喚起
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描く、爪弾く、悩む、苦しむ。
孤立感と重度の被害妄想が襲い掛かる。
もともと、人の表情や態度、声質などの無言のコミュニケーションに非常に敏感で、勘繰ってしまう癖があるのだが、今それを受け取る体力すらない。
「本当に仕事ができる人5選」とか「ここの病気のサイン3選」とか「SNS疲れ」とか「ノイズのない情報に慣れすぎた」とか、もうスマホに映し出される情報すべてが頭を痛くさせる。
音楽も気がつけばコード進行すらない、シンセサイザーのパッドサウンドが永遠リピートされるアンビエントばかりを聴いている。
アンビエントやLo-fiが流行る気持ちがようやくわかる。
空っぽにしたいんだと。
親戚のおばちゃんがくれた原研哉の本を読む。
真っ白い装丁に、デザインに対する解釈と在り方が圧倒的な解像度の高さで書かれている。
文章にもあったとおり、まじりっ気のない純度の高い粘土のような言葉がすっと入ってくる。
この孤立感を、被害妄想を、怒りを原動力に、自らを喚起させて筆を動かす。
誰にも認知もされないこの行為に何の意味があるのだとただただ思う。
こんな事も何度も日記やSNSに書いている。あれから全く進化していると感じれない。
それでも描く、爪弾く、悩む、苦しむ。
少なくとも作っている瞬間は忘れられるから。
アートは究極の自己表現だと誰かが言ってた。
創造はただ待つ事だとも誰かが言ってた。
待つしかないのだろう、作ってる意味が見出せるその時まで、作って作って準備しておくしかないのだろう。