きんざい FP1級実技の傾向と対策 PART Ⅰ 相談内容や問題点の指摘編
PART Ⅰ の一番最初の質問 相談内容や問題点の指摘に関してです。
設例15分を使って、チェックしておいた相談内容や問題点をできるだけ多くあげることが必要となります。
設例の多くが会社の社長ケースだと思うので、その場合のお話をします。
大きく分けると、
イ X社の事業承継と、Cさんへの株式移転方法の検討
ロ 相続税の軽減対策
ハ 納税資金の確保
ニ 円満・円滑な相続
ホ その他(設例で特に記載されていること)
といった5個くらいになると思います。
ただ、問題集では
具体的な指摘や、
生命保険など相談内容には書かれていないことも記載されています。
勉強を始めたころ、ここがよくわかりませんでした。
どこまでをまとめて、どこまでをいうべきか。
例えば、X社株式の評価の軽減対策は、もちろん相続税軽減対策の大枠に含まれるものだと思いますが、あえて言うべきなのか、わかりませんでした。
これに関しては何が正解かわからないので、とりあえず言っておくことにしました。
よって
イ X社の事業承継と、Cさんへの株式移転方法の検討
X社本社土地の取り扱い
ロ 相続税の軽減対策
X社株式の評価の軽減対策
小規模宅地等の特例の有効活用
子・孫への資金援助の方法の検討
ハ 納税資金の確保
および確保後の資金の有効活用
ニ 円満・円滑な相続および遺産分割対策
(設例にとくに記載があれば、遺言書の作成とか遺留分対策を追加)
ホ その他(設例で特に記載されていること)
+
生命保険の加入確認及び活用
役員退職金支給のための各種規定の確認・準備
といったように、大枠に含まれる内容も、あえて肉付けして指摘することにしました。
たとえば、納税資金の確保に「および確保後の資金の有効活用」を加えたのは、具体的な納税資金は計算していないのでいくら下がるのかわかりませんが、きっと現金が余るでしょうから、それも現金で取っておくのではなく、ある程度有効活用すべきですよというのを、伝えているつもりです。
「生命保険の加入確認及び活用」
というのは設例には記載されていないので、毎度言うべきか悩んでいましたが、僕の面接のときには、設例に書かれれていないことも含めて検討事項をとおっしゃっていた気がしたので、指摘してOKだと思っています。
「役員退職金支給のための各種規定の確認・準備」
というのは、あまり問題集には載っていなかったのですが、
規定がないと支給しづらいものと理解していたので、「退職金支給予定」という文言があれば、言うことにしていました。
ここからは、好き嫌いが分かれるかと思いますので、読み飛ばしていただいてもよいかもしれません。
問題集を読んでいるとある程度指摘できる気がしてしまうのですが、
実際にそれを箇条書きにまとめようとすると、意外と難しいです。
ましてやいっぱいいっぱいの状況で、これができるとは思えませんでした。
僕の場合、設例を最初から読むと、てんぱっていて、どこかでミスするケースがとても多かったです。
そのため、僕の場合は、いきなり設例を読み始めるのはやめました。
そして、次のルールを決めました。
問題文を一行目から読まない。
まずは目で確認しやすい、家族・資産・会社の状況を把握する。
そこから最低限の問題点をピックアップする。
具体的には、親族関係図をチェック
①配偶者が生存しているか
②兄弟姉妹・孫の有無
③住んでいる家の種別(実家・持家・社宅等)と同居の確認
→この時点で、
☆円満・円滑な相続と遺産分割対策
☆子・孫への援助方法の検討
という2点があげられます。
次に、所有財産のチェック
①現金と相続税資産額の比較
☆現金が少ないとき納税資金の確保
多かったとしても、納税資金確保後の資金の有効活用
②自宅土地のチェックと㎡確認
X社本社土地のチェックと、無償返還の届け出の有無のチェック
貸付事業用宅地のチェック㎡確認
☆小規模宅地等の特例の有効活用
☆本社土地の取り扱いの検討
③X社株式のチェック
☆X社株式の評価の軽減対策
④駐車場等、遊休地のチェック
☆駐車場の取り扱い(別に問題点ではないのですが、有効活用という面で)
X社の概要のチェック
①会社規模 大会社か中会社か小会社か
→よこにLの割合を書いておく
使用する方の相続税評価額にマーキング(類似業種比準価額などに)
②従業員数・売上高のチェック
→大会社にレベルアップ または 中会社にダウン の可能性があるか
③持ち株比率のチェック
→少ないパーセンテージの持ち株の場合、「少数株主対策」
具体的な設例を読む前でも、ある程度の問題点等が指摘できているのがわかりますか。
ある程度、情報が入れば、頭も心も落ち着いているはずです。
ここまで準備した段階で、設例を読み始めることにました。
資産と会社の状況から、設例を読む前に多少の悩みが想像できる気がしませんか。
設例を読んで、
大枠に肉付け と その他のピックアップ を行えば、ある程度大丈夫だと思います。
その他に関しては、問題文そのまま抜き出してもよいですし、
〇〇〇対策
〇〇〇についての検討
〇〇〇についての取り扱いの検討 等の言い回しにしてもよいと思います。
必ず指摘しなければならないことを押さえておけば大丈夫だと思いますが、
たくさん指摘して怒られることはないと思いますので、実際に指摘事項を考えられるのであれば言った方がいいと考えます…が、いかがでしょうか。
参考になればうれしいです。