『日本の美をよむ 2023 』会場にて小冊子『陰翳礼讃をよむ』頒布いたします
5月6日 土曜日に胡桃堂喫茶店とオンライン配信にて開催される催し『日本の美をよむ 2023 今田順+中村将大』。こちらの会場で小冊子『陰翳礼讃をよむ』を頒布いたします。
この小冊子『陰翳礼讃をよむ』は、面出薫さんと中村による個人的な勉強会の資料として作成したものです。内容として、この催しにちかいこともあり、こんかい頒布するはこびとしました。
もともとプライヴェートな勉強会用資料のため、単価が高くなってしまうこと、もうしわけないです。当日は12部くらい持参しようとかんがえています(もし、あらかじめ確保されたいかたがいらしたら、中村宛にご連絡をお願いします)
『陰翳礼讃をよむ』——未分のもの
2022年2月。東京都内で開催された面出薫さんと内藤廣さんによる講演会。そこでのテーマは陰翳礼讃なる建築と光環境デザインのありかたでした。この催しのあと、面出さんに感想をつたえつつ、いろいろ個人的見解をおはなししたところ、ちょうど面出さんご自身も『陰翳礼讃』について再読されだしたタイミングとのこと。以来、不定期ながらもコンスタントに、面出さんと僕で『陰翳礼讃』についてのブレインストーミングをおこなっています。
このプロジェクトの立ち上がりから一年をむかえたいま、いったんそのまとめ、楔をうつつもりで作成したのが本冊子です。はたして、これがどのくらいのものなのか。つまり、なかなかいい線をいったプロトタイピングなのか。まだまだ未熟な段階なのか、それとも見当ちがいの記録なのか。今後、プロジェクトのなかさまざまな経験を得た将来、これがどうみえるのか。それは事後的にはわかりません。まだ濾過される以前の段階。いずれにせよ、現状まだ未分のものであることだけは、まちがありません
そういえば。『日本の美をよむ』にせよ『デザインのよみかた』にせよ。僕がこのしばらく携わっているプロジェクトは、いずれも「よむ」というタイトルがつきます。さまざまなものごとにデザインをつうじて触れるとき、どうしても具現化したものをみようとするきらいがある。だけれども、その未然・未分の段階に気づいてゆくことも必要でしょう。
『陰翳礼讃』最後の一文です。視覚の段階をさげたおり、いったいなにがみえるのか。あらためて『日本の美をよむ 2023』たのしみにしています。
催しは現在も胡桃堂喫茶店のウェブサイト クルミド百貨店で受付中。
会場開催とオンライン開催です。会場のほうでは年表やチャートなど資料も配布予定です。
—
15 April 2023
中村将大