『GABA』ってなに?【おもし論文】
皆さん、最近この文字をよく目にしませんか?
そうです、機能性表示食品としてチョコレート等にGABAが含まれたものがよく店頭で見られますよね。
「仕事や家事による一時的なストレスを緩和する」といった文面に惹かれ、筆者自身よく買っていました。
が、『GABA』ってはたして何なのか。
本当にストレス緩和に効果があるのか。
そこで今回ご紹介する論文はこちら。
「GABA経口摂取による自律神経活動の活性化」
(著:藤林真美、神谷智康、高垣欣也、森谷敏夫)
この研究では、GABAが30mg入ったカプセルを飲む群と、GABAが入っていないカプセルを飲む群に分かれて、それぞれの経口摂取前後の自律神経活動動態を調べています。
ところでそもそも『GABA』って何でしょう?
GABAは、脳内の神経興奮を鎮めて精神を安定させる作用があるとされている遊離アミノ酸です。
人間はストレスを感じると大脳辺縁系を中心に興奮が高まります。
そこでGABAの出番です!
神経細胞の興奮を抑制し、ストレス状態を緩和してくれるのです。
本当にストレス緩和に効果があるの?
研究結果を見ていきましょう。
自律神経活動の変化は、心電図を測定して安静時との比較によって観察しています。
結果は、GABA含有カプセルを摂取した群において、30分後に副交感神経活動の増加が顕著にみられ、さらに60分後も持続していました。
GABAが入っていないカプセルを摂取した群では、有意な変化はみられなかったようです。
よって、この研究ではGABA摂取が自律神経活動を増加、特に副交感神経活動を亢進させることを見出したのです。
機能性表示食品に書かれていたことは本当だったのですね。
GABAは機能性表示食品だけでなく、日常的な食事の中にも含まれています。
例えば、発芽玄米・漬物・味噌・醤油といった発酵食品等、特に和食に多く含まれています。
日常の傍らに存在するストレスへの対処方法のひとつとして、GABAを活用してみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
参考文献
「GABA経口摂取による自律神経活動の活性化」
(著:藤林真美、神谷智康、高垣欣也、森谷敏夫)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/61/3/61_3_129/_pdf