆さんの記事もぜひ御覧ください。
本記事内の写真は放送会員が撮影したものであり、世田谷祭ロゴマークなどが含まれます。許可なく使用はお控えください。
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