FP1級実技面接レポート 2023/02/05 PART1
きんざい面接の実体験レポートです。
皆さん記載しているように、当方の答えが正しいとは言えないこと、模範解答では決して無いこと、あやふやな記憶で作成しているので、正確では無いことを十分ご留意願います。
試験問題はきんざいさんのホームページから御覧いただければと思います。
試験問題はここに掲載しないので、きんざいさんが例示する「ウェブ上に過去問題の解説をするために試験問題を掲載する。」には該当せず、著作権法上問題ないと認識していますが、問題があればすぐに許諾をとるための申請しますので、御指摘ください。
(余談ですが、当日行われた問答や実体験を記述することが、どこまで著作権法上の範疇なのかは、別途考えたいテーマですね…)
さて、レポートは、問題文が配布されたところからです。
何が問われるか、きちんとそれにこたえられるかは自信ないけれども、できるだけ多くの指摘・相談内容を挙げることだけは頑張ろうと思いながら、設例を読み始めました。
自分で決めたルールは別の記事をご覧ください。
①設例の読み取り
Aさんは…個人で不動産業を…
あー、個人かー。法人の対策をメインで行っていたし、確率的に「個人で、しかも不動産業があたる確率」は少ないかなぁと思っていたけど、まんべんなく出るんだなーというのが最初の10秒程度。
ここで設例を読むのをやめて、落ち着いて頭を切り換えて、いつものとおり親族関係の図をチェック。
旦那さん生存で、二女と同居、二女に子がないことを確認。
長女の居住パターンが「持家」であることと、子がいることを確認。
次にAさんの財産をチェック。
現金 ある程度たくさんある
有価証券 同じくたくさんある(が法人の役員ではなさそうだから、普通の株式かな。)
自宅の土地→面積を確認。横に小規模宅地の場合の上限面積330㎡をメモ。
建物の価格が500万円と、評価額が少ないことを確認。
賃貸マンション→面積を確認。
月極駐車場→面積を確認。
事業用が二つあるので、どちらが㎡単価が高いかを軽く計算しておこう。横に小規模宅地の場合の上限面積もメモ。
最後に、何も対策をしなかった場合の相続税額を確認。
この時点で、指摘・相談内容として
・ 相続税の軽減対策
小規模宅地等の特例の有効活用
子・孫への資金援助の方法の検討
・ 納税資金の確保および確保後の資金の有効活用
・ 円満・円滑な相続および遺産分割対策
・ 乙土地(月極駐車場)の取扱い
を余白に記入する。
次に設例を読み始める。以下にマーキング。
年間5,000万円の家賃収入
不動産所得3,000万円
乙土地は駐車場で、収益性は高くない。
毎年の所得税の負担が大きい、何か軽減する方法がないか
法人を設立して所得の分散
融資の可能性
ここで指摘・相談内容に
・所得税の軽減対策と法人化の検討
を追加。
乙土地 テナントビル建築の提案と一括借り上げシステム
名義は個人、法人のどちらがより望ましいか
ここで、先の乙土地の取扱いの部分を
・乙土地の有効活用とテナントビルの建築、及びその名義の検討
に修正
自宅の売却(時価1億円)と、駅近の分譲マンション(販売価格8,000万円)への住み替え
ここで
・自宅の売却と住み替えに関して、および使える税制特例の検討
を追加
分譲マンションは、二女Dさんに承継したい
賃貸不動産からの収入は子2人が均等に得られるように
ここで、
・円満・円滑な相続および遺産分割対策
に
・遺言書の作成及び遺留分対策
を追加
指摘する内容は、ざっとこんな感じかなぁと思い、余った時間でこれらに対する対策をメモ。
対策に関しては、いろいろなメモの方法があると思いますが、takanontiovitaさんのnoteで覚え方のヒントが書いてあったので、それを参考にしました。
語呂合わせで覚える方法がとても役立ちました。
語呂は自分が覚えやすいように、自分なりに多少変えてみるのがお勧めです。
(勝手に紹介してしまって申し訳ありません!)
