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100万円と蜘蛛の糸
昨日、友人から突然こんなLINEが送られてきた。
私はこの手のツイートは胡散臭いなあと思って基本無視しているのだが、100万円の使い道か、なんだか面白そうだなと思って、めずらしく考えてみることにした。 だが、急に100万円の使い道を真剣に考えろと言われても、そんな簡単に思いつくものではない。私は世界旅行がしたいけど、全部の国を回るには100万では全然足りない。たった100万円で一体何ができるだろうか。
最初に思いついたのは、バイクを買うことだった。朝起きて、机の上にぽんと、自由に使っていい百万円があったら、まず間違いなくHondaのCB400SFを買う。学校に通うのが楽になるし、国内の行動範囲を格段に広げることができるからだ。友人達が大学を卒業して忙しくなってしまう前に、一緒にツーリングにも行きたい。バイク、欲しいです。
でも、それではありきたり過ぎてつまらないので、ちょっと考え方を変えてみる。もしその100万円が、数十万人の中から選ばれて勝ち取った100万だとしたらどうだろう?もっと面白い使い道をしたいとは思わないか?普段はできないような、記憶に残るような使い方をしたいとは思わないだろうか?
実際、現時点で応募数は20万を超え、もはや全部のリプライに目を通すのは不可能だ。実質抽選状態である。そんななかで自分が100万円を受け取ることができたなら、一体何に使うだろう。
どうせなら、何か話題性があることをやってみたい。自分の経験として今後に活かせることをしてみたい。そう思って次に出てきたアイデアは『マンハッタンからサンフランシスコまでバイクでかっ飛ばす』というものだった。アメリカの地図を頭に描くのはなかなか大変なのだが、位置関係でいうと、東の果てから西の果てまでアメリカ大陸を横断するイメージだ。これは、そもそも私が人生でやりたいことの一つだったのだが、お金と度胸がなくてなかなか学生時代にやろうという踏ん切りがついていなかった。やるならこれだろ。大きな経験になるし、話題性もある。記事にしたり、動画を撮ってYoutubeにあげることもでき、汎用性が高い。
ということで、その趣旨をまとめたツイートをリプライした。貰えるもんは貰っとけ、だ。どうせ当たるとは思っていないのだが、面白い思考実験ができたので満足である。
ところで、リプライ欄を眺めていると、夢を語る人から、つまらない大喜利をしている人、病気や家の事情でお金が欲しいという切実な願いまで、ごちゃごちゃとした人間模様で溢れかえっていた。まるで人の欲と暗い事情が混ざり合った新宿駅のような様相だ。初めの数分は暇つぶしに眺めていたのだが、だんだん胸焼けがしてきて、気持ち悪くなったのでやめた。色んな事情があるのは理解できるが、エゴ丸出しの群衆の叫びというのは、見ていて楽しいものではない。蜘蛛の糸に群がる地獄の人々のように、我先にと、自分を助けてくれと必死に訴える様子は、なんだか私の心を虚しくさせた。人のことは言えないのだが。
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