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ランニングと肩甲骨

最近、ランニング指導の際に肩甲骨の使い方についてよく言うようにしています。
一見すると、肩甲骨とランニング、あまり関係ないように思われるかも知れませんが、ランニングの際に肩甲骨の動きはとても重要な役割を果たしています。
このことは高岡英夫先生著「肩甲骨が立てばパフォーマンスは上がる!」のなかでわかりやすく解説されていますので、これをかいつまんで説明しましょう。

  • 走る際に腕を振るのはバランスを取るため

  • このバランスの中には外的な前後左右のバランスに加えて、身体の内部での運動量のバランスを取ると言う意味も含まれている。これは「内的運動量の一致」と呼ばれる物理の法則のようなもので、読んで字のごとく、例えば脚が前に出れば、どこかで後ろ向きの運動量が起こり、全体としてはプラスマイナスゼロになる、と言うこと。

  • 運動量は『質量×速度』で表されるため、身体の部位の重さも大きく関係する 

  • ランニングの際には脚を前に出したら腕を後ろに引いてバランスを取るが、脚の重さと腕の重さを比べると明らかに脚の方が重い。したがって、脚を大きく動かそうとすると腕の重みだけではバランスが取リづらい

  • そのため、腕だけでなく肩甲骨やその周りの筋肉を一緒に動かすことで、運動量のバランスが取れるようになる。

  • このことは、脚を大きく動かすためには肩甲骨と腕を一緒に大きく動かす必要がある、ということを意味する。

とここまでは、ある意味、物理的な話で理解しやすいのですが、問題は肩甲骨が肋骨から独立して動かすことができるか、です。

  • 肩甲骨が肋骨と張り付いている状態で肩甲骨を動かそうとすると上体(肋骨)が回り出してしまう。

  • すると、内的運動量を一致させようとして、体幹の上部と下部が反転する回軸運動を繰り返す効率の悪い動きになる 

  • 本来固定しておくべき体幹が崩れて軸がぶれてしまい、パフォーマンスが上がらない

PCを使う時間の長い現代人は加齢とともに肩甲骨と肋骨が張り付いてしまうことが多いため、上記のようなことが起きがちです。(なので、巷のストレッチ専門店が「肩甲骨はがし」をよく宣伝しているんですね)
したがって、効率の良い、大きな動きで走れるようになるためには、肩甲骨が肋骨の上に浮いている本来の形に戻すことで、肩甲骨の可動域を拡げることが不可避だと思っています。

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