あと、ど忘れ対策用に、
ココアのいし
とメモ。
ココアのいし に関しては、別の記事を参照願います。
なんだかんだで、時間になり移動が始まりました。
②面接室にて
廊下で部屋を指示され、ノックして入室します。
アルコール消毒をして、名前を名乗りました。
面接官は男性二名でした。
以下、私「ル」 面接官「面」とします。
面
「それでは私の方から質問していくね。設例を読んでもらったと思うけど、設例に書いていないことも含めて、相談内容や検討事項、問題点をできるだけ挙げて」
ル
「・所得税の軽減対策と法人化の検討
・自宅の売却と住み替えに関して、および使える税制特例の検討
・乙土地の有効活用とテナントビルの建築、及びその名義の検討
・相続税の軽減対策
・小規模宅地等の特例の有効活用
・子・孫への資金援助の方法の検討※
・納税資金の確保および確保後の資金の有効活用
・円満・円滑な相続および遺産分割対策
・遺言書の作成及び遺留分対策
・生命保険の加入確認及び活用※
です。」
※部分は、設例にないことも含んで という問いだったので加えています。
面「そんな感じだね。では、まず法人化から聞いていくね。法人化だけど、不動産賃貸だと3つの会社形態があるんだけど、わかる?」
ル
「…はい…(3つだから…あっ)管理だけを委託される管理受託方式、サブリース方式、あとは…自己所有方式です。」
(面接官うなづいてくれる←これうれしい)
この瞬間に、皆さんのnoteを見ておいてよかったぁと実感しました。おそらく何も対策していなかったら、何の話かよく分からなかったはずです。答えを知っていたから、質問の意味が分かりました。
nenoさんの実体験だったかと思いますが、本当に感謝です。
面「今回はかなり所得が多いんだけど、それを減らしたいときはどの方式が良いかなぁ」
ル
「自己所有方式が良いと思います。」
面
「そうだね。では、そのとき不動産はどのように法人に移すべきかな」
ル「金融機関からの融資も得られそうなので、買い取る方法が良いとも思います。」
面
「土地と建物があるけど、なんかいい方法ある?」
ル
「建物のみを売買します。」
面
「この場合、やることがあるけど、何かわかる?」
ル
「借地権の認定課税を避けるために、土地の無償返還の届出書を提出します。…もしくは相当の地代方式で行くか…」
面
「では、株主や役員構成はどうする?」
ル
「相続を考えて、株主は娘二人が良いと思います。」
面
「役員は?」
ル
「娘Cさんと、お母様が青色専従者なのでお母様も、あとは娘Dさんは会社員なので、勤務先がオーケーなら入れたいです。(副業禁止規定とかあったらな…と思いこのように言いました。)」
面
「オーケーならね。現在の賃貸マンションの土地の相続の評価はどうなる?」
ル
「路線価から算出した価格から…
貸家建付地の評価になります」
(倍率方式もあるので、路線価から算出してっていうのはダメですね。自用地評価って単語が出ませんでした。)
面
「たとえば、D地域だとして、どのくらい安くなる?」
ル
「借家権が30パーセントなので、約2割減です」
(細かく言わなかったけど大丈夫かな…)
面
「建物は?」
ル
「固定資産税評価額になります」
面
「貸してるから・・・・・・」
ル
「あっ30%減になります」
面
「例えば、Aさんが、この部屋は自分で貸したいとか、要は、いいとこどりしたいとき、なんかよい案ある?」
ル
「(質問の意図がわからない…)えっと、建物を区分して登記すればよいと思います…」
面接
「区分所有登記するってことね。はい。」
(ん?正解なのか、、、模範解答がよくわからないです…)
面
「次にマンションの買い替えね。買い替えで使えるのはどんな特例?」
ル
「居住用財産の買換え特例です」
面
「面積要件わかる?」
ル
「建物が50㎡以上 土地が500㎡「以下」…だったか「未満」だったか、これは持ち帰ります。」
面
「全額繰り延べできる?」
ル
「いえ、購入した金額が上限なので、差額は所得になります。」
面
「この特例以外にも別に特例あるんだけど、わかる?」
ル
「居住用財産の3000万円控除と軽減税率です」
面
「軽減税率の税率は」
ル
