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絶滅危機動物ファイル10「ヤンバルクイナ」

こんにちは!
絶滅危機動物ファイル10「ヤンバルクイナ」です。
twitterでは2022/12/22に公開しました。

ヤンバルクイナ01
ヤンバルクイナ02

ヤンバルクイナ!鮮やかな、白黒のしましまオリーブ色と、独特のカラーリングがとても魅力的です。
日本では鳥類として100年ぶりの新種、そして日本唯一の飛べない鳥でもあります。
飛べないというのは、飛ぶ必要がないというワケで、その代わりに速く走って地上の獲物を捕らえるために足が太く発達しました。環境に合わせた生きものの進化というのはすごいですね。

やんばるの森に適応して暮らしていたクイナたちを襲った大きな危機が、マングースです。
マングースは、畑に被害をもたらすネズミ、そしてそのネズミ目当てでやってくる危険なハブ退治するために導入されました。この導入を進めたのは、著名な動物学者であった、東京大学の渡瀬庄三郎博士です。
なんでも、インドで コブラvsマングース のショーを見て、導入を決めたという逸話があります(本当なのかな…?)
マングースは歓迎され、役に立っているとずーーーっと思われていました。20頭に満たなかった導入個体は数万頭まで増え、1979年には奄美大島にも導入されます。
しかし80年代からの調査により、ハブなど全然食べていなかったことが発覚。そもそもマングースは昼行性ハブは夜行性。さらに、わざわざ毒のある危険なハブを相手にする必要などまったく無く、他の容易に捕らえられる生きものを食べていたのです。
今の我々にとっては「そりゃそうだろ!わざわざ外来種を導入して生態系を破壊して何やってんだ!!」って思えてしまうんですが、導入されたのは100年も前のこと。当時の考えや常識・知見では、動物学者のトップといえるような方でも、その後のことは予見できなかったということなんでしょう。
これは現代でも全然当てはまることで、今やっていることが将来にどんな影響を与えるのかというのは、一人ひとりがしっかり考えて行動していかなければならないなあと日々感じています。

さて、そのマングースがついにやんばるの森へ到達。飛べないヤンバルクイナたちは格好の餌食となってしまいます。マングースのような捕食者がいなかったから飛ばない体に進化したのに…。
マングースの駆除には、多大なる労力と資金が投入されました。ワナをかけて捕らえ、ワナをかけて捕らえ…。徹底的に駆除しなければ、少数からまた爆発的に増えてしまうので、ほとんどワナにかからなくなっても続けなければならず、費用ばかりがかさむ大変な事業となってしまいました。
奄美大島でも、希少なアマミノクロウサギが捕食されてしまい、マングースの駆除に同じく苦慮し続けてきました。
ただ、マングースは勝手に連れてこられて駆除されて、とてもかわいそうな存在であると思います。これは他の外来生物にも言えることですが…。

ヤンバルクイナは他にも、捨てられたペットのイヌやネコに襲われ、道路ではロードキルにあうなど、今も苦難続きです。
その一方、ヤンバルクイナを救うために活動されている方もたくさんいて成果も上がっています。
これからもずっと、クイナたちがやんばるの森で命をつないでいけることを願っています!

それでは。

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