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(想)たかが1年、されど1年
10代のとき、オートバイのレーサーになりたくて、というかただ速くなりたくて、1年という時間で人生を変えてやると思って取り組んでいた。専門学校を卒業したくせに就職もせず、親には悪いと思ったが、しかし、ここで妥協して就職することのほうが一生後悔すると思い、やめることはできなかった。
非常にお金のかかるスポーツなので、運送会社で昼も夜も働いて、休日はサーキットにいくという日々。怪我とも隣り合わせだったので、長くは続けられない。なので3年という期限を決めて毎戦毎戦の結果を残すことだけに必死だった。
結果的には、満足する結果は出せず、プロへの道は見切りをつけるのだが、それであれば、せめてアメリカの伝統的レースに出場したい!とおもっていたところ、たまたま外資系の会社にバイト募集があったので、海外とのつながりができるかもしれないと単純な想いで応募した。
蓋を開ければ、海外雑貨の完全歩合の飛び込み営業だったのだが、これがキツイのなんの。
1日8時間歩きっぱなしで本当に休憩はほとんどなし。だけど、1年で社長になれると聞いて、一発逆転を狙うために精一杯働いた。
「1年で人生変えてやる。そのために今日結果を出す」
そんな気持ちで取り組んでいた。営業なんてやったことなかったが、気がついたら人と話すことにも慣れ、堂々と人と交渉することができるようになっていた。
結局、1年やって独立することはできなかったのだが、この1年が仕事に対する考えや努力、心の持ちようなどの基礎部分を作ってくれたように思う。
ある程度、仕事生活を続けるとどうしても毎年毎年が惰性になってきてしまう。
「1年を本気でなにかに取り組んだら、人は変われる」と信じれるいい経験になった。
去年、長年やった会社の組織を譲り、今学生をしている。
昔を思い出し、惰性になっていた社会人生活にピリオドをうち、全く違うコミュニティーに入り、視野をこれまで以上に変えてやると思っている。
「たかが1年、されど1年」
精一杯取り組み続けた先に今想像できないくらいのどんな未来が待っているのか楽しみだ。