古い鉛筆が好きです、その3
いつもの文具店で、その擦り切れた二つの紙箱は
どこか不自然に、突然置いてありました。
開けてみると、その外観からは想像できなかった、
鮮やかな朱色の軸に、金色のレトロ文字が光る。
しばし見とれる私に、おばちゃんが声を掛けてくれる。
「それね、あんたが好きかしらと思って置いといたのよ。
なかなか持ってかないから、もう持ってるのかと思ってたわ」
いえいえ、持ってません。気づいてないだけでした・・
黙って置いてくれただけでなく、
自分の足で見つける喜びを大事にしてくれるおばちゃん。
もう昭和の習字セットとか勧められても即買います。
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