缶ビール
いつの間にか22歳になっていた。
氏名と年齢を書くタイミングがあり
自分の年齢に改めて驚いた。
最後に自分の年齢について考えたのは
20歳になったばかりの頃だ。
今思い返せばコンビニでタバコを買ったり、
居酒屋に入りお酒を飲んだりと
もう習慣づいて慣れたものになっている。
あの頃の新鮮さはもう無い。
もう大人になっていた。
ここで僕がたまに聞いている
レペゼン地球 というDJ集団の「HANABI」という曲の歌詞を思い出す。
"俺は大人になりたくねぇが
手に持つラムネはビールに変わり
大人になるのも仕方ねぇか"
レペゼン地球のDJふぉいさんのパートである。
僕も地元にいた時は毎年のように花火大会に友人と行った。そして屋台の食べ物やジュースを買い、友人と騒いで遊んだものだ。
しかし今となってはキンキンに冷えた缶ビールとおつまみを持って花火を見て楽しんでいる。
そんな幼少期と今僕との違いを考えさせられる歌詞が好きでこの歌をよく聞いている。
幼少期は大人になりたかった。
何故だろう、今は大人になりたくない。
ジュースを飲んでいたあの頃に戻りたい。
幼少期はタバコやアルコールは勿論、
夜出歩くことすら禁止されていた。
今の僕は、学生の身分ではあるが
禁止されていることはほとんどない。
こう考えてみると幼少期なんて不自由で退屈のように感じるが、背負うものがなく、
僕は大人に憧れつつも不自由なりにあの頃を楽しんでいた。
今の僕は自由ではあるが、これからの就職や結婚、家庭など人生において、大きいことを考えさせられている。幼少期の明日の漢字テストとは考えることの規模が違い過ぎる。
幼少期は大人になってこんなに背負い込むことがあるなんて考えたことがなかった。
自由が手に入る。それだけだと思っていた。
朝ランドセルやカバンを背負って学校に向かう子たちは僕にとって輝いて見える。
もしもタイムマシンがあるならば
過去に戻って、後先のことを何も考えず無邪気に遊びたい。
そんなことを考えながら僕は
前にしか進めない人生に向かっていくために
今日も缶ビールを飲んでいる。
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