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妊婦プライマル。

先日出産した。
イレギュラーなお産になったと思う。

無痛分娩を希望していたが、まず麻酔がうまく入らなかった。夜のうちに分娩台につき、一晩陣痛に唸ったあと、早朝に分娩開始になった。子宮口やら肛門付近の麻酔の効きが悪く、盆の真っ只中、肛門地獄まつりが開幕した。痛さで普通に声が出た。
以前産婦人科の先生に「無痛は麻酔効かせた状態で胎児がひっかかったらお産がこじれることがあるんだよねえ」と聞いていたが、バッチリそれにも該当した。最終的に痛みの中、サンシャイン池崎よろしく1時間以上力んでからの会陰切開、吸引分娩となった。
産後の胎盤取り出しのあれこれがさらに痛く、人生でいちばん絶叫した。

あぁやっと休める…と思い分娩台で数時間気を失った。
目が覚めると大貧血だった。
どうやら1800mlほど出血しており、真っ白い顔で点滴を打っていたらしい。分娩室周辺は盆と正月が同時に来たように助産師さんも先生も右往左往しており、申し訳なさを感じつつ、分娩台から降りられもしない自分は無力だった。
そのまま救急車に乗って大学病院の救急センターに搬送された。人生ではじめて乗った救急車。『ほんとに信号で止まらないんだあ…』とかぼんやり考えていた。
大学病院に着くと、ストレッチャーから「せーの」で降ろされ、医療ドラマのやつ!と思う間にあれよあれよと検査やら診察やらが進んだ。
クールな女医さんに出産直後の子宮口に手を突っ込まれて腹を圧迫されるというこの世のものと思えない大拷問まで受ける。見ず知らずの医師たちに囲まれて「いてえ!」と叫ぶ20時過ぎ。
尿道カテーテルを繋がれて絶対安静と言われ、病棟の入院ベッドに入ったのが24時すぎだった。

出産、聞いてたんと違うが???!!!

キラキラインスタグラムでは、無痛分娩は体力温存できて、産後はアロママッサージがあってお祝い膳があって、母子同室で赤子の顔を見て幸せな眠りにつくと見たが?
肛門大地獄からのサンシャイン池崎で医療ドラマで女医拷問からの尿道カテーテルだよなんて投稿あったかな?

ともあれ、死ななくてよかった。先生と助産師さんの迅速な対応のおかげ。
旦那もこのスピード感に奔走しつつ寛大に対応してくれてありがたい。
あと献血してくれたみなさんありがとう。救われた命ここにありますよ!

明日はもっと楽しくなるよね。ねっ、ハム太郎。

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