40.岸辺の旅
風に乾く海岸線。
夜の海は静けさの中。
小刻みに震えるのは私の細胞のひとつひとつ。
ぬるいココアをコンビニで買った。
横切る店たちのあたたかい灯りが
瞳孔をすぎていく。
多分、私は今ほつれていて
編み直すのにちょっと時間がかかりそう。
人は人にすぐ何かを言うけど
人は人をそんなにちゃんと見ていない。
だから、そんなことどうだっていい。
そんなこと言いながらも
どこかで気にして弱っていく。
かっこわるい。
それでも
私は私のまま死んでいく
つもり。
残り半世紀の命で何を燃やそうか。
薪をくべる。沈む前に。
何度崩れても、こんがらがっても
私は何度だって岸辺を旅する。
何度だって。
何度だって。
だから少しおやすみ。起きたらまた。
また頑張るから。
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