2020年を暮らしのトレンドキーワードで 振り返る 「RoomClip Award 2020」
住まいと暮らしのソーシャルメディア RoomClipには、ユニークなデータが日頃集まってきます。それらを定量的な目線から数値化し、1年を振り返ってトレンドキーワードを毎年選出する企画が「RoomClip Award」。今回は、選定に関わったプロジェクトリーターとともに、コロナ禍という特殊な環境で過ごした2020年のトップ10をご紹介。また、2021年以降に影響を与えるであろうポイントも考察しました。(※本テキストは、2020年12月に実施されたライブ配信「RoomClip Award 2020 速報解説 2020暮らしのトレンドキーワード10」のダイジェスト版です)
・スピーカー
ルームクリップ株式会社 セールスマーケティングチーム 竹内優、水上淳史
ルームクリップ株式会社 コミュニティマネージャー 荒津桂
●完全版テキストは文末のリンクからダウンロードいただけます●
コロナ禍ならではのキーワードが多数
2020年末に発表されたキーワードTOP10は以下のものでした。noteでは、この中からまずTOP3を抜粋してご紹介します。
発表当時のプレスリリースはこちら
>ルームクリップ、暮らしのトレンドを象徴する「RoomClip Award 2020」を発表
1位. おうち○○
2位. 在宅勤務・テレワーク
3位. ホテルライク
4位. 清潔を保つ
5位. ゆとりある一人暮らし
6位. ゴミを見直す
7位. 庭・ベランダで過ごす
8位. 初心者もできる整理収納
9位. 巣ごもり家電
10位. 韓国インテリア
生活者の実際の投稿とともにTOP3を解説
3位. ホテルライク
【竹内】寝室や洗面所、バスルームなど、プライベートな空間を中心に、リラックス感あふれる投稿が目立ちました。ホテルのようなくつろぎと癒やしに特化したスタイルを取り入れることで、自宅でこれまで以上に充実したオフタイムの演出が目指されているというところが特徴です。
水回りへの意識が高いところも特長です。
【水上】トイレの照明はここ1〜2年、非常に変わりましたね。今はトイレは癒しのための空間づくりがされていて、顕著なのはやっぱり照明。ペンダントライト、ブラケットライトは増えましたね。
【竹内】五感、ないしは時間やシーン。そういった外見以外の部分にもホテルライクというキーワードが非常に連動している。ホテル体験を再現する意識を起点に、ライフスタイルそのものが演出されているのかなと。
2位. 在宅勤務・テレワーク
【竹内】暮らしの中に仕事という要素が入ってきて、様々なアイデアや工夫が見られました。ダイニングテーブルで働く様子や、押入れの活用、ソファやベランダで働く環境の構築など、働くと暮らすをどういうふうに家の中に取り入れるか、たくさんの模索が見られました。
緊急事態宣言直後は暮らしの中に仕事が割込んで、みなさん悪戦苦闘されていました。その後、住まいでは様々なワークスタイルが生まれています。例えばワークスペースをDIYされるということで、床の間を作り変えましたとか、押し入れを作り変えますとかいった例です。
また、液晶ディスプレイなど、これまでRoomClipで多くの人が話題にしなかったアイテムについても、コメントがやりとりされるようになったのもこのタイミングでした。
働くというシーンが家族の中にどう折り合っていくかという形も、様々な家庭のワークスペースをあらためて見つめることで、今後を占うシーンが見つかるかなと思います。
1位. おうち○○
【竹内】これを1位に選ばせていただいたのはやはり、家の中の活動が大きく変わった象徴となる年だったということ。外出できない状況で、これまで外で楽しんでいたアクティビティを「おうち○○」として家の中で楽しむムーブメントが起こりました。
「おうち○○」の代表的なものを挙げさせていただいておくと、まずおうちカフェですね。くつろぎのリラックスタイムを、お気に入りのスイーツや自分で作ったお料理と共に楽しむ。もしくは場所も、普段のダイニングとは場所を変えて楽しむという様子も、おうちカフェというタグと共に拝見できました。
次におうちキャンプ。これは2020年新しく生まれた代表的なものかなと。緊急事態宣言下、外出自粛の中で、お外でできなくなったキャンプ、活躍しなかったキャンプ道具が家の中で活躍しました。他にもいろんなシーンが「おうち○○」に当てはまる形で登場しました。
「おうち○○」が1位というのは、従来はインテリアスタイルのキーワードが1位に選ばれてきた RoomClip Award の歴代の中では随分異色となったと思っているんですけれども。桂さん、何か想いや経緯はありますか。
【荒津】おうちの中に在宅勤務というオンが押し寄せた中で、レジャーを楽しむというのもオフの1つだと思うんです。アクティブなオフとして、「おうち○○」という形に落ちて、皆さんの中に浸透していった強い流れから、やはりこれは1番に入れさせていただくべきものではないかと考えました。
2021年以降にも影響を与えるポイントは
「アクティブ」と「リラックス」
【竹内】コロナ禍というのが大きなショックで、家での過ごし方や部屋づくりがどう変わったか。1つの方向として、「アクティブ」と「リラックス」という視点に注目すると整理ができるのかなと。
「アクティブ」に対しては「おうち○○」や「在宅勤務」、「リラックス」に対しては「ホテルライク」や「巣ごもり家電」というキーワードが関連づけられるように、2020年のトレンドキーワードにもいずれかの視点が深く結びつけられます。
「アクティブ」について申し上げると、2020年、仕事もプライベートもすごい忙しくなりました。在宅勤務をどううまくこなすかだったり、お子さんにどう家の中でうまく時間を過ごしてもらうかっていう苦労だったり。ないしは、今まで家の中ではされなかった行事やイベントごとも同時に家の中に入ってきた。
その反面が「リラックス」という視点で、忙しくなった住まいでの時間に対して、くつろぎ時間をよりいい体験にして、しっかり自分の体やメンタルを整えようという意識が高まった。ただ家のスタイルを構築するというより、その中でどう過ごしていますみたいな時間への向き合い方の話題というのが大きく増えたのかなというところです。
【水上】あらためてになりますが、2020年の一番大きな変化は、これまで暮らしとかインテリアに興味がなかった人たちが興味を持ち始めた点が非常に大きかった。
【荒津】2020年は緊急事態宣言が出たこともあって、皆さん、住まいで大きな変化を急激に受け止めなければいけなかったと思うんですよ。それに対応していくところから、暮らしに興味を持たざるを得なくなって、今度はその先に本来のくつろげる家って何だろうみたいなところへ今、踏み込み始めている段階だと思います。こういったニーズが今後、伸びていくんじゃないかと個人的に強く感じています。
スピーカー
(左) ルームクリップ株式会社 セールスマーケティングチーム 竹内優
(中央) ルームクリップ株式会社 セールスマーケティングチーム 水上淳史
(右) ルームクリップ株式会社 コミュニティマネージャー 荒津桂