「3000万円控除後の金額で、6000万円まで14…
(ここで電卓をたたいて一応確認しようとした)」
面
「.21ね。」
ル
「それ以降は、普通の長期譲渡所得です。」
面
「仮に簿価と時価が高いとき、どちらを使うかを考えるんだけど、軽減税率って、取得日は引き継ぐんだっけ」
ル
(ん?取得日を重視するのは初めて聞く視点かも。当分売らないだろうし、取得日よりも取得価格を重視してたよな…いつもは と思いながら)
「引き継がないです」
面
「ではどちらを使うのが良いかな」
ル
「特別控除と軽減税率です。」
(自宅の取得費がわからないから何とも言えないけれど、取得費が安いならば将来売ることに備えて、買い替え特例ではなく、安い軽減税率で税金を支払う方が良いと考えるべきなのかな…)
面
「そうだね。で、マンションは相続のとき、特に土地なんだけどうやって評価する?」
ル
「先ほど言った路線価から算出した価格に…(自用地評価がでてこない)持ち分をかけた価格です」
面
「そうするとマンションはかなり面積も少なくなるよね。」
ル
「はい。」
面
「となると、相続のときにほかに特例使いたいんだけど、小規模宅地の特例をほかにも使えるところはある?」
ル
「面積調整となりますが、貸付事業用宅地が使えます」
面
「2つ事業用の土地があるみたいだけど、どちらに使うとか、計算方法ある?」
ル
「平米単価の高い土地に使うのが良いと思います」
面
「そうだね。次は遺産分割対策ね。何か対策ある?」
ル
「遺言書の作成をお勧めします」
面
「遺言書には3つのタイプがあると思うけど、どれをつかう?」
ル
「まだAさんは70歳ということなので、自分で書けるようであれば自筆証書遺言にして、可能であれば法務局で保管してもらうのが良いと思います。
書くのが苦手とかであれば、公正証書をお勧めします。」
面
「公正証書遺言のデメリットは?」
ル
「デメリットは…(費用がかかるだよな よし)」
面
「費用以外で。」
ル
「費用以外で…(まじかよ、費用以外で考えたことないよ…)えっと、証人が2人以上必要になってしまうことと、すぐには作れず打ち合わせなどで時間がかかること…ごめんなさいほかに思いつきません」
面
「まぁそんなところだね」
面
「相続税の軽減対策、保険に入るのは入るとして、それ以外でほかに何か考えられる?」
ル
「各種贈与の非課税を利用します」
面
「具体的にはどんな?」
ル
「教育資金一括贈与とかですかね…(家は持ってるしなぁ…頭がまわらない)」
面
「仮に、〇〇さん(質問は、二女Dさんだったか、長女Cさんだったかどちらか忘れました。)がたくさんもらっちゃうとして、遺留分を侵害するとき、どうする?」
ル
「…えっと、代償分割をします。〇〇さんには収入をためてもらっておいて、分割で支払うとか…です。」
面
「じゃあ最後に職業倫理を教えて」
(なんとかおわったー ココアのいしだー )
ル
「(コ)顧客利益の優先
(コ)コンプライアンスの徹底
(ア)アカウンタビリティ
(の)能力の啓発
(い)インフォームドコンセント
(し)守秘義務 です。」
面
「今回の事例ではどれが一番大切かな」
ル
「インフォームドコンセントです!」
面
「その理由は?」
ル
「FPがAさん、Aさんのご家族に対して行う提案は多岐にわたりますので、顧客の立場に立ち、その提案の内容や結果を一つ一つ丁寧に説明するとともに、きちんとご理解いただけたか、同意いただけるかを確認の上、進めていく必要があると考えるからです。」
面
「これで終わります」
ル
「ありがとうございました」
アドレナリンが出まくっているからか、あまり長くは感じなかったのですが、思い出しながら問答を書くと、ものすごく長く感じますね。
面接官のメインの方は40代後半くらいの男性で、めちゃくちゃ仕事ができそうな方でした。
もう一方の方は、60代中盤くらいの男性で、とてもやさしい感じの方でした。
圧迫感は全くなく、回答に導こうとしてくれていたので、そこまで緊張せず受け答えできた感じです。
参考になれば嬉しいです。
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